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03月07日-03号

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  1. 奈良市議会 2019-03-07
    03月07日-03号


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    平成31年  3月 定例会平成31年奈良市議会3月定例会会議録(第3号)-----------------------------------   平成31年3月7日(木曜日)午前10時0分開議----------------------------------- 議事日程  日程第1 議案第1号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて       議案第2号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて       議案第3号 平成30年度奈良市一般会計補正予算(第5号)       議案第4号 平成30年度奈良市国民健康保険特別会計補正予算(第3号)       議案第5号 平成30年度奈良市土地区画整理事業特別会計補正予算(第2号)       議案第6号 平成30年度奈良市駐車場事業特別会計補正予算(第2号)       議案第7号 平成30年度奈良市介護保険特別会計補正予算(第3号)       議案第8号 平成30年度奈良市針テラス事業特別会計補正予算(第2号)       議案第9号 平成30年度奈良市後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号)       議案第10号 平成30年度奈良市水道事業会計補正予算(第3号)       議案第11号 平成30年度奈良市下水道事業会計補正予算(第2号)       議案第12号 奈良市一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部改正について       議案第13号 奈良市議会の議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当の額並びにその支給に関する条例等の一部改正について       議案第14号 奈良市一般職の職員の給与に関する条例及び奈良市一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部改正について       議案第15号 奈良市共同浴場条例の一部改正について       議案第16号 奈良市手話言語条例の制定について       議案第17号 工事請負契約の締結について       議案第19号 平成31年度奈良市一般会計予算       議案第20号 平成31年度奈良市住宅新築資金等貸付金特別会計予算       議案第21号 平成31年度奈良市国民健康保険特別会計予算       議案第22号 平成31年度奈良市土地区画整理事業特別会計予算       議案第23号 平成31年度奈良市市街地再開発事業特別会計予算       議案第24号 平成31年度奈良市公共用地取得事業特別会計予算       議案第25号 平成31年度奈良市介護保険特別会計予算       議案第26号 平成31年度奈良市母子父子寡婦福祉資金貸付金特別会計予算       議案第27号 平成31年度奈良市後期高齢者医療特別会計予算       議案第28号 平成31年度奈良市病院事業会計予算       議案第29号 平成31年度奈良市水道事業会計予算       議案第30号 平成31年度奈良市下水道事業会計予算       議案第31号 奈良市役所出張所設置条例の一部改正について       議案第32号 奈良市附属機関設置条例の一部改正について       議案第33号 奈良市職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部改正について       議案第34号 奈良市職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例及び奈良市企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部改正について       議案第35号 学校教育法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例の制定について       議案第36号 奈良市報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について       議案第37号 奈良市特別会計条例の一部改正について       議案第38号 奈良市幼保連携型認定こども園以外の認定こども園の認定の要件を定める条例の制定について       議案第39号 奈良市児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について       議案第40号 奈良市子ども医療費の助成に関する条例等の一部改正について       議案第41号 奈良市国民健康保険条例の一部改正について       議案第42号 奈良市犯罪被害者等支援条例の制定について       議案第43号 奈良市営駐車場条例の一部改正について       議案第44号 奈良市温泉施設条例の一部改正について       議案第45号 奈良市地区計画形態意匠条例の一部改正について       議案第46号 包括外部監査契約の締結について       議案第47号 市道路線の廃止について       議案第48号 市道路線の認定について       議案第49号 住居表示を実施すべき市街地の区域及び当該区域内の住居表示の方法について       議案第50号 住居表示を実施すべき市街地の区域及び当該区域内の住居表示の方法について       議案第51号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第52号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第53号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第55号 奈良市下水道条例及び奈良市農業集落排水処理施設条例の一部改正について       諮問第1号 使用料の徴収に関する処分についての審査請求に係る諮問について       諮問第2号 使用料の徴収に関する処分等についての審査請求に係る諮問について----------------------------------- 本日の会議に付した事件  第1、日程に同じ----------------------------------- 出席議員(38名)  1番 道端孝治君      2番 塚本 勝君  3番 樋口清二郎君     4番 山出哲史君  5番 林 政行君      6番 松下幸治君  7番 阪本美知子君     8番 山本直子君  9番 白川健太郎君     10番 山本憲宥君  11番 太田晃司君      12番 階戸幸一君  13番 横井雄一君      14番 宮池 明君  15番 早田哲朗君      16番 三橋和史君  17番 大西淳文君      18番 柿本元気君  19番 酒井孝江君      20番 山口裕司君  21番 北村拓哉君      22番 八尾俊宏君  23番 東久保耕也君     24番 内藤智司君  25番 植村佳史君      26番 藤田幸代君  27番 田畑日佐恵君     28番 九里雄二君  29番 三浦教次君      30番 松石聖一君  31番 鍵田美智子君     32番 井上昌弘君  34番 森田一成君      35番 土田敏朗君  36番 北 良晃君      37番 中西吉日出君  38番 伊藤 剛君      39番 森岡弘之君 欠席議員  なし 欠番  33番----------------------------------- 説明のため出席した者  市長       仲川元庸君   副市長      向井政彦君  副市長      西谷忠雄君   危機管理監    西岡光治君  総合政策部長   染谷禎章君   総務部長     吉村啓信君  財務部長     辻井 淳君   市民生活部長   川尻 茂君  市民活動部長   園部龍弥君   福祉部長     堀川育子君  子ども未来部長  真銅正宣君   健康医療部長   佐藤敏行君  環境部長     奥田晴久君   観光経済部長   梅森義弘君  都市整備部長   岡本善昭君   建設部長     杉野高広君  会計契約部長   中西寿人君   企業局長     池田 修君  消防局長     藤村正弘君   教育長      中室雄俊君  教育総務部長   尾崎勝彦君   学校教育部長   北谷雅人君  監査委員     東口喜代一君  総合政策課長   上南善嗣君  財政課長     小西啓詞君----------------------------------- 事務局職員出席者  事務局長     梶 正樹    事務局次長    小川祐弘  議会総務課長   中谷陽子    議事調査課長   島岡佳彦  議事調査課長補佐 秋田良久    議事係長     石丸元太郎  調査係長     岡本欣之    議事調査課書記  美並彰悟-----------------------------------   午前10時0分 開議 ○副議長(森岡弘之君) 議長所用のため、私、かわって議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。 昨日に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- △日程第1 議案第1号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて 外54件(質疑並びに一般質問) ○副議長(森岡弘之君) 直ちに日程に入ります。 日程第1、議案第1号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについてより議案第17号までの17議案、議案第19号 平成31年度奈良市一般会計予算より議案第53号までの35議案、議案第55号 奈良市下水道条例及び奈良市農業集落排水処理施設条例の一部改正について、諮問第1号 使用料の徴収に関する処分についての審査請求に係る諮問について及び諮問第2号 使用料の徴収に関する処分等についての審査請求に係る諮問について、以上55件を一括して議題といたします。 昨日に引き続き、質疑並びに一般質問を行います。 11番太田君。   (11番 太田晃司君 登壇) ◆11番(太田晃司君) おはようございます。自由民主党の太田晃司です。 早速ですが、通告に従い、数点にわたり質問をさせていただきます。 最初に、次期総合計画の策定について、市長に伺います。 第4次総合計画が2020年に最終年度を迎えることから、これまでと同様の周期の考え方で進めるならば、次期計画は2021年から2030年までの10カ年計画となります。平成31年度一般会計予算にも計上されていることから、その策定の考え方について数点伺います。 1点目に、第4次総合計画の評価についてどう考えているのかお聞きをいたします。特に、事業の根幹となる行財政改革については、後期計画で経常収支比率の目標を95.0以下と設定をしていながら、2016年、2017年と100%を超えている状況であり、とても達成をされているとは言いがたい状況であります。今年度の予算に反映されようとしている職員給与の時限的なカットも、こうした厳しい財政状況を反映して提案されたものと考えます。 そこで、本会議で幾度となく複数の議員も指摘をされているように、出るを制して入るをはかるがどれだけ達成できたのかですが、第4次総合計画での取り組み成果をお聞かせください。あわせて、次期総合計画では実現可能性を捉えた目標設定をするべきと考えますが、現計画の課題を踏まえた行財政改革のあり方についてお聞かせください。 2点目に、次期総合計画で目指す財政フレームについて伺います。 財政フレームの発表は、次期総合計画が発表される時期に委ねられると伺っていますが、これでは遅いのではないでしょうか。新斎苑建設推進事業、大和西大寺駅周辺の整備事業を初め、今後もクリーンセンター建設事業、本庁舎整備に要する費用などを勘案すれば、おおよその財政の収支予測の状況は算定できるのではないかと考えます。 そこで、市債残高に焦点を当ててお聞きをしますが、今後どのような推移をたどると考えているのか。次期総合計画に係る期間10年間での見通しをお聞かせください。あわせて、市民1人当たりにかかる市債の負担についてもお聞かせください。 3点目に、奈良市まち・ひと・しごと創生総合戦略との整合性について伺います。 奈良市まち・ひと・しごと創生総合戦略は2015年から始まり、来年で終了を迎える5カ年計画の予定であります。この中では重点項目として、1点目に女性の就業支援、2点目に観光消費額の増加と目標設定をされていますが、特にKPIといった数値面でのこれらの進捗について伺います。 また、関連して、第4次総合計画後期計画は2016年から2020年までで終了することから、まち・ひと・しごと創生総合戦略との整合性をどのようにとり、次期となる第5次の総合計画に生かそうとするのか、その考えについてお聞かせください。 4点目に、次期総合計画への持続可能な開発目標--Sustainable Development Goals、いわゆるSDGsの導入可能性について伺います。 これは2015年9月開催の国連サミットにおいて、持続可能な開発のための2030アジェンダとして17の目標となるゴール、169の具体目標となるターゲットが採択をされたものです。例えば貧困をなくそう、あるいは全ての人に健康と福祉をといったゴールに向かって個別政策を展開しようとするものであり、企業においても順次敷衍をしつつあります。 本アジェンダは2030年までを目標としており、本市においても次期総合計画は2030年までが想定をされることから、合致する目標年度と考えます。そこで、SDGsを基礎とした本市独自の政策目標を打ち立ててみてはどうかと考えますが、本市のSDGsに対する取り組みの考え方についてお聞かせください。 次に、本市の就労支援施策について、観光経済部長、福祉部長にお聞きをいたします。 これから人口減少が加速度を増す時代において、労働人口においても減少に転じていきます。先日、2015年と2018年の比較ですが、15歳から64歳の人口が減少した自治体比較の調査資料があり、東洋経済新報社が公開したデータを参考にしたところ、本市は中核市の中でも10番目に同人口の減少率が高い数値でありました。本市として人口減のブレーキをかけながらも、その中で工夫をしながら労働人口をどう確保していくかが課題であります。そうした中で、高齢の方、ひきこもり、ニート、障害を持っておられる方など、多様な就労や自立支援を求められる方に対して細やかな体制をとっていくことが求められます。 そこで、1点目に、心身において何か障害をお持ちの方についての就労支援の状況についてお聞きをいたします。現在取り組まれている障害者の就労支援はどのような内容になっているのかお聞かせください。また、本市として就労相談でどのようなマッチングの役割を果たしてきたのか、その実績についてお聞かせください。 2点目に、奈良市若者サポートセンター「Restartなら」が昨年7月より開設をされていますが、これまで設置をされていたくらしとしごとサポートセンターでの取り組みとの整合性はどのようになっているのでしょうか。くらしとしごとサポートセンターが対象としている相談を受け入れられている方々の事例についても、あわせてお聞かせください。 また、Restartならでは、主に10代から20代の若者を対象とされているようですが、今後8050問題にあるように、増加が懸念されるひきこもりの高齢化へはどのような対応を講じようとしているのか、その年代別の実態調査も含めてお聞かせください。 次に、大和西大寺駅周辺における都市計画について、都市整備部長にお聞きをいたします。 新年度予算にも重点施策として継続事業にあるように、大和西大寺駅周辺については南北自由通路整備事業北口駅前広場整備事業、南側での土地区画整理事業と大型事業が山場を迎えようとしています。東西南北の交通の結節点としての役割を果たしている大和西大寺駅ですが、これらの事業の完成に伴い、長年指摘をされてきたあかずの踏切の解消に向けての第一歩となることが期待をされます。また、大和西大寺駅の立体交差化の協議も進められようとしている中で、今後本市における本駅周辺の位置づけが問われることになろうかと思います。 そこでお伺いいたします。 まず1点目に、これまでも大和西大寺駅周辺について、本市は副都心として位置づけをされているようですが、目指すべき副都心とはどのようなまちづくりなのか、特に駅の南北周辺についてお聞かせください。 2点目に、用途地域や高さ制限の変更の考えについてお伺いいたします。 本市は、全国的にも厳しい高さ制限がかけられていることは周知のとおりです。その根拠の一つとして、奈良市眺望景観保全活用計画にもあるように、平城宮跡からの東大寺大仏殿や興福寺五重塔への眺望、また西ノ京大池から薬師寺の塔越しに見る大和青垣の眺望などの基準があり、奈良らしい古都の景観を今後も保全していくことは、本市のみならず世界から訪れる来客に対してすばらしい景観を示す意味でも重要な施策であると考えます。 一方、駅南側は、平成32年度末を目標として駅前広場とバスロータリーの開設が急がれていますが、まち開きというべき広場開設後の周辺のにぎわいづくりの不足感が否めません。西大寺駅南側は、商業地域や第二種中高層住居専用地域の区分がされ、高さ制限においても20メートルや25メートルの指定がされているようですが、一方で既存不適格と言われるような高度規制が制定されている以前の高さの建物も存在をしております。 そこで、これらの大規模な駅周辺の土地区画整理事業の機会を捉え、冒頭の景観に配慮した形での用途地域の一部変更や高さ制限の緩和などを考えていくつもりはあるのか、その考えや手続の方法についてお聞かせください。 3点目に、駅南側広場の整備に伴い、民間活力を導入しやすい形での行政の誘導施策が必要ではないかと考えます。新たな公共施設を建てる形ではなく、副都心の玄関口としての大和西大寺駅を訪れる訪問客が滞留しやすい仕組みづくりについてのお考えがあればお聞かせください。 以上、1問目といたします。 ○副議長(森岡弘之君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) おはようございます。 ただいまの太田議員の御質問にお答えを申し上げます。 まず1点目に、行革のこれまでの取り組み成果についての御質問でございます。 これまで取り組んでまいりました行革といたしましては、公有財産の有効活用や市税債権の徴収強化等によります歳入の確保に加えまして、入札制度の改革、業務の民間委託化や職員定数の適正化などを通じた歳出の削減に努めました結果、平成22年度から29年度までの間では約135億円の行革効果があらわれてございます。 一方で、さきに述べましたような取り組みを経てもなお硬直化した厳しい財政状況がございますことから、引き続き重要な経営資源を有効活用し、市が提供すべきサービスを確実に提供できる体制を確立するためには、経常的経費の見直しや歳入の確保が急務でございます。 そこで、短期的に取り組むべき項目といたしまして9つの項目を新・奈良市行財政改革重点取組項目として絞り込み、計画期間を3カ年として今年度から取り組みを進めているところであります。現総合計画におきましては、行財政改革のみならず市政全般の成果について振り返りを行うこととなりますが、その中で見えてまいります課題への対応につきましては、次期の行財政改革の計画にも反映し、本市の将来を見据え、到達すべき目標をしっかりと持った中で改革を進めてまいりたいと考えております。 次に、財政の中でも市債残高についての御質問でございました。 新斎苑整備事業や大和西大寺駅周辺整備事業、またこれから進捗を図ってまいります仮称子どもセンターの建設事業や庁舎耐震化事業などにつきましては、平成32年度の事業の完了を目途に進めておりますことから、これらの事業にはおよそ70億円程度の市債の発行が見込まれ、平成32年度末には一時的に市債残高が増加をいたすものと考えております。 一方で、平成33年度以降につきましては、今後予定をいたしております事業としては、クリーンセンターの建設事業、また八条・大安寺地区周辺整備事業などの主要事業につきましては、その事業の規模やスケジュール等が現段階ではまだ未確定の要素があるところであります。このほか毎年度数十億円の規模となっております臨時財政対策債につきましても、これも国の地方財政対策により大きく変動するものと考えております。 こうしたことから、現時点において次期総合計画期間における各年度の市債残高の具体的な見通しをお示しすることは困難でございますが、一方で次期総合計画における事業計画を立案していく中におきましては、投資的経費全般にわたり、緊急度、優先度を厳しく精査し、市債発行の抑制に努めることによりまして市債残高を縮減していくことが重要だと考えております。 また、市民1人当たりの負担ということにつきましては、予算ベースでの平成31年度末残高見込みで申し上げますと、一般会計、特別会計及び企業会計を合わせました約2646億円を3月1日現在の人口で割りますと、市民1人当たりおよそ74万円でございます。市民1人当たりの推計につきましても、先ほど申し上げましたような市債残高の今後の増減とともに人口の動向によっても変わってくるところでございますが、将来の人口減少が見込まれる中におきましても、1人当たりの市民負担の軽減に引き続き努めてまいりたいと考えております。 次に、まち・ひと・しごと創生総合戦略についての御質問でございます。 女性の就業支援、観光消費額に関するKPI、また次期総合計画との整合性等についてでございますが、1つ目に、まず女性の就業支援におけるKPIといたしましては、奈良市の女性の有業率というものがございます。これが計画の策定時には42.2%でございましたが、平成29年には47.5%と上昇いたしております。 次に、観光消費額に関するKPIでは、奈良県の観光消費単価が計画策定時に日帰りで4,009円であったものが、29年には4,731円、また宿泊につきましては、単価が同じく2万6577円であったものが2万4484円と推移をいたしているものでございます。 次に、総合計画との関連ということにつきましては、総合戦略は総合計画との整合を図り、人口減少の克服という点に焦点を合わせて策定をしたものでございますが、総合計画より1年早く目標年度を迎えるものであります。そのことから、次期総合計画と新総合戦略を一体的に策定をすることで両者の整合性を担保し、データ分析結果の共有など策定のプロセスも効率化することができると考えており、総合戦略を1年間延長し、総合計画との終期、終わりの期間を合わせていきたいと考えております。また、外部有識者によります総合戦略懇話会における事業の効果検証につきましては毎年行っており、それらから見えてまいりました改善点を事業に反映していくとともに、その知見を総合計画にも活用してまいりたいと考えております。 引き続きまして、SDGsについての御質問でございます。 御指摘のようにSDGsは、誰一人取り残さない持続可能な経済社会づくりのために実績を積み重ねていく国際的な目標であり、これを共通言語として官民連携等のさまざまな取り組みにつながっていくことが期待をされております。 本市のSDGsに対する取り組みの考え方といたしましては、次期総合計画や新総合戦略にSDGsの概念や本市の取り組みに合った目標、ターゲット、指標等を盛り込んでいきたいと考えております。自治体が取り組むべき課題は、SDGsに設定をされている項目とも共通する部分が多いと感じており、特に環境政策や女性の活躍推進など本市がこれまで注力をしてまいりました施策にも関連性が高いと考えております。次期総合計画及び新総合戦略を策定する過程の中で、SDGsの考え方や視点を意識しながら、本市にとって必要な施策を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 観光経済部長。   (観光経済部長 梅森義弘君 登壇) ◎観光経済部長(梅森義弘君) 太田議員の御質問にお答えいたします。 障害者就労を推進するためには、就労を希望する障害者と障害者を雇用する企業の双方が、障害者の就労について理解を深めることが極めて重要であると考えております。 本市では、就労を目指す障害者を対象に、なら障害者就業・生活支援センターコンパスと連携した障害者就業・生活支援相談を毎週火曜日に中央棟1階市民相談室におきまして実施しております。 平成29年度は28件、平成30年度は2月までに20件の相談件数があり、就業してからの職場環境に関する相談が多くなっております。今年度からは障害者雇用への理解を深め、障害者雇用の促進を図ることを目的として障害者雇用支援アドバイザーを設置いたしまして、市内企業を対象に、社内における障害者の働く環境の整備や仕事の内容など、障害者雇用についてのコンサルティングを行っているところでございます。 障害者の就労を実現していくためには、福祉的支援を行う事業所や関係機関との連携が不可欠であると考えております。就労移行支援事業所やハローワークなど、障害者の就労を支援する関係機関で構成されております奈良市地域自立支援協議会就労支援部会を通じまして、さらなる連携を図りながら障害者の就労支援に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、就労相談マッチングに向けての取り組み状況でございますが、市内企業に対しまして障害者の職場実習の受け入れの依頼を進めているところでございます。実績につきましては、平成30年12月から市内の企業を18社訪問いたしまして、11社から実習の受け入れに了承を得ておるところでございます。あわせまして、障害者の支援施設にも訪問いたしまして、実習の受け入れが可能との回答をいただいております企業の情報や、実習の内容などの情報共有を進めているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 福祉部長。   (福祉部長 堀川育子君 登壇) ◎福祉部長(堀川育子君) 太田議員の御質問にお答えいたします。 奈良市若者サポートセンター「Restartなら」とくらしとしごとサポートセンターの取り組みとの整合性、またくらしとしごとサポートセンターの相談事例についてでございますが、本市では平成27年4月に、生活困窮者等の自立支援のワンストップ化の窓口といたしまして、くらしとしごとサポートセンターを開設し、自立相談支援、就労支援を行っております。 主な相談内容といたしましては、仕事探し、また仕事上の不安といった就職に関する相談や、税金や公共料金の支払いが滞っている、多重債務を抱えている、家賃やローンの支払いに困っているといった金銭面の相談、また病気や健康、障害、介護といった身体面の相談、また子育てや家族との関係、地域との関係といったコミュニケーションに関する相談があり、その中には家族が引きこもっているという内容のものも含まれております。 中でもひきこもりやニートの相談につきましては、中高年や当事者の親世代が中心で、これまで若者向けの相談・支援体制が整っていなかったため、中学校卒業後や高校退学後で就労や教育のどこにもつながっていない若者に特化した窓口といたしまして、奈良市若者サポートセンター「Restartなら」を昨年7月に開設し、若者をひきこもりの早い段階で支援することで社会生活につなげ、ひきこもりやニートの長期化を防ぐことを目指しております。 次に、ひきこもりの高齢化への対応と実態調査についてでございますが、ひきこもりは長期化することで社会から孤立し、自立が難しくなるため、ひきこもりの早い段階での支援が必要であると考えております。ひきこもりの実態調査につきましては奈良市では実施しておりませんが、今年度、内閣府が中高年のひきこもり調査を実施しており、その結果を受けまして今後の効果的な取り組みについて検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 都市整備部長。   (都市整備部長 岡本善昭君 登壇) ◎都市整備部長(岡本善昭君) 太田議員の御質問にお答えを申し上げます。 大和西大寺駅周辺の南北における目指すべき副都心についての御質問でございます。 大和西大寺駅周辺につきましては、平成14年策定の奈良市都市計画マスタープランにおいて奈良市の副都心と位置づけをし、総合的な整備を図るものとしておりましたが、平成27年策定の奈良市改訂都市計画マスタープランにおきましては、近鉄大和西大寺駅周辺を地域拠点として位置づけ、複合利用など土地の有効活用により、広域を対象とした都市機能の集積を図るとともに、歴史観光の玄関口にふさわしい環境の整備を図ることをまちづくりの方針に定めているところでございます。 駅南側については、近鉄西大寺駅南土地区画整理事業による市街地整備とあわせ、南口駅前広場の整備を進めるとし、駅北側については北口駅前広場及び関連する幹線道路の整備を進めることにより、都市基盤施設の強化を図るとしております。 次に、同駅周辺の用途地域の一部変更や高さ制限の緩和についての考え方の御質問でございますが、現在、駅南側の都市計画につきましては、土地区画整理事業に基づく適正な土地利用の誘導を図るため、駅直近と都市計画道路西大寺阪奈線の沿道に商業地域として、建蔽率80%、容積率400%及び25メートル高度地区を指定しているところであります。また、区画整理事業区域の東側に隣接する区域は第二種中高層住居専用地域、建蔽率60%、容積率200%及び20メートル高度地区を指定しております。 現在の駅南側におけます土地の活用状況につきましては、駐車場などでの利用が多く、商業的な土地利用が進んでいないという状況にございますが、このことは敷地の権利者が長期的な活用を検討している段階であり、区画整理事業完了後には活発な建築計画が展開されるものと考えております。個々の建築計画は権利者の考え方に委ねられるものでありますが、都市計画制限の変更の基本的な考えとして、敷地単位で捉えるのではなく、土地区画整理事業や市街地再開発事業の推進など一定の面的な広がりのある区域において、都市計画マスタープランとの整合性や事業上の要請、周辺の土地利用及び公共施設の整備状況などを総合的に勘案して、適正な用途地域や高度地区への変更を判断するものと考えております。 しかしながら、当該地区につきましては、既に建物を更新された権利者との公平性や、平城宮跡や西大寺などの歴史的遺産が近接していることを考慮することに加えまして、駅利用者、周辺住民などにとっての利便性や、周辺環境の向上にも寄与する土地利用計画があることなど、さらに慎重な運用が必要と考えております。 次に、大和西大寺駅を訪れる方が滞留しやすい仕組みづくりについての御質問でございますが、駅南側につきましては、現在も土地区画整理事業区域内において地区計画制限を活用し、権利者の合意形成による土地利用を誘導しているところであります。駅の来訪者の滞留を促進するためには、土地権利者などの民間活力を活用し、官民連携での取り組みが必要と考えております。例えば商業施設や宿泊施設など、現状の都市計画で可能なものに加え、民間敷地の一部を公共空間と一体的に一般に開放するなど、にぎわいづくりのためのスペースを確保することも考えられます。今後、事業者から相談等がございましたら、協働して検討していく考えでございます。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 太田君。 ◆11番(太田晃司君) 再質問は2問させていただきます。 まず、次期総合計画について、市長にお尋ねいたします。 総合計画や地方版の総合戦略については、コンサルタント会社に外部委託をする傾向が全国で見受けられ、本市もその例外ではないと考えます。職員の事務量軽減、あるいは専門知識の補完という意味での外部委託は必要と考えますけれども、全国の自治体の総合計画が結果として同じような切り口の形になってしまうのではないか、こういった懸念が予想されます。総合計画が絵に描いた餅に終わることなく、実現可能性のある目標値を達成できているかといった検証を定期的に行う、また市民参加によるワークショップを行う等の本市の独自の取り組みをどのように反映させようとするのかお聞かせをいただきたいと思います。 あわせて、市長が政策集NARA2021において、トップダウンの改革から職員がみずから行動、変革をする組織を目指しますと記載があるように、大変厳しい財政状況からの脱却を目指すには、本市職員の魂の入った総合計画が必要であります。市職員の現場の声をどのように総合計画に反映させようとするのか、その基本的な考え方もあわせてお聞かせください。 また、就労支援施策について、福祉部長に再質問をいたします。 就労支援という観点で考えると、本市の場合はこれら相談を受け入れる統括した部門がないと考えます。特に障害者就労支援の窓口がなぜ福祉部の所管課にないのか、その考えについてお聞かせください。 1問目で取り上げたように、今後は人口減少に伴い、いわゆる生産年齢人口が減少する中で、一般の就労希望者とは別に自立支援を必要とする若者、高齢者、障害者、さらには在住外国人など、さまざまなニーズを要する就労希望者の力をかりながら本市のまちづくりを進めていく必要があると考えます。これらは支える側、また支えられる側を固定化しない共生保障の考え方にも通じると思いますが、こうした観点から統一した窓口の設置の考え方についてお聞かせください。 以上、2問目とします。 ○副議長(森岡弘之君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席からお答え申し上げます。 総合計画についての再質問でございます。 まず、1つ目といたしましては、市民の皆様を含め、参加型で意見を聞きながら次の総合計画を練っていくべきではないかという御趣旨の御質問でございます。 前回の総合計画策定の際にも市民会議を開催させていただきましたが、次期総合計画の策定に当たりましても、さらに市民の皆様の意見を聞く機会として、アンケートや市民参加のワークショップを行ってまいりたいと考えております。ワークショップにつきましては、まちの課題や将来像を語り合うことで市民の皆様の生の声を聞くとともに、参加者の気づきや認識の共有につながるため、まちの将来像を考えていく上で大変有効な手法だと考えております。 また、アンケートやワークショップなど、どのような手法をどのような方を対象に行っていくかということにつきまして検討を重ねているところでございます。そのような中から本市の強みや課題を踏まえた目指すべき将来像を、市民とともに描いてまいりたいと考えております。 また、職員の声をどのように反映するかということにつきましても大変重要な視点でございます。特に、いわゆる管理職以上ということではなくて、これからの次の10年に現役の職員として本市を支えていく、特に若手職員などが奈良市の将来を主体的に考え、どのようなまちにしたいのか、そのためにはどのような施策が必要かということを真剣に考えることが大切かと存じております。その中におきましては、先ほど申しました市民ワークショップにも職員が積極的に参加をさせていただいて、市民の皆様とともにまちづくりを考えるという形を目指してまいりたいと考えております。 また、現場で働く職員による議論の場も設け、これまで以上に多くの職員に参画をさせ、総合計画の活用につなげてまいりたいと考えているところでございます。 ○副議長(森岡弘之君) 福祉部長。 ◎福祉部長(堀川育子君) 太田議員の御質問にお答えいたします。 障害者の就労支援の窓口についてでございますが、障害者の就労につきましては、その障害の程度等により、一般企業で就労する一般就労と、一般企業で就労することが難しい場合に障害福祉サービスを利用して就労する福祉的就労があります。 一般就労の支援につきましては、観光経済部産業政策課が窓口となっており、福祉的就労につきましては障がい福祉課が窓口となっております。障害者が障害福祉サービスを利用して行う就労には、雇用契約を結ぶ就労継続支援A型と、雇用契約を結ばない就労継続支援B型及び一定期間訓練を行う就労移行支援などがございます。 福祉部といたしましては、今後も福祉的就労を支援していくとともに、一般就労の支援を行っている観光経済部産業政策課と連携し、障害者の社会参加と経済的自立を目指してまいります。 次に、共生保障の観点からの統一した窓口の設置についてでございますが、自立支援を必要とする若者、高齢者、障害者、在住外国人などで就労支援が必要な方には、くらしとしごとサポートセンターで相談を受け、対応をしております。相談者の就労を妨げる要因を把握し、その解決策の検討を行い、庁内の他部署及び庁外の関係機関と連携することによって、ニーズに応じた就労先につながるよう支援を行っているところでございます。 今後も、より多くの人に相談窓口を知っていただけるよう、さらに広報に努めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○副議長(森岡弘之君) 太田君。
    ◆11番(太田晃司君) 3問目は意見とさせていただきます。 最初に、次期総合計画の策定についてであります。 まず最初に、昨日の我が会派の代表質問でも取り上げられましたが、職員給与の削減、予算編成をこうまでしてせざるを得なかったというふうな31年度の予算案については、一般企業に例えれば、本給に手をつけるということはやはり最後の手段だと私も考えております。給与削減を仮に行ったその翌年度以降に明るい奈良市の未来がどのように見えるのか、そんなメッセージが市長から職員に向けて果たしてあったのでしょうか。職員のモチベーションを下げることなく、厳しい財政状況からの脱却に向けて、市長みずからが今ビジョンをしっかり提示をいただくことが求められているというふうに考えます。 このように、本市の財政状況が厳しい数字を推移する中、次期総合計画の策定にどれだけ市長と職員の皆さんが魂を入れて本気でアイデアを抽出し、取り組むかが問われてくると考えます。今回提案したSDGsは導入の一例でありますけれども、奈良市独自の事業で何が当てはまるのか個別にしっかりと検証いただきたいと思います。 我々議員としても特別委員会を適切な時期で設置し、その内容を精査していくことが必要になろうかと考えますが、いずれにしても現計画の課題を洗い出した際に、例えばこれまでの中で検討しますというふうな表現の文言や、目標に届かなかった数値の事業については、徹底的にその理由を洗い出して次につなげていただきたいと思います。 そして、ワークショップで市民からの意見を集約する一方で、職員の中でも特にこれからの奈良市の運営を担う若手職員の意見をしっかりと総合計画に反映いただくような取り組みをお願いしたいと考えています。 財政状況の個別の中身には踏み切りませんけれども、市民1人当たりの市債の負担額をお聞きしたのは、市民の皆さんとの厳しい財政状況のまずは情報共有を深めるためでもあります。特に財政フレームは、向こう5年程度の収支状況は概要で構わないので毎年でも公表していく、これくらいの柔軟な姿勢は必要ではないかと私は考えます。 次期総合計画の中の10年はポスト東京五輪の時代であり、本市ではJR新駅周辺の整備、またリニア中央新幹線の中間駅誘致に関しても、環境影響評価を通しての候補地選定が進むなど、奈良市内でのまちづくりがさらに加速化する時期でもあります。このままではこれ以上の大規模な事業に耐え得る財務体質となり得るのか疑問が残るわけであります。将来世代にツケを残さない財政運営が正念場を迎えているとも言えます。 具体的な解決施策として、行財政改革の中の自主財源の確保が必要でありますけれども、例えば今回提案をされている宿泊税の検討などは、私が昨年9月の本会議で提案をさせていただいた内容でありますが、これらは予算審査等特別委員会の中でも触れさせていただきたいと考えております。 次に、就労支援施策についてであります。 最初に、事業の中身について指摘をさせていただきますが、リスならについては、ひきこもりの実態調査は現段階では内閣府の若者の生活に関する調査が発表しているパーセンテージを引用しているにすぎません。相談をしたくてもなかなか相談ができないといった特殊な状況を抱えているのが本件でありますけれども、時間をかけながらでも民生委員の力をかりて、実数がどの程度あるのか、きめ細やかな対応を行うためにこうした調査を本格的に本市としても行う必要があるのではないかと意見をさせていただきます。 そして、就労支援の課題全体についてであります。 例えば奈良市、そしてまた就労支援というふうな形でホームページで検索をいたしますと、産業政策課の担当ページが該当し、ハローワークを初め厚生労働省、県が主体となっている職業紹介について、若者、子育て、高齢者、障害者の方といった関係機関の紹介が出てまいります。しかし、今回お聞きをした奈良市くらしとしごとサポートセンター、そしてまた奈良市若者サポートセンターについてこれらのページには記載がありません。本市の場合、生活困窮者の視点が原点にあるというふうな話を伺いましたけれども、福祉部局と経済部局の連携がまだ足りていない証左ではないかと私は考えます。まずは、担当課を一元化した仕組みづくりが市民にとってもわかりやすい組織化になるのではないかというふうに考えます。 一例を紹介しますけれども、大阪府の豊中市では、ハローワークでは支援し切れない枠組みのニートやひきこもりといった就労に困難な事情を抱えている方々に対して、無料職業紹介所を開設しております。相談数に対する就職の件数では、大阪府内では大阪市に次いで2番目に高い実績を上げている自治体でありますけれども、本市としても多様なニーズに応じた相談に寄り添う形から具体的な就業に結びつける、こういった政策が今後求められてまいります。企業においても障害者の雇用率が上昇している中で、適切な就業のマッチングが今後は求められると考えます。本市の場合は、答弁の中では、相談を受けての就業実績については今後の課題というふうなことでありましたので、こうした自治体の事例もぜひ参考にしていただきたいと思います。 最後に、大和西大寺駅周辺の都市計画についてであります。 答弁の中で、都市計画の中から大和西大寺駅周辺の土地利用について数点お伺いをしてまいりました。現在、社会資本整備総合交付金の内示が順次配分をされ、事業が進むと残り2年ほどで駅南北の新たな顔が誕生することになります。しかし、現状では、大和西大寺駅の南北周辺を見渡しても、例えば宿泊施設はほとんどないのが現状であります。 質問で取り上げさせていただいたように、鉄道のジャンクションとも言える本駅の周辺のまちづくりを本市としてどのように位置づけようとしているのかが今後問われます。近年、駅周辺ではマンションが建設をされ、またそれに伴い新住民が入居をされ、保育所の整備もされてきました。しかし、特に駅の南側においては再開発が進んでいるものの、バスロータリーが設置されるこの周辺ににぎわいの施設の核となるものがまだ見えてきておりません。 御答弁から、用途地域や高さ制限の話題を含め、方法論としては官民連携での民間敷地の一部を利用させていただく、公共空間のあり方の提案があることも聞かせていただきました。何よりも地域の事業者や住民の声が第一でありますけれども、副都心としての機能を発揮していくためのまちづくりに今後何が求められているのか、民間事業者から積極的に提案をいただくなど、行政として何ができるのかしっかりと懇談を重ねていただきたいと考えております。 以上で私の質問を終わります。 ○副議長(森岡弘之君) 4番山出君。   (4番 山出哲史君 登壇) ◆4番(山出哲史君) 改革新政会の山出哲史でございます。 早速ですが、通告とは順番を変えまして、最初に自治会活動、地域福祉活動、防災・防犯活動、子どもの安全見守り活動、学校運営への協力活動などの活動者育成を踏まえた働き方改革のありようについて、一問一答でお伺いいたします。 質問の趣旨がわかりにくいと思いますので、少し説明をさせていただきます。 御存じのとおり、4月1日から働き方改革に関連した法律が順次施行されます。その大きな目的の一つに、働き過ぎを防ぎ、働く人たちの健康を守り、多様なワーク・ライフ・バランスを実現することが掲げられています。仲川市長も2月28日の提出議案説明の中で、職員一人一人のワーク・ライフ・バランスの適正化に触れておられます。 私は、多様なワーク・ライフ・バランスのライフの部分、個人の生活、個人の心を豊かなものにすることの一つに、いわゆる地域活動やボランティア活動への参加が挙げられると考えています。そのことを市の職員の方々や奈良市の企業や事業所で働く方々に知ってほしいと考えています。地域活動やボランティア活動を通して、人に喜んでもらうこと、感謝されることの喜びは、経験したものでないとわからない魅力がございます。たまに面倒なこともありますが、ほかでは味わえない達成感やすがすがしさがあります。 私自身も、大きな病気をきっかけに、今から20年以上前になりますが、38歳のときに働き方を変えて地域活動やボランティア活動に参加するようになりました。今も続けています。経験者として一番伝えたいことは、活動の魅力についてであります。人に喜んでもらうこと、感謝されることの喜びであります。働き方改革の取り組みをきっかけにしてそれらの活動への参加を啓発、促進していただきたいと考えています。 では、質問をさせていただきます。 最初に市長に伺います。 奈良市における自治会活動、地域福祉活動、防災・防犯活動、子供の安全見守り活動、学校運営への協力活動などの活動者の現状をどのように認識されているかについてお尋ねいたします。例えば活動者は足りているのか、活動者の年齢層はどうか、活動がうまく引き継げているかなどの観点からお願いいたします。 1問目は以上です。 ○副議長(森岡弘之君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) 山出議員の御質問にお答え申し上げます。 自治会活動の現状ということでございますが、少子高齢化、また人口減少、住民の意識の変化等によりまして、地域活動の基盤となる自治会の加入率の低下、また各団体の会員数の減少や高齢化に伴う役員の担い手不足などが懸念されていると認識いたしております。 本市の特性としては、東部地域では特に人口減少による担い手不足の課題がある一方で、市街地エリアにつきましては住宅地の開発や大型マンションの建設などによりまして、自治会加入についての理解を得ることが難しくなってきているという状況がございます。また、防災・防犯活動、福祉、教育などの分野におきましても地域の協力が不可欠となっており、新たな担い手を発掘する必要性も感じております。 学校運営につきましては、既に各方面から地域の方にたくさんの協力をいただいているところでありますが、こちらもやはり協力者の高齢化により、後継者の育成、また担い手の確保をどのようにしていくかということが課題だと考えております。 ○副議長(森岡弘之君) 山出君。 ◆4番(山出哲史君) 市長、ありがとうございます。 2問目以降は、自席から行います。 私は、20年間、一住民の立場で自治会、地区社会福祉協議会、自主防災・防犯会、少年指導協議会、地域教育協議会、学童安全委員会等に所属して地域活動を続けています。特にこの5年間ぐらいは、地域住民頼みの施策のボリュームが大きくなり過ぎているのではないかと感じています。一方、頼まれる側の地域住民は、70歳代から80歳代前半の方々が活動者の中心になっています。市長の御答弁どおり、現活動者の皆さんの高齢化が進んでおります。引き継ぎが期待される60歳代の活動候補者の方々につきましては、定年の延長や親の介護などの事情により、また現役世代の方々も共働き世代が多く、活動に参加することが難しくなっていると感じています。 そこで、もう1問市長に伺います。 そのような地域活動、参加者の現状に対して、本市では具体的にどのような対策をとっておられますでしょうか。 ○副議長(森岡弘之君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目以降からは、自席でお答え申し上げます。 現状に対する対策ということでございますが、地域の各種団体が辛うじて元気な今のうちに、地域の住民や各種団体が一つのテーブルにつき、さまざまな立場、また世代間の壁を乗り越えてさまざまな意見を取り入れ、地域活動により多くの住民が参加できる体制をつくる一つの方策といたしまして地域自治協議会の設立を進めているところでございます。 ○副議長(森岡弘之君) 山出君。 ◆4番(山出哲史君) ありがとうございます。 ちょっと今の、きょうの質問の本筋からは外れるんですけれども、市長が対策として挙げられました地域自治協議会に関連して意見を申し上げたいというふうに思います。 ことしの1月16日と29日の2日間にわたりまして、主に課長補佐級の職員を対象に次のような職員研修が行われています。その目的は、職員の協働についての理解を深めるとともに、全庁的な協働推進体制を確立し、庁内外におけるコーディネート力を養成するための研修と位置づけられたものであります。この2日間にわたって96名の職員が参加されたと聞いています。 今、手元にその受講者のアンケート結果があります。ちょっと2つぐらいの結果に触れたいんですけれども、まず「研修で学んだことを今後の業務に活用してみようと思いますか」という問いに対しまして、92名が回答されているんですけれども、80名、90%近くの方が「ぜひ活用したい」、「機会があれば活用したい」という前向きな答えを出されています。とてもいい数字だというふうにここについては感じているんですが、もう一つのほうの結果がございまして、「あなたは地域自治協議会のことを御存じですか」という設問があります。回答といたしまして「名称も内容もおおむね知っている」24名、26.1%。「名称は知っているが内容は知らない」45名、48.9%。「全く知らない」18名、19.6%。無回答が5名ということで、ちょっとさみしい結果だなというふうに私自身は感じています。 ここで意見なんですが、今後は地域自治協議会だけではなく、地域住民頼みの施策については関係課以外の職員の方もその施策の存在を知って、施策の内容をある程度知っていただく必要があると思っています。所管課には、職員向けに講習会などを積極的に企画、実施していただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。 では、次の質問に入らせていただきます。 総合政策部長にお伺いをいたします。 奈良市行政組織における働き方改革の主な目的と内容について、改めてお尋ねいたします。よろしくお願いします。 ○副議長(森岡弘之君) 総合政策部長。 ◎総合政策部長(染谷禎章君) 山出議員の御質問に自席からお答えをさせていただきます。 本市の働き方改革の主な目的と内容について御質問いただきました。 本市の働き方改革につきましては、労働生産性を上げて職員の過重労働をなくす、そして時間外勤務を縮減することを主な目的として実施をしております。働き方改革を推進することで、ワーク・ライフ・バランスの適正化、ひいては行政サービスの質の向上につながるものと考えております。 内容につきましては、この働き方改革は全庁的に進める必要がございますので、昨年度は働き方改革専任の職員を総合政策部に置きまして、市長、副市長、部長級職員で構成をする奈良市働き方改革推進本部を設置し、行政経営課と人事課が事務局となって進めてまいりました。そして、行政経営課が業務の効率化を向上させる施策を、人事課が職員のモチベーションアップや能力向上に係る施策を展開しております。 今年度も定期的に協議の場で各課の時間外勤務の状況について各課にフィードバックをしておりまして、各課での労働生産性効率の確認と向上に役立てているものと考えております。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 山出君。 ◆4番(山出哲史君) ありがとうございます。 では、続きまして、総務部長にお伺いしたいんですが、働き方改革に関連して、これまで奈良市職員向けに実施した研修会やセミナーなど、テーマ、内容、対象職員の範囲など、実績についてお伺いいたします。 ○副議長(森岡弘之君) 総務部長。 ◎総務部長(吉村啓信君) ただいまの山出議員の御質問にお答えいたします。 働き方改革に関連します啓発研修等についてでございますが、まず全国市町村国際文化研修所におきまして、長時間労働の是正や柔軟な働き方、それと労働生産性向上の両面を目指した職場づくりに向けて、先進事例から具体的に学ぶ内容で働き方改革の研修が実施されており、今年度は1名の職員を当該研修に派遣しております。 本市で実施している研修といたしましては、階層別研修や新任役職者の研修においても働き方改革に関連する内容を設けておりまして、3年目の職員にはタイムマネジメント、新任の課長補佐級職員には業務改善に関する項目を入れて研修を実施しております。また、このほかに7年目の職員にはリーダーシップに関する研修も実施しておりますので、こうした研修を受講した職員が働き方改革に関する意識を持ち、職場の意識改革を図ることも期待しているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 山出君。 ◆4番(山出哲史君) では、総務部長にもう1問お伺いします。 今後の取り組みの計画などについてお教えください。 ○副議長(森岡弘之君) 総務部長。 ◎総務部長(吉村啓信君) 御質問にお答えいたします。 働き方改革の一環といたしまして、時間外勤務の縮減を進めているところでございます。この結果として、職務外の自由な時間がふえることとなります。その時間は、各職員が自己研さんや地域活動への参加、趣味、家族や友人と過ごすなど、さまざまな形で活用することになりますが、職務外の時間の活動は公務員としての幅を広げたり、組織にとっても有益なこととなると考えますので、本市といたしましては、時間外勤務の縮減など働き方改革の取り組みを引き続き進めてまいります。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 山出君。 ◆4番(山出哲史君) ありがとうございます。 では、次は、観光経済部長にお伺いいたします。 この働き方改革に関連いたしまして、これまで奈良市が奈良市内の企業や事業所向けに行ってきたセミナーや研修の内容と実績についてお伺いいたします。 ○副議長(森岡弘之君) 観光経済部長。 ◎観光経済部長(梅森義弘君) 御質問にお答えいたします。 労働力人口の減少によりまして、人材の確保や定着が今後さらに難しくなっていくことが予想されます。そのような中、企業では多様な人材が働きやすい環境づくりに取り組むことが必要となります。本市では、平成28年度より多様な人材が活躍できる環境を構築することを目的といたしまして、企業が自主的にワーク・ライフ・バランスを推進できる体制構築の支援事業を実施しております。 取り組み内容といたしましては、平成28年度はワーク・ライフ・バランスについての講演会を実施いたしまして、25の企業や団体に参加をいただいております。平成29年度以降は、ワーク・ライフ・バランス推進役の企業内推進リーダーの育成講座と社会保険労務士など専門家が企業を訪問する個別フォローアップを実施しており、これまで16社に参加していただいております。講座では、参加者の間での情報交換や成功事例の共有ができ、それぞれ自組織のワーク・ライフ・バランス推進を妨げる課題についての分析が行われており、企業が課題を把握するための第一歩となっております。 ワーク・ライフ・バランスの実現は、個人にとっての生活の充実、また企業にとっての生産性向上による業績アップにつながります。日々の取り組みが重要でありますことから、本市といたしましても長期的な視点で支援を継続していきたいと、そのように考えております。 ○副議長(森岡弘之君) 山出君。 ◆4番(山出哲史君) ありがとうございます。 3部長からは、奈良市行政組織における働き方改革の考え方や取り組みについて、また企業、事業所への働き方改革推進支援、ワーク・ライフ・バランス実現の推進支援の取り組みについて教えていただきました。 ここで議長のお許しを得て資料の配付をお願いしたいのですが、よろしいでしょうか。 ○副議長(森岡弘之君) はい、結構です。 ◆4番(山出哲史君) ありがとうございます。 では、事務局の皆さん、よろしくお願いいたします。 では、配付完了後に具体的な説明をさせていただきたいと思いますが、本日の資料は、約1年前に私が目にした意見文とコラムであります。霧の中を歩いていて突然視界が開けたような、そんな感じが読んでいたしました。地域活動をされている方々にも読んでいただきました。「書いてあるとおりやな」とか、「ほんまにそうなったらいいね」などと多くの反応をいただいたところであります。 では、資料をごらんいただけたらというふうに思うんですが、資料の右半分は、平成30年3月29日付の朝日新聞朝刊に掲載されました埼玉大学の高端正幸准教授の意見文であります。ごらんのとおり「生き方変える働き方改革を」が見出しになっています。 意見文のまとめに次のようなくだりがございます。ちょっとマーカーで米印に色をつけさせていただいている部分でありますが、「本来の『働き方改革』は、稼ぐための労働に汲々とする『私』が、『公』や『共』の価値に気づくだけの精神的余裕や、社会活動に参加する時間的余裕を取り戻し、互いに支え、支えられる関係に包まれてゆくことを射程に入れるべきものだ。 『働き方』の改革は手段にすぎない。目的は『生き方』を変えることにある。その先にこそ、『公』・『共』・『私』が共鳴する、望むべき社会への途も開けるのではないだろうか」と締めくくっておられます。 市長は、この意見文を読まれてどのように思われますでしょうか。よろしくお願いいたします。 ○副議長(森岡弘之君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 今、拝見をいたしましたが、働き方改革につきましては、少子高齢化や生産年齢人口の減少、また働く職員の価値感、生活様式の多様化、また変化する環境に対し、働く職員が多様な働き方を選択できる組織運営を図り、誰もが活躍できる社会の実現に向けたチャレンジであると考えております。それらを実現するためには、各職員が時間的、精神的な余裕を持ち、周囲を思いやり、自己研さんすることが必要と考えておりますことから、これらの余裕を生み出すための取り組みを進めることが重要だと改めて感じております。 また、地域を活性化するためにも、市民の日常生活、また市民間の交流、行政と市民との協働など市民参画の取り組みを進め、職員が地域社会と一層の接点を持ち、生みだされた時間をそうした活動に充てることも大切であると考えております。 ○副議長(森岡弘之君) 山出君。 ◆4番(山出哲史君) ありがとうございます。 奈良市職員の方々も、企業や事業所で働く方々も、精神的余裕や時間的余裕を本当に取り戻すことができたら、例えば記事に書かれているように社会活動や地域活動に参加する方がふえてくるのではないかと私は思いますが、市長の御認識はいかがでしょうか。 ○副議長(森岡弘之君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 業務多忙な中、時間的な制約や、また身体的・精神的な疲れにより、社会活動に参加したくてもできない職員もいると思います。働き方改革の結果として、社会活動に職員の参加が広がっていくという可能性は大いに考えられるのではないかと思います。 また、時間的制約がある中で、職務の中ではもちろんのこと、職務外でも地域とのつながりを大切にしながら、自治会や消防団、また自主防災組織を初めとする社会活動に参加をしている職員も既におりますことから、他の職員に対しても意識向上に向けた啓発をしていきたいと考えております。 ○副議長(森岡弘之君) 山出君。 ◆4番(山出哲史君) ありがとうございます。 では、この項目につきましての最後の質問にさせていただきたいと思います。 再度資料をごらんいただきたいと思います。 資料の左半分は、時事通信社発行の平成30年2月9日付、厚生福祉第6384号に掲載されました弁護士でさわやか福祉財団会長の堀田 力さんのコラムであります。堀田さんは、御存じのように東京地検特捜部検事としてロッキード事件を捜査された後、1991年に最高検察庁検事を最後に退官され、直後にさわやか福祉財団の前進でありますさわやか福祉推進センターを設立されました。全国各地で高齢社会における触れ合い社会の実現にたゆまず取り組んでおられます。 表題が「目覚めた公務員」のコラムには、ある県庁の幹部であります50代前半の方が語った言葉などが書かれています。これも米の1、2、3、4、色づけをさせていただいている線を引っ張った部分なんですが、少し引用させていただきます。 「私も地元の自治会の役員をやってみて、地域の助け合いの心というか、互助の本質というか、それがハートでわかりました。」、「これまで非営利の活動を、非効率で素人的な活動だと何となく見下していたことを、とても悔やんでいます。」、「共生の時代を迎えた日本の公務員は、地域住民の心と生き方を理解するために(それは本人とその家族の幸せな生き方のためでもある)、在職中から地域の何らかの社会貢献活動に参加し、共生の生き方を体験すべきである。」、「自ら助け合いを体験していないと住民に互助の活動を勧める言葉に説得力が生まれない。」。 このコラムの内容について、市長はどのように思われますでしょうか。 ○副議長(森岡弘之君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) さわやか福祉財団の堀田さんの今、コラムでございますけれども、まさにここに書かれておりますように、職員は日ごろ業務として--昨日の話でありますが--いわゆる団体自治のほうの任務についておるわけでございますが、もう一つの重要な住民自治の側面もしっかりと理解するという意味でも、この記事に書かれているような生活の仕方、また働き方や生き方ということについては大変重要だというふうに認識をいたしております。 また、地域や現場で得られた経験、また現場で見聞きをした社会の実態、また社会課題というものを、職員が本業の仕事のほうでも役立ててくれることが期待できるのではないかと思っております。また、行政職員が市民との協働を進めていくためには、やはりみずからが経験を持っているということが重要だと思っております。理屈や机の上で理解をするということだけではなくて、実際に地域の方々と一緒に取り組みを進めていく、また課題解決に当たっていくという経験があればこそ協働が進んでいくものだと考えております。 職員にとりましても、また地域にとりましても、このような価値感を広げていくことができれば、地域社会の担い手の育成ということにもなりますし、また本人にとりましても豊かで幸せな人生を送っていくことにつながっていくと期待をしております。 ○副議長(森岡弘之君) 山出君。 ◆4番(山出哲史君) 市長、ありがとうございます。 御答弁を聞かせていただきまして、我が意を得たりの思いであります。私のまとめの意見を述べる前に、ここまでのやりとりで確認できたポイントを少し自分なりにまとめてみます。 まず、地域活動の現場は、構造的な要因により、慢性的な活動者不足の状態にあります。現活動者の高齢化が進んでいますが、新たな活動者がなかなか見つからない状況もあります。対策として地域自治協議会の設立が進められていますが、それだけでは不十分だというふうに私は思います。働き方改革、ワーク・ライフ・バランスを推進する際に、地域活動への参加を啓発促進することで新たな活動者を生み出せる可能性があるというふうに考えています。 私の意見と提案を申し述べさせていただきます。 まず、労働生産性の向上や時間外勤務縮減が主としてクローズアップされている本市の働き方改革では、職員はやる気が起こらないというふうに思います。職員それぞれが働き方改革を自分事と思える、そして取り組むことに意義を感じる、そのような工夫をしていただきたいというふうに考えます。改めて全職員に対して計画的に働き方改革を中心に据えた研修を行う必要があるというふうに思います。 テーマとしては、そもそも働き方改革を何のために行うか、あなたにとってのワーク・ライフ・バランスとは、などといったテーマはいかがでしょうか。そして、その際に奈良市内の企業、事業所に対するワーク・ライフ・バランス推進支援として、講座の開講やフォローアップを行っている産業政策課のノウハウが生かせるというふうに思います。ぜひとも人事課、行政経営課と連携して、市職員向けの啓発研修の実現をお願いしたいと思います。また、職員向けの研修、あるいは現在産業政策課が所管している企業、事業所向けの研修において、ワーク・ライフ・バランスをテーマとする際には必ず地域活動やボランティア活動の魅力を伝え、活動への参加啓発促進に努めていただきたいというふうに思います。このような地道な取り組みの積み重ねが回り回って新たな活動者、担い手を生み出すことにつながると信じています。よろしくお願いいたします。 この質問の最後に、ワーク・ライフ・バランスの推進に先進的に取り組んでおられる奈良市のある法人を御紹介したいというふうに思います。 障害のある子供や家族を支援するためにさまざまなタイプの事業所を運営されている法人で、平成28年度に内閣府主催の女性のチャレンジ賞を受賞されています。この法人では、10年前に事業を始められた当時から大切に積み重ねてこられたことがあります。それは、職員さんが子育てや地域活動をしながら気兼ねなく働ける職場、活躍できる職場をつくることであります。そのために柔軟で多様な働き方ができる職場環境を整えることです。これまで多くの職員さんがPTA活動や地域活動に参加されています。 先日、法人の理事長さんにインタビューさせていただきました。きょうは時間の関係で概要しかお伝えできませんが、次のとおりであります。 PTA活動や地域活動などの経験を通して、職員は一人の大人として、社会人として、親として目に見えて成長している。その親の背中を見て子供も成長している。親子の関係が良好になっている。事業所を利用される方々に心のこもった良質な支援を提供できる。法人全体の社会的価値が高まる。職員さんがPTA活動や地域活動に参加することが生み出す好循環の実例がここにあります。インタビューを通して、この法人の理事長さんは、働き方改革、ワーク・ライフ・バランス啓発研修の講師としてもふさわしい方ではないかと感じた次第であります。 では、次の質問に移ります。 仮称奈良市子どもセンターの機能を充実させるための開設準備段階からのネットワークづくりについて、子ども未来部長にお伺いいたします。よろしくお願いします。 ○副議長(森岡弘之君) 挙手願います。子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(真銅正宣君) 山出議員の御質問に自席よりお答えをさせていただきます。 ◆4番(山出哲史君) ごめんなさい、質問しなかったですね。済みません、失礼いたしました。改めまして質問させていただきます。 意見募集があすまで行われております奈良市児童相談所設置基本計画案の19ページに、次のようなくだりがございます。 「仮称奈良市子どもセンター 子育てにおける不安や児童虐待を早期に予防し、市内に住むすべての子どもたちが健やかに育つ環境を整えるため、子育てに関する総合窓口として整備を行う。 児童相談所・一時保護所のほかに、親子が気軽に遊びに訪れることができる『地域子育て支援センター』を併設するとともに、家庭や子どもの悩みを気軽に相談できる『子ども家庭総合支援拠点』を、現在の市役所内から移設する。また、現在市内にあり、子どもの発達に関する相談や療育を行っている『子ども発達センター』を移設する。 『児童相談所・一時保護所』『地域子育て支援センター』『子ども家庭総合支援拠点』『子ども発達センター』の4つの機能を1つの施設に集約することで、職員同士の連携が密接になるだけでなく、中核市が児童相談所を設置するメリットを最大限に活かし、子育てに関する一般的な悩みからより専門的な悩みまで、市内のすべての子どもや家庭をワンストップで支援します。また、奈良市被虐待児童対策地域協議会の調整機関も担い、常に関係機関との連携を行う。」とあります。 私の知る限りでは、本市が目指す子どもセンターの姿は大変好意的に受けとめられています。そのような中、子育て支援などにかかわっておられる市民の方からは、センターの完成、オープン前に関係機関だけではなく、医療、福祉、法律、教育、保育等の専門職団体や、例えば絵本の読み聞かせ、外遊び、お菓子づくり、一緒に歌を歌ってくれるなどのボランティアさんなどとのつながりを確立することができたら、すばらしいスタートが切れるのではないでしょうかとの御意見をいただきました。 御認識はいかがでしょうか、改めましてよろしくお願いします。 ○副議長(森岡弘之君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(真銅正宣君) 山出議員の御質問にお答えをさせていただきます。 仮称子どもセンターは、本市が実施をしております地域子育て支援センターや子ども家庭総合支援拠点、子ども発達センター及び今後設置を目指しております児童相談所・一時保護所の機能を1つの施設に集約することで、市内全ての子供や家庭をワンストップで支援することができるとともに、職員同士の連携もより密接に行うことができ、支援の充実も図れると考えております。それらの各機能を最大限生かすためには、さまざまな関係機関、専門職の団体などとの連携強化が重要であると認識をしております。そのため、仮称子どもセンター開設に向け、各関係機関やさまざまな団体との交流を進め、開設後も協力、連携関係が構築できるよう進めていきたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 山出君。 ◆4番(山出哲史君) ありがとうございました。 意見を申し述べさせていただきます。 ぜひとも今の段階から、担当職員を配置してネットワークづくりに取り組んでいただきたいというふうに思います。担当職員には、センターオープン後、ネットワークを活用して4つの事業それぞれの現場に即した専門職のかかわりを調整、構築したり、さまざまな団体にセンター運営の協力を得ることができるスキルが求められます。有能なコーディネーターの配置をお願いして質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(森岡弘之君) 15番早田君。   (15番 早田哲朗君 登壇) ◆15番(早田哲朗君) こんにちは。公明党の早田でございます。 それでは、早速通告しております数点について、関係理事者にお尋ねいたします。 最初に、奈良市道の維持管理について、建設部長にお尋ねいたします。 本市においては、市民の皆様が安心して利用していただける道路の安全確保はとても重要な課題であると考えます。私は直接市民の方から、道路の穴ぼこやひび割れ等市道のふぐあいによる危険箇所の苦情や御相談をこれまでも頻繁にお聞きしてまいりました。そのような危険性が高い市道の箇所については、各関係課におかれては一生懸命に対応されていることを私も承知しております。ことし2月の建設企業委員会において、私からの質問の中で、道路管理瑕疵事故件数及び損害賠償の額が近年増加傾向にあることを確認したところでもあります。このような状況の中で、奈良市道の維持管理について、各関係課においてはさまざまな対応がとられるものと考えております。 そこで、道路維持課における新規事業として、市民通報システムという事業が予算計上され、平成31年度よりシステムの構築に向け業務を行っていくわけですが、そこで1点目に、どのようなシステムを構築し、どのようにデータをとっていくのかお尋ねいたします。 2点目に、奈良市道の維持管理についてでありますが、奈良市は平成17年4月に都祁村、月ヶ瀬村との市村合併により、当然、市域が各段に広くなりました。市の広域化に伴い、管理する市道も延長され、今やその距離は1,600キロメートルを超えている現状でございます。この膨大とも言える市道の管理についてでありますが、これまでしっかりとした計画に基づき、市道全体の管理をされてこられたのかが非常に疑問でございます。その点についてお伺いいたします。 次に、近鉄平城駅附帯設備整備等の内容について、市民生活部長にお尋ねいたします。 本市においては、今後さらに高齢化が進んでいく中で、障害者の方々も含め安心して日常の生活を送り、社会活動に参加できるユニバーサル社会の実現がますます求められているのではないかと考えます。特に、鉄道駅のバリアフリー化の推進については急務の課題であります。私も最寄り駅として利用しております近鉄平城駅については、これまでも高齢者の方や、また足を痛めておられる方からも、駅のエレベーターの設置の御要望をお聞きし、直接鉄道関係者に御相談に伺ったこともありました。地元の地域の皆様や平城駅を御利用されておられる方々にとっては、駅の整備についてはとても期待をされておられると思います。 そこで、市民生活部長に2点お尋ねをいたします。 1点目に、近鉄平城駅を利用する高齢者の方からエレベーターの設置の希望をいただいておりますが、その具体的な取り組みについてお尋ねいたします。 2点目に、新年度予算案に計上されております近鉄平城駅のエレベーター設置に向けての具体的な事業費についてお尋ねいたします。 次に、教育行政について、教育総務部長にお尋ねいたします。 小・中学校のエアコンの設置に係る電気代についてでありますが、現在、本市の学校施設に向けて、ことしの夏までにエアコンを設置するため業務を進められておられますが、エアコンを設置し、稼働していくためには、新たにランニングコストの予算が必要になると思います。エアコンのランニングコストについては、我が公明党の主張を踏まえて国会のほうでも自治体への支援について議論が行われていたところであります。 その上で1点目に、エアコンを設置することにより来年度予算においてどのくらいのランニングコストを見込んでいるのかお尋ねいたします。 2点目に、神功小学校の雨漏り対策についてでありますが、さきの観光文教委員会で我が会派の同僚議員からも質問をした神功小学校の雨漏りについて伺います。 ことし1月末に、私も会派の同僚議員とともに神功小学校の現場を視察いたしました。その際にも雨漏りの状況はかなりひどい状況でありました。6年生の教室や一部の特別教室、階段の踊り場、また給食室にも雨漏りが見受けられました。子供たちの安全・安心な学校生活の確保の観点から、特に給食室の雨漏りに関しては衛生面の観点からも迅速な対応が必要であると考えますが、その対応についてどのように考えておられるのかをお尋ねいたします。 次に、認知症対策について、福祉部長にお尋ねいたします。 高齢化が進む日本では認知症の人が年々ふえ続け、2025年には約730万人に達すると見込まれております。今後、本市においても社会全体で支える環境づくりが必要であり、また各地域に応じた取り組みについても課題であります。また、認知症に対する知識不足や誤った知識により、治療がおくれ、医療機関を受診したときには既に認知症が進行していることがあり、認知症の正しい知識を普及、啓発し、早期の受診、治療につなげることがとても重要であると考えます。 そこで、1点目に、認知症の正しい知識の普及、啓発に関して、本市での取り組みの現状と今後の取り組みについてお聞かせください。 2点目に、マスメディアにおいて、運動や脳トレ、食生活の改善などの認知症予防について盛んに取り上げられていますが、本市における認知症予防の取り組みの現状と今後の取り組みについてお尋ねいたします。 次に、風疹対策の対応について、健康医療部長にお尋ねいたします。 昨年の夏から流行が広がる風疹の勢いがいまだ衰えていないと聞き及んでおります。ことしに入ってからも500人を超える患者が確認され、大流行への警戒が必要であります。妊婦が風疹に感染すると赤ちゃんが難聴や白内障などになって生まれる可能性があることを踏まえ、我が党が強く主張してきたものであります。 その上で3点お尋ねいたします。 まず、平成31年度から風疹の拡大防止のために追加的対策が実地されると聞き及んでおりますが、1点目にその目的について、またどのような方法とスケジュールで実地される予定であるかをお尋ねいたします。 2点目に、対象者は多忙な勤労者世代であり、検査や予防接種を受けにくいと考えますが、どのように理解を得て対策を進めていくのかお聞かせください。 3点目に、検査や予防接種をより多くの方に受けていただくためにどのような周知、啓発を行うのかお尋ねいたします。 以上で1問目とさせていただきます。 ○副議長(森岡弘之君) 建設部長。   (建設部長 杉野高広君 登壇) ◎建設部長(杉野高広君) 早田議員の御質問にお答えいたします。 市民通報システムと奈良市道の維持管理についての御質問でございます。 奈良市道の維持管理につきましては、平成31年度より、新規事業といたしまして市民通報システムの構築を予定いたしております。本システムは、議員御指摘のとおり、道路の管理瑕疵事故件数及び損害賠償の額が近年増加傾向にあることから、市民の皆様に安全で安心して奈良市道を御利用いただくため、スマートフォンを利用し、広く市民の皆様より道路のふぐあい情報を集め、早期の発見、早期の対策につなげていくものでございます。 次に、データの取り扱いについてでございますが、システム構築後どのくらいの情報提供があるかなど、現段階で推測することは非常に困難でございます。しかしながら、将来には単なるふぐあい箇所の発見ではなく、生活道路の修繕時期や工法などを決定する判断材料の一つになると考えております。 次に、現在、奈良市道の維持管理につきましては、職員によるパトロールの結果及び地元自治会からの要望書に基づき、年度ごとに修繕箇所を決めて実施いたしております。 続きまして、今後、奈良市道をどのように計画し、維持管理していくかについての御質問でございます。 これから先、奈良市道におきましても、経年劣化に伴い老朽化する道路構造物が急激に増加することが予想され、予算の平準化や中長期的なトータルコストの縮減を行う必要があることから、修繕の危機管理の考え方である事後保全型から予防保全型への転換を図る必要があると考えております。まずは、特に交通量の多い主要な道路において、修繕計画策定の資料となる舗装のひび割れ、わだちなどを調査する路面性状調査を実施いたしていく必要があると考えております。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 市民生活部長。   (市民生活部長 川尻 茂君 登壇) ◎市民生活部長(川尻茂君) 早田議員の御質問にお答えいたします。 近鉄平城駅のエレベーター設置に向けた取り組みについてでございますが、本市におきましては、これまで高齢者や障害者などの全ての人々が公共交通機関を円滑に御利用いただけるよう制定されました国の移動等円滑化の促進に関する基本方針に基づき、1日当たりの平均利用者数が3,000人以上の鉄道駅につきましては、鉄道事業者が施工する駅構内のバリアフリー化整備に要する事業費に対しまして、国及び県と連携して一定の割合で補助をいたしております。 議員お尋ねの近鉄平城駅の1日当たりの平均利用者数は3,000人を超えておりまして、近畿日本鉄道株式会社が駅舎のバリアフリー化の整備に向けて、平成32年度に工事着手及び竣工を予定されております。 具体的な整備内容につきましては、地上から地下の近鉄平城駅構内をつなぐ2基のエレベーターの設置や、駅舎の附帯設備として車椅子トイレの多機能化や誘導チャイム、触知案内図の設置などと聞き及んでおりますので、本市におきましてもバリアフリー化整備に向けて補助を行ってまいります。 次に、エレベーター設置に向けての具体的な事業費についての御質問でございます。 来年度に近畿日本鉄道が予定されている近鉄平城駅のバリアフリー化の整備に係る設計事業費は3000万円が見込まれております。その内訳は、国が事業費の3分の1の1000万円、市と県につきましては補助限度額があるものの、それぞれ6分の1の500万円、残額につきましては事業者が負担することとなります。したがいまして、近鉄平城駅の附帯設備整備等の事業費といたしまして、本市は500万円の補助金の予算措置をさせていただきます。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 教育総務部長。   (教育総務部長 尾崎勝彦君 登壇) ◎教育総務部長(尾崎勝彦君) 早田議員の御質問にお答えいたします。 エアコン設置に係る来年度予算の電気代についての御質問でございますが、現在、小・中学校教室へのエアコン設置の工事を行っておりますが、ランニングコストにつきましては、必要な電気代を来年度予算案に計上しております。その積算は、既に本市のエアコンが設置されております学校の電気代の実績を考慮しまして、1校当たりおおむね90万円を見込んでおり、平成31年度当初予算案において、小・中学校合わせて5300万円の電気代を計上させていただいております。 施設によりまして立地が異なり、また今夏の気候の状況により未知数な部分もございますが、適正なランニングコストでエアコンを稼働できるよう運用指針を作成し、省エネ意識や環境意識などを啓発していくことなども必要であると考えております。 続きまして、神功小学校の雨漏り対策についての御質問でございますが、議員御指摘のとおり、特に神功小学校給食室の雨漏りに関しましては、衛生面も考慮し、来年度のできるだけ早い時期に対応してまいりたいと考えております。また、教室や階段の踊り場などの雨漏りにつきましては、雨漏りのしている3階の教室を2階に移動するなど、工事や修繕だけでなく現状の施設の中で工夫することもあわせて検討したいと考えております。 今後も、児童・生徒が安全で安心して学校生活を送ることができるよう、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 福祉部長。   (福祉部長 堀川育子君 登壇) ◎福祉部長(堀川育子君) 早田議員の御質問にお答えいたします。 まず、認知症の正しい知識の普及啓発の取り組みについてでございますが、議員お述べのとおり、認知症はその初期の段階で治療等を行うことにより認知症状の軽減につながるケースもあることから、より多くの市民の皆様に認知症について理解をいただき、認知症かもしれないと当事者や家族など身近な方が感じられたときに、医師等の指示により早期に適切な対応をしていただけるように啓発をしていくことが重要であると考えております。 そのため本市では、認知症の正しい知識を持ち、日々の体調管理により、認知症の発症や悪化を防ぐことを目的の一つといたしまして、平成20年度より認知症サポーター養成講座を開催しているところでございます。 また、本市で作成をいたしました認知症ケアパスを活用する中で啓発を続けているところでございます。さらに、世界アルツハイマー月間などさまざまな機会を活用し、啓発活動を行っております。 今後の取り組みにつきましては、現在、本市の認知症サポーターは約2万人おられますが、今後も認知症高齢者の方の増加が見込まれていることも含め、より一層のサポーターの養成を図っていくことが必要だと考えております。今後は、市内にある民間事業者や大学等の教育機関などにもより一層働きかけるとともに、今年度から配置をしております生活支援コーディネーターの活用も図りながら、地域住民の方の認知症サポーター育成に努めてまいります。 次に、認知症を含む介護予防の取り組みについてでございますが、これまで運動、栄養指導、口腔ケアなどのテーマ別に講師を派遣します健康出前講座のほか、福祉センターにおきまして介護予防教室、また地域包括支援センター圏域単位で開催をしております元気アップなら講座におきまして、脳トレなどの座学のほか、運動機能向上のための体操なども行っております。また、本市オリジナルの運動プログラムのDVDを作成し、住民みずから運営する通いの場づくりに利用していただけるよう努めております。今年度からは、本市のポイント制度を活用し、地域での介護予防の活動者に対し支援を行い、高齢者の方の生活機能の維持・向上と認知症を予防するための通いの場の拡充に取り組んでいるところでございます。 さらに、その取り組みを推進するため、来年度には、日ごろ生活の中で運動をする機会の少ない高齢者の方にも御活用いただける運動プログラムのDVDを作成する予定であり、自主的に体操教室などの通いの場を運営できる環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(森岡弘之君) 健康医療部長。   (健康医療部長 佐藤敏行君 登壇) ◎健康医療部長(佐藤敏行君) 早田議員の御質問のうち、風疹対策に係る部分についてお答えを申し上げます。 対策の目的、方法、スケジュール等についてでございますが、風疹の抗体保有率が30代から50代の男性については80%に満たないことが知られております。抗体を調べていただきまして十分な風疹の抗体がないことが判明した場合には、その方に予防接種を受けてもらい、もって風疹の流行を防ごうとするものです。妊娠初期の妊婦の方が流行している風疹に罹患し、御質問にありましたように先天性風疹症候群の子供さんが生まれるのを防ごうとするものです。 この対策の対象者でございますが、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までに生まれた、現在39歳から56歳の男性に特定をされております。国が示すところによりますと、平成31年度から3年間行われる予定となっております。初年度であります31年度は、まず39歳から46歳の対象者の方に個別にクーポンと呼ばれる受診券を送付いたします。この受診券を用いますと奈良市内のみならず、奈良市以外の医療機関等でも風疹抗体検査、そして抗体検査の結果、一定の値より低いということがわかりました場合には、予防接種を自己負担なく無料で受けることが可能となっております。47歳から56歳の方では、希望をしていただきましてこのクーポン受診券をお渡しする仕組みになっております。 次に、対象者の方々への理解とその対策等についてでございますが、御質問にもありましたように対象者の多くの方は勤労者世代であります。平日昼間には、抗体検査や予防接種のために医療機関等の受診が受けにくいことが予想されております。したがいまして、職場で行われています他保による事業所健診等の機会を利用し、抗体検査を受けることができるよう、事業所など雇用主の御理解、御協力がいただけるように働きかけてまいる所存でございます。 周知啓発について、最後にお答え申し上げます。 市民だより、あるいは市のホームページ、SNSで周知するだけでなく、先ほどもお答えいたしましたように勤労者世代の方が対象者の多くでございますので、繰り返しになりますが、事業所健診、また保険者が行う特定健診等の他保の健診機会を使いまして受検していただけるよう、市内の事業所、雇用主、また協会けんぽなど、さまざまな団体に周知し、協力依頼に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 早田君。 ◆15番(早田哲朗君) 2問目は、自席にて主張並びに要望とさせていただきます。 まず、市民通報システムとそのデータの取り扱いについては、今後具体的に進めるに当たり、基本計画や体制の充実、そしてマニュアルの作成が必要であると考えます。そして、奈良市道の維持管理の考え方として、事後保全型から予防保全型への転換を図る必要があると非常に前向きな御答弁をいただきました。その上で、奈良市内における第2次緊急輸送道路や1級、2級市道などのメーンの道路については、優先順位をつけ、確実に調査を実地し、計画を立案し、速やかに修繕しなければならないと考えます。今後、具体的になれば、これらの一連の流れをホームページ上で公開し、広く市民への周知を図っていくことが必要であると考えます。 今後の課題として、一方では、生活道路における市民の皆様からの通報システムの取り扱いと、そしてもう一方は、行政として奈良市道全体を調査、計画、立案し、管理するといった考えと両方の取り組みが必要であることを意見、要望とさせていただきます。 次に、近鉄平城駅のエレベーター設置については、市民生活部長からの御答弁からも、移動等円滑化の促進に関する基本方針に基づき、近鉄平城駅の1日当たりの平均利用者数は3,000人を超えているということ、また設計業務に対しては500万円の補助金を予算案として計上されている点、そして近畿日本鉄道株式会社による施工が、来年度には工事設計業務が行われ、平成32年度に工事着手及び竣工を予定されていることも確認させていただきました。 また、整備の内容については、地上から近鉄平城駅構内をつなぐ2基のエレベーター設置や、駅舎の附帯設備整備として車椅子トイレの多機能化や誘導チャイム、触知案内図の設置等であることも確認させていただきました。これまでエレベーター設置を希望されてこられた高齢者の方にとっては、安心して利用できる駅に改善され、今後地域的にも高齢者の方がふえていくことを考えるととても喜ばしいことでありますので、計画どおりの平成32年度の竣工をよろしくお願いいたします。 また、近鉄平城駅東側の踏切についても、地域では抜本的な安全対策に向け、自治連合会を初め各種団体により、一刻も早い安全通行が実現できるよう取り組まれていると聞き及んでおります。私もこの踏切をよく利用いたしますが、通勤、通学時などのときには事故が起きないかと不安であります。市民の方からも苦情や不安の声をお聞きしております。また、非常に事故やトラブルが起きやすい現状でありますので、大きな事故にならないように早急な安全対策もあわせて要望とさせていただきます。 次に、小・中学校のエアコンの設置に係る電気代については、小・中学校合わせて5300万円の電気代を予算案に計上との確認をいたしました。御答弁からも、適正なランニングコストでエアコンを稼働できるための運用指針を作成し、省エネ意識や環境意識なども啓発していくとありましたので、その運用について適切な対応をよろしくお願いいたします。 また、神功小学校の雨漏りについては、特に給食室は来年度の早い時期に対応していくと御答弁がありましたので、衛生面も含め、なるべく早い対応をよろしくお願いいたします。 次に、認知症対策についてでありますが、認知症の正しい知識普及、啓発の取り組みにつきましては、福祉部長からの御答弁からも、本市では認知症の正しい知識を持ち、日々の体調管理により認知症の発症や悪化を防ぐことを目的の一つとして、認知症サポーター養成講座の開催、また奈良市で作成した認知症ケアパスを活用する中で啓発を続けているとありました。私も、ことしの1月に開催された認知症サポーター養成講座に同僚議員とともに参加いたしました。感想としましては、基本的な知識が得られ、皆さん真剣に受講されている姿に関心度の高さがうかがえました。今後も充実した啓発活動をよろしくお願いいたします。 認知症予防の取り組みについては、健康出前講座、介護予防教室、地域包括支援センター圏域単位で開催している元気アップなら講座や運動機能向上のための体操、また本市オリジナル運動プログラムDVDを作成し、住民みずから運営する通いの場づくり、そして今年度からは本市のポイント制度を活用し、地域での介護予防の活動家に対して支援を行い、高齢者の方の生活機能の維持向上と認知症を予防するための通いの場の拡充に取り組んでいるので、自主的な体操教室などの通いの場を運営できる環境整備に取り組むとありました。市民の方からも、認知症予防についてよく御相談をいただきます。しっかりとこの予防の取り組みについては、地域に根差した持続可能な取り組みとなりますよう要望とさせていただきます。 次に、風疹対策でございますが、健康医療部長からの御答弁からも、妊娠初期の妊婦が風疹に罹患し、耳や心臓に障害の見られる先天性風疹症候群の子供が生まれるのを防ぐためであり、とても重要な対策であると確認をさせていただきました。 スケジュールについては、平成31年度は、対象者のうち39歳から46歳の対象者に受診券を配付し、47歳から56歳で希望する方は申し出があれば発行されるということ、また奈良市以外の医療機関でも、風疹抗体検査及び予防接種を無料で受けることが可能であることを確認いたしました。 2点目の勤労者世代への対応については、事業所や雇用主に徹底した協力依頼の取り組みも重要であると考えます。 また、3点目の周知については、対象者の多くは勤労世代であると思われますので、さまざまな機会を通して多くの方に理解していただくことも含め、対応の工夫をよろしくお願いいたします。 以上で私の質問を終わります。 ○副議長(森岡弘之君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。   午前11時53分 休憩   午後1時0分 再開 ○副議長(森岡弘之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○副議長(森岡弘之君) 質疑並びに一般質問を続行いたします。 21番北村君。   (21番 北村拓哉君 登壇) ◆21番(北村拓哉君) 日本共産党の北村拓哉です。 私は、通告をしております数点につきまして、市長並びに関係理事者に質問します。 まず、地域課題に総合的に対応できる専門部署の設置について、西谷副市長に質問します。 市内の郊外住宅地である青山地域のまちづくりの課題を入り口にして、私は、本会議や委員会の中で、まちづくりの課題に総合的に対応する専門部署の必要性を指摘し、部署の設置を繰り返し提言してきました。 昨年3月定例会で取り上げた際、当時の津山副市長が答弁で、まちづくりは、地域の特性に即した形で各部局が所管する施策に総合的に取り組む必要があり、その各部局の施策に横串を刺し、個々の事業が連動して動くよう調整を図らなければならないと認識を示され、総合政策課も参画し、関係部署の連携を強め、より円滑に地域課題の解決に努めていきたいと決意が述べられました。 今年度から総合政策課内に初めてまちづくり構想係が置かれましたが、その役割は、県・市のまちづくり包括協定にかかわる4つの事業の企画や調整に関するものとなっています。 現在、奈良市教育委員会が進めようとしている平城西中学校区における小学校統合再編計画に関し、右京小学校の保護者や右京地区住民から右京小の存続を求める請願書が議会に提出され、この間、付託をされた観光文教委員会において請願審査が慎重に行われてきました。その中で明らかになったとおり、郊外住宅地における地域課題にどう対応するのかが、今、本市の重要課題となっており、かつ緊急課題となっています。 しかしながら、今、市にそれに対応できる専門部署がないために、結局どの部署が統括的な立場で責任を持つのかが不明確なままであり、円滑な地域課題の解決に結びついていません。また、地域のまちづくりには、学校の保護者や地域住民など、当事者、関係者の意見や考えを丁寧に聞き取り、対話を重ね、協議しながら進めるプロセスが欠かせません。今、市役所内に統括的に責任を有する窓口がないために、当事者、関係者の声が置き去りになってしまう事態も生まれております。 そこで伺います。 地域課題に総合的に対応できる専門部署の新設は、まさに待ったなしとなっています。その認識はあるのか、どう対応するのかお答えください。 次に、名勝奈良公園内での高級ホテル建設について質問します。 この間、事業者である奈良県が奈良市開発指導要綱に基づく住民説明会を行い、説明をしたと言いますが、工事先にありき、スケジュール先にありきの一方的な説明で、出された住民の疑問や不安に答えていません。昨年12月の説明会では、工事に入る手続に関し、誤解を与える説明が県側からなされ、大紛糾する事態ともなりました。続く2回目の2月3日の説明会では、住民から多数の質問や疑問、意見が出されていたにもかかわらず、会場の閉鎖時間が来たからと質問への回答もしないまま打ち切り、工事は予定どおり行うと一方的に宣言して終わるという極めて異常なものでした。工事は、2月12日、住民関係者の反対の抗議行動がされる中、強行されました。 そもそも当該地は、古都法で歴史的風土特別保存地区に指定されている場所であり、1966年の古都法制定以降、名勝奈良公園内では、ホテルや宿泊施設で新設された建物はこれまで一例もありません。地元住民や多くの市民、県民が反対しているのは、行政が幾重にも規制をかけて景観や環境を守ってきた地域に、行政が逆に実質上規制を緩め、豊かな自然や景観を壊してまで高級ホテルを建設するのかということです。豊かな自然、100年の森の樹木が次々と切られ、ほとんどがなくなってしまっています。景観も一変しました。先日現場に行った際、京都から来られたという方とたまたまお会いいたしましたが、自然への冒涜だと怒っておられました。 地元住民が不安を募らせている問題にホテルの入り口の問題があります。また、工事車両の搬入搬出や一時待機場所、進入ルートについても日常生活へのさまざまな影響が懸念され、心配や不安の声が強く出されています。しかし、ごく当たり前のこの市民の声や願いに対して、県が真摯に向き合い、誠意ある説明がされてきていません。近隣の地元住民の納得や理解は得られていません。 奈良市では、開発事業に起因する紛争の解決を図るため、市があっせんによる調整を行うことで話し合いが円滑に進むことを目的に、奈良市開発事業紛争調整取扱い基準を設けています。これまでに開発事業に起因する紛争が本市でもさまざまにありましたが、我が党も実現を求める中、一昨年4月1日から同基準が施行されています。今回の名勝奈良公園内での高級ホテル建設問題に関して、地元自治会から去る2月15日付で取扱い基準に基づくあっせんの申し出が市に提出をされています。 そこで、都市整備部長に伺います。 この申し出を市が受理した場合、開発者に対してあっせんへの参加について文書で通知することになるのかお答えください。 関連して、市民生活部長にお聞きをします。 ホテル建設の工事車両の搬入搬出、一時待機場所、進入ルートについて、奈良市に事前に相談はあったのかお答えください。 次に、子供施策について市長に伺います。 昨年夏の記録的な酷暑のもと、エアコン設置が断トツにおくれている本市の学校で、熱中症で体調を崩す子供が続出し、市や教育委員会に苦情や改善を求める意見が多数寄せられました。 我が党は、これまでから一貫して、市民の皆さんとともにエアコン設置を求めて議会内外で取り組み、署名活動も独自に行ってきました。昨年の夏は、子供たちの命を守れとお母さんらが新たにエアコン署名の運動を開始され、市に提出をされました。そうした市民の切実で真剣な声を受けて、本市において、ようやくエアコン設置の調査設計及び工事予算が昨年夏以降に予算措置され、動き出しています。 幼稚園、小学校、中学校のエアコン設置の進捗状況と今後の見通しについて、給食調理室への設置も含め、伺います。 子ども医療費の助成制度の拡充も、市民の長年の粘り強い運動を背景に前進してきています。奈良県では、全国や近隣の府県と比べて大変おくれていた今の窓口立てかえ払い制度が、一部現物給付化されることにようやくなり、議案提案されています。議案第40号、奈良市子ども医療費の助成に関する条例等の一部改正の詳細についてお聞かせください。また、子供施策に関連し、新年度に予定している子育て世帯向け空き家改修事業及び多子世帯向け空き家改修事業の詳細もあわせてお答えください。 最後に、公共施設の長寿命化、耐震化について、市長にお聞きします。 新年度予算の編成に当たり、市民の命と暮らしを守る施策に重点を置いたと説明がされています。主な施策の概要としても安全・安心な暮らしの実現を挙げ、ハード、ソフト両面から対策の充実を図るとして、ハード面では、月ヶ瀬行政センターの耐震化に向けた設計経費や道路橋梁維持補修、公共施設等の老朽化対策として、なら100年会館エントランスや中央第二体育館屋根の雨漏りを改修する工事予算が計上されています。生活道路については、維持補修を着実に実施すること、路面舗装、区画線、側溝や橋梁の補修・大規模改修などあらゆる道路関連維持補修を徹底的に遂行すると強調されています。 全体として、人口の減少もある中で、これからの公共事業や公共施設のあり方として、不要不急の大型開発から、生活密着・地域循環型に防災、老朽化に備えた維持、更新、長寿命化を重点に転換することが重要になると考えます。その基本姿勢について伺います。また、市営住宅の長寿命化を推進する基本的な考え方についてもお答えください。 以上、1問目といたします。 ○副議長(森岡弘之君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの北村議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず、子供たちの学校施設へのエアコンの設置状況についてでございますが、小学校の受変電設備工事、また、中学校の教室及び幼稚園8園の保育室等への空調設備設置工事につきましては、本年1月中旬に入札を行い、業者を決定いたしました。また、小学校の教室及び残りの幼稚園8園の保育室等への空調設備設置工事につきましては、本年2月中旬に入札を行い、同じく業者を決定いたしました。入札につきましては、市内業者を対象に受注能力に見合うような入札とし、また、多くの業者に設置工事を分割発注することで、エアコン設置をスムーズに行えるよう配慮をいたしたところでございます。 なお、入札の仕様におきまして、設置工事の工期は、小・中学校の普通教室については5月末まで、特別教室につきましては6月28日まで、また、幼稚園につきましては5月末までに空調設備をそれぞれ設置することといたしておりますが、夏季の学校施設における児童・生徒の健康をしっかりと守るという認識のもと、できる限り早期の設置に向け、現在、事業者と鋭意調整を進めているところでございます。 また、給食室へのエアコン設置につきましては、現在、設計作業とあわせて入札の準備を進めているところであり、4月中には入札を行い、工事事業者を決定し、夏休み中に設置をしてまいる所存でございます。 続きまして、子ども医療費の助成制度についての御質問でございます。 平成31年8月診療分から乳幼児を対象とした福祉医療費助成制度に関し、県内全市町村で従来の自動償還払い方式から現物給付方式に移行するため、条例の改正を行おうとするものでございます。具体的には、助成方式の変更によりまして、医療機関等を受診した場合の窓口での支払いを一部負担金のみとし、負担の軽減を図った次第であります。 続きまして、子育て世帯向け及び多子世帯向けの空き家の改修についてでございますが、子育て世帯向け住宅は、空き家6戸を改修し、募集を行う予定でございます。この事業につきましては、奈良市第4次総合計画でも平成32年度までに90戸募集するという位置づけをいたしているものであります。そして、小学校就学前の児童がいる子育て世帯を公営住宅の施策として支援し、市内の定住化や転入促進を図っていこうといたしております。実績といたしましては、平成26年度から現在までの間に76戸募集いたしております。 多子世帯向け住宅につきましては、空き家4戸を改修し、募集を実施する予定であります。この事業は、住宅に困窮する低所得者という一般的な市営住宅の応募資格に加えまして、18歳未満の児童が3名以上いる世帯が対象となっております。優先的な入居を行う特定目的住宅といたしまして、平成26年度から平成30年度までの間に4戸募集をいたしております。しかし、経済的負担が大きく、狭小な面積に居住する傾向が見られる多子世帯への子育て環境の向上から支援が必要だと考えており、市営住宅でも部屋数や収納、居住面積が確保できる2戸1棟型耐火構造住宅を有効活用し、今後、多子世帯への支援を充実してまいりたいと考えているところでございます。 続きまして、公共施設の長寿命化、また耐震化についての御質問でございます。 今後の公共事業や公共施設のあり方につきましては、必要となる公共施設等を将来にわたり維持する必要がありますため、限られた経営資源を長寿命化するなど有効に活用して、安全・安心な公共施設を維持し、効果的、効率的な施設運営によって持続可能な市民サービスの提供を図っていく必要があると認識をいたしております。 また、市営住宅の長寿命化につきましては、特に市営住宅は、住宅困窮者に対する住宅セーフティーネットとしての役割を持っております。一方で、維持していく戸数につきましては、今後、市営住宅の需要を見込んだ上で決めていく必要があると考えております。 現在の見通しにおきますと、耐用年数を超え、空き家となった木造の団地や耐震性のない住宅につきましては、順次用途を廃止していく考えであります。そのため、現在進めている住みかえ支援策をより一層図り、さまざまな手段を交えて管理戸数を維持していくことで、市営住宅の需要に対応していきたいと考えております。また、需要に応じて維持をしていくという住宅につきましては、奈良市公営住宅等長寿命化計画に基づき、予防保全的な維持管理が必要だと考えており、施設の長寿命化を図ることで、結果としてライフサイクルコストの縮減につなげてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 西谷副市長。   (副市長 西谷忠雄君 登壇) ◎副市長(西谷忠雄君) 北村議員の御質問にお答えいたします。 地域課題に対して対応する部署が必要ではないかという御質問でございます。 地域の課題は地域の事情に応じまして多様であるため、地域ミーティングなどを通じてその把握に努めております。その上で、関連する部署がそれぞれの専門性を生かして対応させていただいているところでございます。議員お述べのとおり、まちづくりについては、地域の特性に即した形で総合的に取り組まなければならないと考え、各部署の間で調整を担う理事を総合政策部に配置して、総合政策課を含む関係部署の間で課題の共有化を図り、進めているところでございます。 今後におきましても、子育て、教育、福祉、インフラ整備等の施策を連携して総合的に展開をしていくことによりまして、まちの活性化につなげてまいりたいと考えております。議員お述べの専門部署の設置につきましても、人材には限りがございますので、今後の状況を見ながら、どのように進めるのが最適であるかを検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 都市整備部長。   (都市整備部長 岡本善昭君 登壇) ◎都市整備部長(岡本善昭君) 北村議員の御質問にお答えいたします。 開発事業における本市が行いますあっせんについての御質問でございます。 議員お述べのとおり、開発事業におきまして、周辺住民等から本市に対しましてあっせんの申し出がありました場合は、開発者に対してそのあっせんへの参加について文書で通知し、意思の確認を行うことになります。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 市民生活部長。   (市民生活部長 川尻 茂君 登壇) ◎市民生活部長(川尻茂君) 北村議員の御質問にお答えします。 開発事業者であります奈良県からは、議員がお尋ねの工事車両の搬入搬出及び進入ルートに関しましては、開発に伴う事前協議がなされております。なお、一時待機場所に関しての相談は受けておりません。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 北村君。 ◆21番(北村拓哉君) 2問目以降は自席より行わせていただきます。 再質問を数点行います。 まず、名勝奈良公園内での高級ホテル建設の問題です。 部長の御答弁で、奈良市開発事業紛争調整取扱い基準の対応については了解をいたしました。 同基準の規定によりますと、この基準は、奈良市開発指導要綱第6条に基づく周辺住民等との説明会において、当該開発事業について理解が得られないことから、周辺住民等、または開発者より申し出があった場合、適用するとあり、今回の事例はまさにこれに該当すると思われます。あっせんの手続を市が進めると理解をさせていただきました。 今回の場合、開発者は奈良県です。本来なら市が話し合いの場をつくる以前の段階で、県が行政みずからの責任において住民と真摯に向き合い、協議し、理解を得る対応がなされていて当然です。しかし、残念ながら、これまでの経過を通じ、そうはなっていません。住民が市にあっせんによる調整を申し出される事態となっておりますので、市が責任を持って調整を行っていただくよう求めるものです。 ホテル建設の工事車両の搬入搬出、一時待機場所、進入ルートについて、奈良市に事前に相談はあったのかと確認をさせていただきましたが、ただいまの部長の御答弁で、工事車両の一時待機場所については、県から市に相談はなかったということがわかりました。私は、これは重大であると思います。工事車両の一時待機場所をどうするのかということは、昨年12月の説明会で紛糾した問題の一つでありました。県はその場で対応策や考えを持ち合わせてはおらず、再度持ち帰り検討となっていました。周辺は、生活道路であることに加え、通過交通も多く、住民は、日常生活へのさまざまな影響を懸念されておりました。慎重な検討が必要であり、市にも当然相談があってしかるべきではなかったのか。 今回、工事車両の一時待機場所となるのは、建設地横の県営高畑駐車場です。ここに工事車両が入り、建設地への搬入搬出がたびたび行われることになります。同時に、同駐車場は、奈良県が県庁東側に建設し、運用を始める奈良公園バスターミナルに一時停車する観光バスが、そこで乗客をおろした後に移動して待機する場所としても使用されます。バスは、ターミナルには16台しかとまらず、トップシーズンには1日約280台のバスが来るとされています。観光バスは、ターミナルを出て県庁の周囲をぐるりと周回し、高畑駐車場と大和郡山市の上三橋駐車場へ移動して待機、そのうち高畑駐車場はバス全体の約3割を担うとのことであります。 県庁周辺の交通渋滞がまずは危惧をされますし、県が示す観光バスの移動ルートによれば、旧市街のバス循環道路を通って高畑駐車場へ移動するというものです。その途中には市立奈良病院や民間病院もあり、救急車の通行、路線バスの停車や走行とも重なります。加えて、ホテル建設の工事車両の搬入搬出、進入ルートや一時待機場所がまさに重なるということになります。 市民生活部長に伺います。 交通渋滞などの影響が心配をされますけれども、この点について、事前に市に相談があったのかをお答えください。 そして同地域は、もともと交通渋滞が起き、地域住民の日常生活に支障を来す状況がたびたび発生をしております。観光バスや工事車両の通行や出入りで市民生活への重大な影響が拡大することが懸念をされております。とりわけ近隣の住民の皆さんからは不安の声が出されており、その当事者、住民の声を市としても丁寧に聞き取って県に意見を上げるべきではないでしょうか。あわせてお答えをいただきたいと思います。 もう一点、再質問を行います。 子ども医療費助成制度についてでありますが、ことしの8月から、就学前の乳幼児を対象に現物給付方式に変わるということになりました。切実な願いが一歩前進をすることになります。今回の質問に当たりまして子育て中のお母さんに直接お話をお聞きいたしますと、自分たちの声が届いたと大変喜ばれておりました。 一部負担金については、今、県制度と同様で、1カ月当たり1医療機関等につき通院及び入院では500円、または1,000円の負担となっております。しかし、今、県下の自治体では、独自に一部負担金を免除して無料にしたり県基準以下としている市町村というのは既に31あります。就学前の子ども医療費助成が現物給付化されるのにあわせて、せめて子供ぐらいお金の心配なく安心してお医者さんにかかれるように、まずはこの際、医療機関にかかる頻度が高い乳幼児の一部負担金をなくし、完全無料化に踏み出すべきではないでしょうか。その場合の費用の見込みはどうなるのか、実施の考えについて市長に伺います。 関連して、子ども医療費助成制度で同時に切実な願いとなっておりますのは、この制度全体を現物給付化してほしい、窓口払いなしの制度にしてほしいということでございます。窓口無料化は、子ども医療費制度の全国的な流れにもなっております。本市がその実現のために積極的な役割を果たすことを求めます。その考えにつきましても、市長にあわせて伺いたいと思います。 以上、2問目といたします。 ○副議長(森岡弘之君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席でお答え申し上げます。 子どもの医療費助成についての御質問でございますが、未就学児の子ども医療費の一部負担金も撤廃し、完全無料化とした場合にどれぐらいの予算を要するかということでありますが、平成29年度の助成実績から試算をいたしますと約8000万円の予算が必要となってまいります。一部負担金の撤廃には、当然のことながら新たな財源が必要となることから、制度の改変は困難なものと考えており、医療費助成制度を今後も引き続き安定的に運営をしていくという観点からも、一部負担金については御理解を賜りたいところでございます。 ○副議長(森岡弘之君) 市民生活部長。 ◎市民生活部長(川尻茂君) 北村議員の御質問にお答えします。 交通渋滞等の影響についての相談に関しての質問でございますが、直接県の方と相談させていただいたことはございませんが、市といたしましては、開発の事前協議等が遵守されているか、また、今後、当該地域における渋滞状況を注視し、必要に応じて県や警察署と協議してまいりたいと考えております。 以上でございます。 (北村拓哉議員「答弁漏れがあります。市長、現物給付化の考えのことなんですけれども、答弁いただけますか」と呼ぶ) ○副議長(森岡弘之君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 失礼しました。 子ども医療費の助成制度につきまして、現物給付化を小・中学校も含めて対象としていくべきではないかということで、この点につきましては、やはり子育て環境の充実という観点からも、今回の一部現物給付化ということについては、一つの途中段階であるとの認識を持っております。 今後、小・中学生も含めた子ども医療費助成制度全般を対象とした現物給付方式の導入が必要だと私も考えておりますことから、この点につきましては、県下の市長会、またさまざまな場面を通じて、県に対し、今後も引き続き必要性を訴えてまいりたいと考えております。 ○副議長(森岡弘之君) 北村君。 ◆21番(北村拓哉君) 3問目は主張、要望といたします。多少順序を入れかえて行いたいと思います。 まず、名勝奈良公園内での高級ホテル建設についてであります。 1問目で述べましたとおり、この間、開発事業者である奈良県が地元住民に行っております住民説明会で工事に関する説明がされておりますが、結論から言うと工事ありき、2020年4月末工事完了のスケジュールありきの一方的な説明で、出された住民の疑問や不安に応えることなく強行していくというこの姿勢ややり方に、住民の怒りや不信感があらわになっております。 高級ホテルと言いながら出入り口は1カ所しかなく、そこからお客さんも、業者やごみ収集の車両も、全室露天風呂つきで、そのための温泉水を運び込む車両も全て一緒ということです。そして今、工事車両の搬入搬出にも使われております。現場にも行って確認をいたしましたけれども、10トントラックが入るには3回も切りかえないと入れないという状況で、入り口のほぼ正面に玄関があるお宅の住民の方は、そのことを説明されていて、何とか軽減してほしいと訴えられてきたわけですけれども、その話し合いを打ち切って工事が始められました。 ホテル建設の工事車両とバスターミナルの観光バスの待機場所を高畑駐車場とすることについてや、進入ルートが交錯し、近隣地域で交通渋滞が一層拡大し、市民生活にさまざまな支障が出ることが十分想定をされておりますのに、奈良市に事前に何の相談もなく進められていることも私は大きな問題だと思います。 市として県と協議をしていくという考えも示されました。近隣住民の方々は、精神的な苦痛を訴えていらっしゃったり不安を抱いておられますので、市としてその声を聞き取っていただきまして、県にも説明を求めていただき、意見を上げていただきたい。そして、話し合いの場の調整にも御尽力をいただきますことを要望しておきます。 次に、地域課題に総合的に対応できる専門部署の設置についてでございます。 この課題につきましては、私は何年来訴えてきております。最近ではさきの請願審査を行ってきたので、その中でも集中的に取り上げ、市の考えや対応をただしてきました。郊外住宅地における地域課題、まちづくりに関しまして意見を述べます。 郊外住宅地は、快適な住環境や宅地を整備していくために、行政のまちづくりの方向ともかかわりを持って形づくられていき、発展をしてきました。かなめになっているのが小学校です。地域で子供の安全を守る、自然災害に対して地域の防災力を高める、地域で高齢者の見守りを行うなど、地域単位での取り組みが日常生活圏の中で行われ、小学校を中心にその地域のコミュニティーがつくられてきました。郊外住宅地もそうして形成をされ、地域のにぎわいや活性化を生み出してきた潜在力をもともと持っております。 子供の数が減るからという理由だけで小学校の統廃合を進めてしまうと、地域コミュニティーに大きな影響を与えます。市民ニーズに沿ったまちづくりが必要ですが、市民ニーズを適切に捉える方法は、市民とともに考えることです。地域課題や市民生活に関連した施策を本庁内だけで決めるのではなくて、市民に身近な行政の拠点や機能を通じて、それは新たな課になるのか、新たな係になるのか、人の配置になるのかはよくわかりませんが、よくその点を検討する必要があると思います。それを通じてニーズや課題を把握し、市民と対話し、ともに考えていくこと。郊外住宅地のまちづくりに焦点を当てた事業として進めていくならば、進捗管理も行っていかなければなりません。10年先、20年先、30年先を見通して郊外住宅地の再活性化を展望するという発想に立って、そのための機能や仕組み、人の配置を行って対応していかないと地域コミュニティーが衰退をしてしまいます。今後、取り組み状況を改めて質問していきたいと思いますので、真剣な検討を強く求めておきます。 これからの公共施設のあり方につきましても、一言述べます。 公共施設は市民生活を支える施設であり、そのため市民が税金を出し、整備をしております。今後のあり方については市民的に議論をして、これも地域のまとまりやまちづくりとの関係で考えることが必要だと思います。また、予防保全型の維持管理を行うという点に触れていただきましたが、ぜひそうした立場に立つ長寿命化計画をしっかりとつくり、そして、その中で進捗管理を行って推進をしていただくことを求めておきます。長く使い続けてきた建物というのは、その施設の存在自身が、私は地域の個性をつくったり歴史をつくり出す力を持っていると思います。その点も述べておきます。 次に、子供施策につきまして述べます。学校施設へのエアコン設置についてでございます。 市長の御答弁で、工事が着実に進もうとしていることが確認できました。大きな期待感を持って設置を見届けていきたいと思います。工事については、学校活動への影響や児童・生徒への安全面での配慮については万全を期していただきたいと思います。ランニングコストについても予算措置がされておりますが、教育条件整備に行政としてしっかり取り組んでいただきますよう求めておきます。 そして、エアコン設置とセットの形で夏休みの短縮というのが突然保護者や学校現場に通知をされまして、その決定のプロセスに当事者の意見を丁寧に聞き取ることがなされていなかった問題につきまして、さきの観光文教委員会で取り上げました。子供への負担を懸念する保護者の声が切実に存在しているということにつきましては、改めてこの場でも述べておきます。 子ども医療費助成制度についてです。 制度全体の現物給付化につきまして、県下市長会や県に対して必要性を訴えていくと市長が表明をされましたので、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。保護者の方々とお話をしていても、さらにその点、声を届けていきたいとおっしゃっておられました。 奈良市では、これまでに子供、心身障害者・重度、ひとり親の福祉医療制度全般について、所得制限を撤廃するという独自の取り組みをされております。その点は評価をいたします。 一部負担金をなくし、完全無料化に踏み出すべきではないかと求めました。県下の自治体では、独自に一部負担金を免除して無料にしたり、県基準以下としている市町村というのが既に31ございます。ぜひ奈良市でも、その点では努力を改めてしていただきたいと求めたいと思います。 そして葛城市におきましては、新年度から、高校卒業まで対象を独自に広げていくという予算が今回提案されているということも聞いております。ぜひこうした方向の検討についてもお願いをしたいと思います。 以上、質問とさせていただきます。 ○副議長(森岡弘之君) 37番中西君。   (37番 中西吉日出君 登壇) ◆37番(中西吉日出君) 新風政和会の中西でございます。よろしくお願いいたします。 早速質問させていただきます。 まず最初に、新斎苑建設の進捗状況と課題についてお聞きいたします。 私は、昨年の3月定例市議会の代表質問と9月の定例市議会の一般質問におきまして新斎苑建設について質問してまいりましたが、一貫して市民の皆さんや地元の方々の不安払拭と市長への不信感が取り除かれることなく、新斎苑の工事が強行に進められていることに大きな懸念を抱いておりました。都市計画決定の2倍以上の用地を鑑定価格の3倍で購入手続されたことや、昨年3月議会においても、用地取得について、また、工事請負業者の選定が考えられない早さで進められた問題や産業廃棄物処理等、残土処理などの諸問題について、市長にお聞きしたところでございます。 本日は、本当に市長が現時点で課題であるとお考えの点をもう一度確認させていただきたいと思います。 具体的には、昨年9月に質問いたしました後に、地元の皆様から本年2月に奈良県に提出されました公害調停について、次には2月4日及び5日に古市、白毫寺、鹿野園の3町の水利組合に岩井川の掘削工事の着工を伝えて強引に工事を強行する姿勢を示され、地元住民の不安をさらにあおる状況となっていることなどについて、市長はどのように捉えておられ、今後どのように対応していくお考えであるのかをお聞きいたします。 2点目に、工事請負契約の締結を昨年3月に議決させておき、その後は着工のかけ声のみで、地元住民の不安の声は一層高まる一方であります。このような中、市長は、この1年どれだけの回数地元に足を運び、地元の声をお聞きになり、どのような対策をとられてきたのか。この1年、市長がみずから行動を示された地元対策についてお答えください。 3点目に、残土処理について、昨年私は、市長が米谷町の最終処分地を利用すべく地元自治会と協議をされていることについて、最終処分地の長い歴史の上に立った地元の感情を安易に考えておられることに警鐘を鳴らしました。 しかし、本年2月11日、またもや市長は、米谷町地元自治会に対して新斎苑建設に関連する残土の処分について打診をされたのでありました。産業廃棄物処理の安全な土は斎苑に使い、残りの残土は土地改良清美事業に使うとのことであります。土地改良の地元や天理市の岩屋地区の皆さんのお気持ちを市長は理解されておられるんでしょうか。その残土の産業廃棄物汚染の可能性がゼロでも、地元感情からすれば新しい土を使用するのが当然であります。公害調停にまで至っている新斎苑の残土を土地改良清美事業に使用するなど、地元住民は決して納得するはずがありません。土地改良清美事業の地元周辺から反対運動でも起これば、奈良市の環境清美行政はたちまち破綻してしまいます。 そこで、市長がなぜ地元に足を運ばれて対応しようとされたのか、その理由と見通しについてお考えをお聞きいたします。また、下流域の残土であり安全との説明もあったようですが、果たしてそれがどのように証明されるのか、大変不思議であります。この残土処理について、市長が足を運ばれて対応しようとされている理由と今後の見通しについて、お考えをお答えいただきたいと思います。 次に、ならまちセンター東側の土地利用について、このことは去る2月24日の報道により知るところとなったところであります。2月21日に地元周辺の住民や関係団体に2回目の説明会があったとされております。この土地は以前、奈良市の駐車場公社が市の委託を受けて運営していたものであり、仲川市長の当初の行革の政策として、公社を解散させて直営で民間業者に管理委託していたものであります。このたびの地元に示された土地利用計画は、この土地に民間業者をプロポーザルで公募するに当たり、宿泊施設を核として滞在型観光の拠点となる場所とするものであり、猿沢池周辺地区のにぎわいの創出と宿泊客の増加、滞在時間の延長を目指すというものであります。これについては地元が猛反発をしたと聞いております。 そもそもこのような大きな事業計画にもかかわらず、以前に委員会の他の委員が質問されたことはありましたが、市長はこれまで正式にこの政策を議会に示されたことがあったでしょうか。このような土地利用計画を進められようとしており、その具体的な内容を報道により議会が知ることは大変不快な思いを持っております。そもそも、なぜ今この場所に宿泊施設の必要性があるのかということであります。両隣にはホテルが2軒並んでいて、その他にも周辺には大きなホテルや旅館などがあるわけで、一方、市内においても市役所前やJR駅西側など、新しいホテル建設計画も進められている状況であります。 そこで市長にお聞きいたします。 なぜ行政が市有地を提供してまでこの場所に宿泊施設を誘致しなければならないのか、その理由をお聞かせください。 次に、この事業は、これまで総合計画等においても具体的な事業計画が示されておらず、議会にもその概要すら知らされていなかったように思うのですが、この事業についての市長の思いと、今地元から上がっている反対の声に今後どのような対策を講じていかれるのか、そして先ほども申し上げましたように、議会にはどのような考えから事業の概要などを正式に知らせなかったのかをお答えください。 次に、奈良県北部地域におけるごみ処理広域化計画についてお聞きいたします。 このことについては、平成30年12月25日付で示された報告書が年末に突然議会に届けられております。その報告書は、奈良県北部地域におけるごみ処理広域化に関する5市町合同勉強会中間報告書とされておりました。 そもそもクリーンセンターの建設に関しては、本市の大きな課題として、市長は候補地の選定や調整について政策の大きな柱として位置づけてこられましたが、その中で、このような広域化の考えを具体的に12月議会で他の会派の議員の答弁で示されました。 広域化の勉強会は、当初は大和郡山市、生駒市と平群町で始められました。その後、奈良市環境部、大和郡山市産業振興部、生駒市市民部、平群町住民生活課、斑鳩町住民生活部の5市町となり、平成29年2月20日を皮切りに、平成30年11月6日までに既に8回開催され、第4回から奈良市が参加しているようであります。クリーンセンター建設計画のような重要な政策に関連することであるならば、12月の配付後の委員会などにおいてそれなりの説明があるかと思いきや、配りっ放しで全く意図が見えてこないのであります。 そこで市長に、このクリーンセンター広域化の勉強会に奈良市が参加した理由と、この取り組みに市長が今後どのように対応していくお考えがあるのかお聞かせいただきたいと思います。あわせてお聞きいたしますが、現時点でクリーンセンター候補地選定に対する市長の思いと広域化にどれだけのウエートを持っておられるのかお聞かせください。 これで私の1問目といたします。 ○副議長(森岡弘之君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの中西議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、新斎苑に関連をした御質問でございます。 新斎苑の建設事業につきましては、これまでもさまざまな議論の末、昨年度末に関係議案が議会において承認され、今年度から事業に着手できましたのも、議員の皆様を初め、建設地の地権者の方々や地元にお住まいの皆様方、また、関係機関の皆様方の御理解があってのものと認識をいたしております。これまでも、関係住民の皆様からのこの事業を進めていく上でのさまざまな不安や疑問の声などの懸念事項につきましては、可能な限り対応、説明等を行い、進めてきたところでございます。 今後につきましても、関係自治会におきましては、住民を代表する組織として対策協議会を立ち上げていただいておりますので、本協議会を窓口とし、住民の皆様との意見交換、また協議等を進めてまいりたいと考えております。 また、私がこの1年間、どれぐらいの対策をとったかということでございますが、関係住民の皆様とは、今年度、新斎苑整備の着手前となります6月から8月にかけまして、鹿野園町や鉢伏町、菩提山町等の住民の皆様が特に懸念をされておられました鉢伏街道の工事車両通行に関する説明に何度となくお邪魔し、その影響を可能な限り低減できるように、具体的な方策といたしまして大型車両の通行の縮減、また道路舗装等の整備や懸念として挙げられておりました家屋に与える被害を事前に軽減するための対策、家屋調査等を行い、最大限不安の払拭に寄与すべく、工事の施工計画の見直しをするなどの対策を講じてきたところでございます。 また、鹿野園町の対策協議会の皆様や鹿野園町住民の皆様を対象とした説明会を初め、鉢伏町や菩提山町、横井東町等各自治会や対策協議会の皆様との協議、説明などは計13回お邪魔をいたしております。また、あすもお邪魔をする予定はいたしておりますが、今後も引き続き、住民の皆様と私自身も積極的に対話をさせていただきたいと考えているところでございます。 続きまして、残土処理に関して、米谷町の最終処分地になぜ処分をしようとするのかという御質問でございますが、今回の新斎苑の整備事業につきましては、事業者の提案におきまして、民間の残土処分場に全て適切に処分をする計画となってございます。一方で、本市が取り組んでおります米谷町の最終処分場の事業につきましては、焼却灰等の埋め立てに覆土として搬入量の約2割の新たな土が必要となるということで、これまでは近隣の山林から覆土を採集してきたところでございますが、現在、採集できる土がなくなり、岩山だけが残っているという状況になっておりますことから、平成32年度の工事からは覆土を新たによそから購入をしてくるという必要が生じるわけでございます。 市の公共工事におきまして、片や残土を処分し、片や土砂を購入するということにつきましては、それぞれに費用が発生することにもなります。また、環境負荷の低減という観点でも、今回、新斎苑の整備事業で発生する残土の処分時期と最終処分場で土砂の購入が必要となる時期が重なりますことから、同じ公共事業の間で活用を図ろうと考えた次第でございます。 米谷町につきましては、毎年、年初の初集会に私もお招きをいただいておりまして、日ごろから最終処分場事業に対し、市民を代表して感謝の気持ちをお伝えすることを目的として参加をさせていただいております。その際にも、覆土への利用をさせていただきたいということにつきまして御説明をさせていただき、質問が出尽くすまでお話もさせていただいたところでもございます。この件につきましては、現在協議中という状況ではございますけれども、今後も引き続き、米谷町の住民の皆様、また周辺の住民の皆様にも重ねて御説明を申し上げ、御理解を賜ってまいりたいと考えているところでございます。 また、覆土として利用する土につきましては、新斎苑建設地内の投棄物が確認されている範囲外の、造成等により発生する汚染のおそれのない残土を使用する予定でございます。 続きまして、ならまちセンター東側の駐車場の利活用についてということで、なぜこの場所に宿泊施設を誘致する必要があるのかという御質問でございます。 市を訪れる外国人旅行者、また市の宿泊者数につきましては、増加傾向にあるという状況にございます。今後、東京オリンピック・パラリンピックや大阪万博等もあり、観光需要の拡大が見込まれております。また、当該地につきましては、市の奈良公園周辺地区のまちづくりにおきまして、猿沢池周辺からならまちへとつながるにぎわいの創出という、いわゆる滞在型観光の拠点ともなり得る重要な場所だと考えております。 また、奈良市におきましては、奈良県とともに、観光客等によります中心市街地への車両の流入抑制のためのパークアンドライド、サイクルライドなどの事業も推進し、渋滞緩和を図ろうとしているところでもあります。さまざまな要素を総合的に判断させていただき、駐車場を宿泊施設を核としたにぎわい施設とすることで、猿沢池周辺地区のにぎわいの創出と宿泊客の増加、滞在時間の延長を目指そうと考えた次第でございます。 次に、地元から上がっているさまざまな御意見にどのように対策を講じるのかということでございますが、ならまちセンター東側の市有地につきましては、猿沢池周辺の地域でありますことから、まちづくり、また観光振興の両面から非常に重要な地域だと考えております。事業の準備段階として今行っております地元説明会におきましても、議員からの御指摘のように、さまざまな御意見を頂戴いたしておりますことは認識をいたしております。今後、地元から頂戴をいたしております意見につきましては、さらに丁寧な説明にも努め、また、理解を求めた上で事業を進めていきたいと考えております。また、いただいた御意見を踏まえまして募集内容にも工夫を凝らすなど、努力をしてまいりたいと考えております。 次に、議会に対する説明をということでございますが、昨年の12月定例市議会におきましても、利活用についての方向性を答弁させていただいたところではございますが、その後、市の基本的な考えを地元の皆様に御説明させていただき、御意見を伺う必要があると考えましたことから、説明会等を開催させていただいた次第であります。 続きまして、クリーンセンターの広域化についての御質問でございます。 まず、クリーンセンターの広域化を検討する勉強会に参加した理由でありますが、広域化や現地建てかえも含め、あらゆる手法により解決を図るということを掲げさせていただいておりますことからも、多くのメリットが考えられるごみ処理の広域化を一つの有力な手法だと捉えましたことから、先に大和郡山市さん、生駒市さん、平群町さんで取り組まれていた合同勉強会に参加をさせていただいたところでございます。 今後につきましては、関係市町との連携を図り、県の協力も得ながら、広域化の可能性につきまして引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。 また、建設候補地の選定につきましては、アクセス、用地の条件、収集運搬コスト面からの地理的条件や人口重心、住民理解などの視点を考慮し、適地を絞り込んでまいりたいと考えております。 また、広域化にどれだけのウエートを置いているのかという御質問でありますが、先ほど申し上げましたように、広域化や現地建てかえも含めるということではありますが、やはりさまざまな合理的なメリットの大きい広域化という手法を軸に考えていくことが、今、奈良市にとりましては重要だと考えておりますことから、引き続き広域化を軸に、より早急にこの問題を解決できるよう努力してまいりたいと考えている次第でございます。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 中西君。 ◆37番(中西吉日出君) 2問目は自席から行います。 時間の都合上、意見とさせていただきます。 新斎苑建設についての意見でありますが、これまでも繰り返し申し上げてまいりましたように、私自身は現建設候補地については、調整不足のまま見切り発車されたと思っております。そのため、いろんな課題が次々と発生してきていることを、よく考える必要があるのではないでしょうか。地元では市の対応に不信感だけが残り、市長の姿勢も高圧的なものが見えてくるとの地元の皆様からの声が聞こえてきております。鹿野園町、白毫寺町、横井町など、関連する地域の方々は、それぞれに大切な思いで町を守る考えでいろんな要望を示されております。それぞれの思いを踏み越えていくことではなく、ともに歩み解決していくことが市長に求められている姿勢ではないでしょうか。 米谷町の残土の協議においても、下流域の残土であるとの説明でありましたが、今、まさしく建設予定地で土壌の問題や下流域の水利組合からの公害調停が提出されておりますが、建設予定地ではアスベストなどが投棄されていることが判明しており、長い年月が経過しておりますが、誰が考えても下流域の土が安全という保証はどこにもないように思うのであります。どのような対応も、市民の目には不信感のみが残るものであります。 私は、昨年3月にも、そして9月議会においても申し上げましたが、市長が強引に計画を進められた背景にある平成32年度末の完成について、現在の状況ではかなり厳しいのではないかと思っております。このことについて、今、市長はしっかりと責任を示されるべきと申し上げておきます。 ならまちセンター東側駐車場の土地利用について、もとをただせば、市長は御自分の改革の手始めに、負の遺産であるとして駐車場公社の借金を市が肩がわりして、この公社を解散して直営にされたのであります。ここに解散に際して市長が設置された奈良市駐車場公社経営検討委員会の報告書がございます。この委員会は、まさしく市長の肝いりで設けられたものであり、公認会計士の西 育良氏、そして同じく公認会計士の松山治幸氏、そして弁護士の山形康郎氏が委員に名を連ねておられ、平成23年12月28日に報告書が提出されております。この委員の中には、仲川市長のその後の政策にたびたび御提言をいただいた方もあったように思うのですが、この委員会の報告を議会に示され、駐車場公社の解散を承認されたと記憶しております。 しかしながら、この報告書の13ページには、ならまち駐車場のあり方として、市内部の検討により交通混雑緩和のために必要という結論を受けて、委員会の検討結果もまた、ならまち駐車場は存続させるというものでありました。ここでは、交通混雑緩和対策のほかに、ならまちセンターの駐車場が狭隘であることへの補完機能などの意見を述べられております。このような第三者で構成された検討委員会が示された報告書を、市長が議会に示されて公社の解散が承認されたのであります。 その経過もあってか、市長は、駐車場経営をかなり意識して経営してこられた経過があります。私が調べた中でも、この土地借料は、平成25年度では年間5178万円であったものが平成26年度は年間2822万1000円、そして平成28年度以降は年間2760万円と、ほぼ半額となっております。ここまで行政財産貸付料を軽減されているのは意外と言わざるを得ず、あくまで駐車場業者への配慮ととられるおそれもあると思うものであります。 しかし、このたびは、この報告書の方向性を全く無視して宿泊施設の整備を地元に示されていることは理解できません。地元説明会で示された反対の声や、過去に市長が議会に示された方針を議会と調整することなく、みずから覆されていることなど、問題は大きいと思っております。今後、この事業展開にも議会はしっかりと対応していかなければならないと思っております。 次に、奈良県北部地域におけるごみ処理広域化に関する5市町合同勉強会中間報告書についての意見でありますが、この報告書の最後に、今後の取り組みとして建設候補地の妥当性であるとか、各市町の首長による方針決定会議の必要性や、さらにはこの勉強会を協議会に発展させる検討の必要性も書かれております。ここまで具体的な方向性を示しているものを議会に届けられたということは、市長もこの方向性を一つの手法と考えておられると思っておりましたが、今、そのお考えの答弁があったところであります。 そうなりますと、大きな政策の方針として、議会への報告がこのように渡しっ放しの形であることや、現在クリーンセンターのある地域の方々や候補地となった地域の方々、そして市民の皆さんには全く情報が示されていないことにまたもや大きな疑問を持つものであります。市長の議会軽視の姿勢を指摘せざるを得ないのであります。 また、この報告書の候補地選定の項目の中には、幹線道路に近接するアクセス性を考慮し、ごみ搬入に当たって交通結節性がよい場所であることや、大規模な造成工事を必要としない平坦で、住宅地・商業地など市街地から離隔し、土地利用上の制限を極力受けないこと、また電力、上下水道などのインフラが整備されていることが望ましいことや、収集運搬コスト面からも、施設周辺の地理的条件や人口重心等を考慮する考えに加えて、参加市町のごみ処理の負担と責任の公平性や住民理解を十分に考慮すると書かれております。このことから、エリア地図においても、当然奈良市域南の中部や西部地域がその候補地として円形で図示されております。この内容においても同様に、説明不足と指摘せざるを得ないと思います。私の住む地域の方々は、この話をすると大変驚いておられ、市の姿勢に厳しい声が幾つも届けられております。 私は、本日3点の質問をさせていただきましたが、新斎苑建設については、これまでの市長の対応の拙さを指摘し、現時点で工期には間に合わないことの責任をとるべきと申し上げておきます。また、ならまちセンター東側の駐車場においても、奈良県北部地域におけるごみ処理広域化に関することにおいても、それぞれ課題を指摘し、地元合意のない進め方は混乱を招き、反対するものであります。 議員各位にも、このことをしっかりと受けとめていただき、本3月定例市議会での市長の提案されている予算案などにつきまして厳正なる審判をしていただきますよう、また、職員の給与カットのような安易な手法による財源捻出に厳しい判断を下していただきますようお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(森岡弘之君) 6番松下君。   (6番 松下幸治君 登壇) ◆6番(松下幸治君) 松下幸治です。 一問一答方式で質問をいたします。早速質問いたします。 インフルエンザなどの疾病管理における空気清浄機の必要性に関連し、質問いたします。 人間は、一生のうち平均で200回風邪を引き、生涯で丸一年以上風邪で寝込んでいると言われています。風邪を引かないことは究極のコスト削減、また生産性向上に直結するわけですが、年間数兆円の損失があり、インフルエンザが大流行すると約20兆円の経済損失が見込まれるなど、感染症対策の重要性は明確です。 ここ数年、インフルエンザの流行が顕著で、今年度は小・中学生がインフルエンザ患者の3分の1を占めるなど、学校が感染源であると推測できます。インフルエンザの感染経路と対策、ワクチン接種やうがい手洗い、適度な湿度保持、休憩・休養、栄養摂取、外出の抑制、マスク、せきエチケットなどについて、健康医療部長の認識をお聞かせください。 以上で1問目といたします。 ○副議長(森岡弘之君) 健康医療部長。 ◎健康医療部長(佐藤敏行君) 一問一答方式でございます。自席よりお答えを差し上げます。 インフルエンザの感染経路についての御質問でございますけれども、大きく分けて2つございます。患者の排出いたしましたウイルスが空気中に飛沫となって漂っている、それをほかの人が吸い込んで感染する飛沫感染というものがございます。空気の流れでありますとか湿度が影響することが知られております。また、インフルエンザウイルスが手指を介して感染する場合があります。人間の手にくっついて感染する接触感染がございます。 御質問にありました学校環境について申し上げますと、感染拡大を予防することは当然重要なことでございますけれども、ふだんから十分な休養、栄養バランスのとれた食事、また、必要に応じてワクチン接種が有効であることを改めて認識していただきたいというふうに思います。 また、手指、机などをアルコールで拭くなどして感染防止に努めていただいておりますし、バケツの水でありますとか、あるいはカーテン、タオルを湿らせて教室の湿度を適度に保つということの重要性も認識をしていただきたい、実践をしていただきたいと思うところです。 インフルエンザに罹患された場合は早目に医療機関で治療を受け、きちんと療養していただきたいと思います。頻回の手洗い、うがい、マスク着用などは、人にうつさないためにも、また自分が罹患しないためにも有効でございます。学校、家庭、職場など、社会全体でこれらに確実に取り組み、感染拡大を防止し、重症化予防に取り組むことは大切であると認識しております。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 松下君。 ◆6番(松下幸治君) 2問目からは自席で行います。 ただいまの健康医療部長の答弁にありますように、社会が全体として感染症予防に取り組む中で、インフルエンザ対策で、公共施設や行政、教育現場での加湿機能つき空気清浄機の整備が重要性をますます増していると考えます。 市として今後どのように取り組むのか、市長のお考えをお聞かせください。 ○副議長(森岡弘之君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 自席からお答えを申し上げます。 インフルエンザ対策にどのように取り組むのかということでございますけれども、その中におきまして、特に加湿機能つきの空気清浄機の有効性についてどう考えるかということでございます。 インフルエンザウイルスにつきましては、高温で湿度の高い環境では生きていけないこと、また厚生労働省のQアンドAでも、加湿器が有効であるということにつきましては承知をいたしております。また、一方で、学校の教室など換気を頻繁に行う出入りの多い空間におきましては、同様の機器では十分な効果は期待ができないと考えており、具体的な整備は現在のところ検討はしていないという状況でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 松下君。 ◆6番(松下幸治君) ただいま、学校において加湿機能つき空気清浄機の整備というのがある意味エビデンスがないという答弁だったと思うんですが、厚生労働省の指針にありますように、加湿機能つきの空気清浄機、特定はされていないんですが、加湿というのは非常に重要だということは示されておりまして、学校での空気の管理というもののあり方について、さまざまな方法とか考え方があると思うんです。そしてまた、インフルエンザだけではなくて、さまざまな疾病管理において、花粉症であるとかいろいろ課題はあると思うんです。そういった課題に対して総合的に考えた場合に、今後どういうふうに設備投資をしていけばいいのかについて、しっかりと研究していく必要性があると思うんです。その点を踏まえて、加湿機能つき空気清浄機というのは非常に有効性があるというふうに考えますので、この点、しっかりと検討していただきたいと思います。要望しておきます。 次に、インフルエンザに対して特化して見てみますと、インフルエンザの検査は、プラスというか、陽性というような結果ならインフルエンザというふうに考えてほぼよいと思うのですが、3人から4人に1人ぐらいの頻度でインフルエンザにもかかわらず陰性になるという検査結果が出るということなので、陰性だということでインフルエンザでないとは言えない。 その点を踏まえまして、市や学校でインフルエンザ等の感染拡大のおそれがある疾病に関し、どのような手続で病気休暇や欠席の扱いになるのかについて、まずは総務部長教えてください。
    ○副議長(森岡弘之君) 総務部長。 ◎総務部長(吉村啓信君) ただいまの松下議員の御質問にお答えいたします。 まず、職員の病気休暇の手続でございますが、病気休暇は、奈良市職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例におきまして、「職員が負傷又は疾病のため療養する必要があり、その勤務しないことがやむを得ないと認められる場合における休暇」でございます。手続といたしましては、奈良市職員服務規程におきまして、病気休暇を受けようとする職員は、医師の診断書を添えて病気休暇願をあらかじめ所属長及び所属部長を経て人事課長に提出し、運用上は総務部長の承認を受けることとなっております。 インフルエンザ等の感染拡大のおそれがある疾病についても、この手続にのっとって病気休暇を取得することとなっており、医師の診断のもと、インフルエンザなどの治癒に必要な期間、病気休暇を適切に取得していただきまして、職場における感染の拡大防止を図ることとしております。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 松下君。 ◆6番(松下幸治君) それでは、学校教育部長、お答えいただけますでしょうか。 ○副議長(森岡弘之君) 学校教育部長。 ◎学校教育部長(北谷雅人君) 議員の御質問にお答えをいたします。 学校でのインフルエンザ等に関する欠席の扱いについてでございますが、例えばインフルエンザにおいては、児童・生徒の出席停止期間は、平成24年4月1日に学校保健安全法施行規則の改正が行われております。それによりますと、出席停止期間の基準がこれまでの解熱後2日が経過するまでから、発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまでと変更されております。インフルエンザでは、一旦熱が下がっても再び発熱する場合がございます。したがいまして、出席停止期間に従い、保護者の協力を得て登校を控えることでインフルエンザの蔓延を防ぐことができると考えております。 また、インフルエンザの流行開始期の学級・学年閉鎖及び臨時休業の基準につきましては、県保健予防課からその基準が示されております。例えば学級閉鎖においては、7日以内に同一学級においてインフルエンザと診断が報告された児童・生徒が、1人以上かつその学級における風邪・インフルエンザによる欠席率が10%から15%と急速に高くなった場合においては、学校長は学校医と協議した後、学級閉鎖を実施しております。 学校長は、インフルエンザ等により出席停止とした場合は、学校保健安全法施行規則第20条により教育委員会へ報告することとなっております。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 松下君。 ◆6番(松下幸治君) ただいま総務部長と学校教育部長より答弁があったわけですが、これね、欧米では職場を休むときに特に自己申告で休めるという制度があって、休むために例えば病院に行かなければいけないとすると、病院に行くことによって感染する可能性、そしてまた感染を広げる可能性と2通りあると思うんですね。 市長は御存じだと思うんですが、MICINという民間会社が規制のサンドボックス制度の認定を取得して、今、インフルエンザの遠隔診療を受けられる仕組みというのができないかと国と研究、検証しているところであります。こういうものが実際に実現をして、在宅で遠隔診療においてインフルエンザの診断というものができるようになれば、当然感染拡大というおそれがなくなるわけですが、そういうものが実現するまでの間、市として、病気休暇を申請するに当たって医師の診断なしで、自己申告のみでそれを許すという仕組みについて、市長の考えをお聞かせください。 ○副議長(森岡弘之君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 確かに御指摘のように、明らかにもう罹患をしているなという実感がありながら、診断書が必要なので無理やり出ていって余計体調が悪くなる、もしくは周りに感染をさせてしまうということについては、社会全体で何とか改善していかなければならないということについては考えております。 診断書の提出については、原則必要ということではありますけれども、その状況によって現場で所属長等が確認をするというような形だと理解しておりますので、診断書なしで自己申告のみということでは、いろんな運用を考えますと少し不確かな部分もあろうかと思いますけれども、インフルエンザのように感染の可能性の高い疾患に関しては、そのあたりの運用をより現実的なものにしていくということも議論の余地はあるのかなというふうに考えております。 ○副議長(森岡弘之君) 松下君。 ◆6番(松下幸治君) 市長から答弁がありましたが、こういう問題に関しては、やはり市の執行機関と職員との信頼関係というのが大事で、信頼関係をふだんから構築する中で、しっかりと疾病管理の問題も踏まえた上で運用できるような仕組みづくりの検討をお願いいたします。 続きまして、子供の命を守る取り組みに関連して質問いたします。 ならしみんだよりを見ますと、特集の中で「子どもの命を守る」取り組みというものが特集されておりました。子供の心を守ることについて、いじめの問題について取り上げております。また、不登校に関しても、不登校傾向にある中学生が10人に1人と、日本財団調べによりますと33万人となっており、11万人の不登校児童と合わせまして44万人が学校に居場所がないという深刻な現状が浮き彫りになってきました。 僕自身、不登校を経験しておりまして、小・中学校の思い出といえば教師による体罰とかいじめというものを非常に経験したわけですが、しつけや教育の名のもとに、体罰やいじめ、また家庭でのDVなどが発生するわけです。明らかに刑法犯罪であるわけでありますが、警察がこのような問題に対して積極的に関与するべきという事案があると思いますが、市長のお考えをお聞かせください。 ○副議長(森岡弘之君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 体罰やいじめ、また虐待など、明らかな刑法犯罪に対しましては、積極的に警察と連携を図るべきであると私も考えております。例えば学校・警察連携制度については、平成14年に全国的に導入され、本市の学校も警察と積極的に連携を図っております。 いじめの問題に関して警察と連携をしている場面といたしましては、例えば奈良市のいじめ防止基本方針には、教育委員会や学校は、いじめを把握した場合、抱え込むことなく、速やかに警察や児童相談所等の関係機関と適切に連携を図ることと明記をさせていただいております。また、平成31年2月21日に開催いたしました奈良市いじめ防止連絡協議会では、警察、児童相談所、弁護士、医師、学識経験者、保護者組織や学校の代表者が集まり、緊急時の連絡体制などにつきましても確認をさせていただいているところであります。 ○副議長(森岡弘之君) 松下君。 ◆6番(松下幸治君) 体罰とかいじめ、DVなど、暴力の本質について考えますと、人間が生来持っております防衛本能に行き着くと考えます。刑法第36条、正当防衛によりますと、第1項で「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。」、第2項で「防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。」と規定され、国の防衛観念も同様だと考えます。 では、なぜ戦争が起きるのか。暴力が常態化するかといえば、人間の精神状態が暴力を是認するように変化した結果と言えます。それは人間の忍耐力が低下し、寛容さを失い、防衛を超えた過剰な自己防衛本能が働くことに起因します。この防衛本能をコントロールするのが最近話題の非認知能力です。多様性を認め、他者を理解する共感力を高めるには、アイデンティティーの確立過程における不安感を軽減するとともに、幼年期における非認知能力の形成が重要になります。 小中一貫教育における9年間では4・3・2年制が主流で、1年生から4年生は基礎・基本の定着、5年生から7年生は基礎・基本の徹底、8年生から9年生は個性や能力を十分に伸ばすというような区割りになっており、1年生から4年生を寺子屋的指導期とし、5年生から7年生を道場的指導期として、8年生から9年生は私塾的指導期と位置づけた品川区の先進事例もあります。 本市で非認知能力の形成に重点を置いた幼児教育及び小中一貫教育を実現するに当たって、教育長のビジョンをお聞かせください。 ○副議長(森岡弘之君) 教育長。 ◎教育長(中室雄俊君) 自席からお答えをさせていただきます。 非認知能力の形成に重点を置いた教育ビジョンというお尋ねでございますが、主体性や自立心、思いやりや最後までやり抜く力などの非認知能力は、子供たちが将来にわたって幸せな生活を送るために必要な能力であり、これらの能力は、人と人とのかかわりの中で育まれるものであるというふうに認識をいたしております。新学習指導要領におきましても、主体的に学習に取り組む態度や人と協力する力、思いやりなどの非認知能力の育成が求められております。 この非認知能力は、幼児教育や家庭生活を通した幼児期からの育成が大変重要であり、また、小学校以降の学びにつながるものであることから、幼小連携を進め、幼児教育から小学校教育への滑らかな接続を図ることが大切であるというふうに考えております。 本市が取り組んでおります小中一貫教育においても、義務教育9年間を4年、3年、2年の3つのステージと捉え、それぞれの発達段階を意識した指導を行っております。今後、より一層校種間の連携を深め、子供たちの発達や学びの連続性を踏まえた教育の充実を図ってまいりたい、このように考えておるところでございます。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 松下君。 ◆6番(松下幸治君) ただいま教育長よりビジョンのほうが示されたわけですが、ただいま市教育委員会が進めております学校規模適正化計画で、平城西中学校区において小中一体となった魅力ある小中一貫教育の実現をするに当たりまして、右京小学校を一貫校に統合するという案が出ております。 幼小連携や通学区域が広域化するということにおいて課題があり、英国の幼年学校の事例を参考にいたしますと、4・3・2年制での1年生から4年生と、また幼児教育の3歳から5歳を一体化した非認知能力の形成に重点を置くような7年制の幼年学校というふうな仕組みを生かしまして、右京小学校を一貫校の分校として設置するべきと私は考えますが、その点、教育長のお考えをお聞かせください。 ○副議長(森岡弘之君) 教育長。 ◎教育長(中室雄俊君) お答え申し上げます。 右京小学校を一貫校の分校として考えてはどうかという御提案でございますが、先ほど御答弁を申し上げましたように、幼児期におけます非認知能力の育成が大切であるということは十分認識をいたしております。また、幼小連携は、幼児期から小学校への滑らかな接続を図る上で大切であることから、今後も幼小の交流をしっかりと進めてまいりたいと考えております。 しかし、幼児教育は、生活や遊びを通して義務教育の基礎を総合的に育み、一方で義務教育は、各教科での学びを通して生きる力を育むことをその狙いといたしております。また、それぞれの教育環境を含めた教育の内容や方法が異なることから、一体的に捉えることは大変難しいのではないかというふうに考えております。 議員お述べの平城西中学校区については、右京小学校と神功小学校を統合再編することにより、適正な学校規模として児童の教育環境の充実を図ってまいりたいと考えております。さらに、統合再編校を平城西中学校と一体とすることで、小中一貫教育のさらなる充実を図ってまいりたい、このように考えておるところでございます。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 松下君。 ◆6番(松下幸治君) ただいま教育長より、分校の設置について難しいのではないかという答弁がありました。文部科学省の教育指導の方針であるとか、幼稚園教育と小学校教育というものをどういうふうに結びつけていくかについては、非常に実現が難しい課題であるのは存じ上げております。 しかし、分校というのは、右京小学校の地域において、右京小学校を残していく方法として非常にいい方法であると私は考えます。非認知能力の育成のためには、その地域に密着したような学校の存在というのは非常に重要で、幼い、まだ育っていない子供たちにとって遠距離通学をするというのは非常に体力的にも負担があり、そのことによって学習の、学びの質が下がっていくという問題も懸念されております。そういった意味で、特別委員会のほうでこれはしっかりと審議していきたいと思いますので、その点、よろしくお願いいたします。 次に、市が計画する児童相談所設置基本計画案というものを見ますと、19ページで、仮称奈良市子どもセンターには、児童相談所・一時保護所、地域子育て支援センター、子ども家庭総合支援拠点、子ども発達センターの4つの機能を1つに集約することで、市が児童相談所を設置するメリットを最大限生かすとされていますが、教育委員会のいじめ防止生徒指導課や女性政策--DVなどさまざまな政策があるわけですが、そういった女性政策、県警にあります生活安全部との連携というのが、非常に組織的な一体性というのが重要になるわけですが、県立の病院の跡地で今進んでおります再開発において、関係各所が1カ所に集約化していく、そういう庁舎機能の整備をすることについて、市長の考え方をお聞かせ願えますでしょうか。 ○副議長(森岡弘之君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 仮称子どもセンターにつきましては、本市が実施をしております地域子育て支援センターや子ども発達センター等の機能と児童相談所における児童福祉司や児童心理司による専門性を生かした児童虐待や非行等への相談・対応機能、さらには一時保護や施設入所といった措置機能を持つことによりまして、一元的に効果的な相談・支援体制の構築が可能になると考えております。 一方で、児童虐待通告等に対する子供や家庭への対応につきましては、児童相談所、学校、教育委員会などと速やかに情報共有し、連携して対応するとともに、夫婦間暴力や威圧的な要求、また暴力の行使等が予想される場合には、ちゅうちょせず警察等の関係機関との連携を図っていくことが重要だと考えております。 そのため、本市といたしましては、子供や家庭への支援を行うさまざまな機関との連携を深めるためにも、警察官や弁護士などの専門職の人員配置を行い、一体的な対応を行ってまいりたいと考えております。 ○副議長(森岡弘之君) 松下君。 ◆6番(松下幸治君) ただいま市長に前向きな答弁をいただいたかと思うんですが、警察との連携というのはなかなか他市でも意見が分かれている部分でもありますので、しっかりと奈良市のビジョンとか方針を示していくような議論を、また特別委員会のほうでしっかりと議論していきたいと思いますので、これで私の質問を終わります。 ○副議長(森岡弘之君) 13番横井君。   (13番 横井雄一君 登壇) ◆13番(横井雄一君) 自民党奈良市議会の横井雄一でございます。 早速通告内容に従って質問してまいります。 まず、奈良市清酒の普及の促進に関する条例の活性化について、市長にお聞きします。 奈良市清酒の普及の促進に関する条例は、平成25年9月25日に当時の自民党会派所属の議員から議員提案によって上程され、同年12月3日に可決し、翌日より公布されています。 公布後、本条例の趣旨に沿った奈良市の活動や市民個々の動きは散見されるが、第1条の目的にうたう「奈良の清酒による乾杯の習慣を広めることにより、清酒の普及を通した日本文化及び本市の伝統文化への理解の促進に寄与するとともに、本市の地域経済の活性化を図る」という目的の達成にはまだまだ遠いと感じています。奈良市は、さらに条例の趣旨に沿った活動をすべきであると考えています。 ちょうど今、奈良市内の複数の酒蔵さんで、共同によって乾杯に適したお酒を開発する動きがあります。この動きの発端は、いわゆる日本酒で乾杯条例はできたものの、扱うお酒は従来のものだったことから、2杯目、3杯目となかなか進んでいかない。つまりは乾杯に適していないと考えた酒蔵の皆さんが、本当に乾杯に適した日本酒、微炭酸を含んだ日本酒の開発を試みたことから始まっています。 そこで市長にお聞きします。 この動きといったものはまさに条例の趣旨に沿った取り組みであり、奈良市として条例の趣旨に沿う支援をすべきだと考えますが、市長の見解をお聞かせください。 次に、ならまちセンター東側市有地の活用について、その基本方針及びプロポーザルの内容等について、市長にお尋ねいたします。 ならまちセンター東側市有地の活用について、昨年秋ごろより、周辺自治連合会等に奈良市の考え方を説明に回られていることは存じております。年明けからは市有地近隣の自治会に対しても、複数回の説明会を開催されています。自治連合会でいいますと、飛鳥地区、椿井地区の両地区に大きな影響があることから、両地区から選挙の折に推薦を受けている私としては、昨年より複数の自治連合会役員の方々と断続的にこの件について情報交換しています。 あの市有地をどのように使えばよいのか、現状よりもよい方向へ導く土地活用を考える場合、まず選択すべきは、自分で何かやるか、あるいは他人に任せるか。私は、行政が自分でやってしまうのはちょっとやはり難しいので、他人に任せるのはよい選択だと考えています。では、どのように任せるのか。 単純に売却して次の所有者にその使い方を任せるというのはどうか。これは簡単ではありますが、そこにやってくるものが迷惑的施設なら困ります。では、建築条件をつけて売却して、その条件内で何かをやってもらうのはどうか。それも確かに一案ですが、条件を守らず、土地を奈良市に返却されてもこれも困ります。いずれにしてもリスクが大きいと考えています。やはり今回とられた手法、土地は奈良市が所有したままで、一定の自由度がある中で企画提案を求めるプロポーザル方式は、最も有効なやり方であろうと考えます。 両地区内の方からいろんな意見を伺い、先月の地元説明会にお越しになった方の意見も考慮すると、プロポーザルの内容を工夫する必要があると考えます。市が打ち出している目標を細かくひもとくと、猿沢池周辺ににぎわいを創出する、宿泊客をふやす、滞在時間を伸ばす、これら部分部分に否定的な意見はありません。ただ、宿泊施設を核とするという部分は、既に宿泊施設が局地的に林立する地域に刺激が強過ぎると考えています。 そこで、市長にお聞きします。 いま一度目標設定とその到達へのロードマップを見直し、プロポーザルの内容を工夫すべきだと考えますが、市長の見解をお聞かせください。 次に、学校図書館図書整備に関し、文部科学省の方針と本市教育委員会の動きの乖離について、教育総務部長にお聞きします。 平成31年2月5日発刊の奈教総第650号は、教育総務課長から各学校長宛てに通知されています。その内容は、学校図書の購入に関し、全校の蔵書率を100%にするため、新しい図書購入を進めることを促しています。しかし一方で、蔵書率100%にこだわるがために、古い図書について、100%を割ってしまうような廃棄は認めないというものであります。古くて処分すべき図書も100%達成のためにどこかに保管しておけともとれる、まさに児童・生徒たちを欺けと言わんばかりの通知内容です。 平成29年度から始まった文部科学省の学校図書館図書整備等5か年計画は、古くなった本を新しく買いかえることを促進するとしており、100%に全くこだわっていません。数字づらだけ整えようとする奈良市教育委員会の方針と全く合致していないのです。しかも、通知には、図書館に配備する新聞購読は中止して、蔵書率100%達成のため図書購入に予算を使えと、このような記述があります。文部科学省の計画には、アクティブラーニングが叫ばれる昨今、現実社会の諸課題を多面的に考察し、力をつけるため、新聞は複数配備を盛り込んでいます。総じて所轄省庁の方針に完全に背いていると考えます。とても残念に思いました。 そこで、次の5点について、教育総務部長の見解を賜りたいと存じます。 1点目として、通達奈教総第650号は、本当に教育総務課長の判断で発刊されたものなのか。 2点目として、上席者の判断が入っているとしたら、それは誰の判断なのか。 3点目、廃棄すべき図書が混在しているのに蔵書率100%を全面に打ち出す行為は、児童・生徒たちに対して申しわけないという気持ちにならないのか。 4点目、文部科学省が掲げる計画に反する行動をさせようとする理由は何なのか。 5点目として、この問題となった通知、奈教総第650号は2月28日に撤回したと聞きましたが、学校図書館に対する根本的な考え方を改める考えはないのか。 以上について見解をお聞かせください。 以上で1問目を終わります。 ○副議長(森岡弘之君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの横井議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず、1点目、奈良市清酒の普及の促進に関する条例につきまして、活性化策をどう考えるかということでございます。 本市におきましては、御指摘のとおり、平成25年12月に奈良市清酒の普及の促進に関する条例が制定をされたところでございますが、その後、国内外におきまして清酒の普及の促進にさらに努めているところでございます。 また、本市以外でも、清酒、日本酒の発祥の地とされます兵庫県伊丹市や島根県出雲市などとも連携し、清酒・日本酒発祥の地フェスタと称したフォーラムや日本酒の飲食会等を行ったり、また、日本酒条例サミットへの参加やFOODEX JAPAN2016への出展など、さまざまな機会を捉えて日本酒のPRを行っているところでございます。 また、海外に向けましても、外国メディア、国内の旅行会社を本市に招待し、酒蔵等日本酒に関するスポットを回るツアー等も実施をしてきたところでございます。また、平成31年度の認定を目指して、清酒発祥の地・奈良として日本遺産事業への認定申請も行っているところでございます。 一方で、御指摘がありましたように、乾杯だけで終わってその後になかなか飲んでいただけない、もしくは、私もよく経験をいたしますが、いきなり度数の強い日本酒で乾杯をしますと、その後、ちょっと使い物にならなくなるというようなこともございまして、なかなか正直、実効性を高めるというところでは少し課題を感じているところでもございます。 そのような中、先ほど御紹介をいただきましたように、複数の酒蔵の共同開発によりまして、乾杯に適した微炭酸の日本酒がつくられるということにつきましては、清酒の普及促進にもさらにつながるものと期待をいたしております。今後もこのような市民や事業者の方が条例の趣旨に沿った独自の取り組みを行っていただくことは大変ありがたいことだと考えており、市といたしましても連携を図り、清酒のさらなる普及促進に努めてまいりたいと考えているところでございます。 次に、ならまちセンター東側の市有地の活用について、改めて工夫をするべきではないかという御指摘を頂戴いたしました。 ならまちセンター東側の市有地の活用につきましては、まちづくりや観光振興の視点から、にぎわい創出につながる施設を民間のアイデアや活力を利用して誘致することを考えており、事業者につきましては、企画提案を求めるいわゆるプロポーザル方式で募集をすることを考えてございます。 現在は、事業者募集の準備段階といたしまして、地元説明会を重ねさせていただいているところでございます。その説明会におきまして、地元の皆様や近隣の宿泊事業者の方からさまざまな御意見を頂戴しておりますことは認識をいたしているところであります。 今後、これらの意見を踏まえ、さらに丁寧な説明に努め、理解を求めながら着実に事業を進めていくことが肝要だと考えております。その過程におきましては、議員御指摘のとおり、目標の設定、また、その到達へのロードマップの見直し、プロポーザルの内容についても、見直しや工夫を行うなどをぜひとも図ってまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 教育総務部長。   (教育総務部長 尾崎勝彦君 登壇) ◎教育総務部長(尾崎勝彦君) 横井議員の御質問にお答えいたします。 学校図書館図書整備に関しての御質問でございます。 最初に、教育総務課から発信されました文書番号奈教総第650号の通知についての御質問でございますが、学校図書館の予算や学校図書館の蔵書率の把握に関する業務は、教育総務課で所管をしております。議員御指摘のこの通知につきましては、教育総務課において検討し、そして通知を行い、その判断は教育総務課長が行ったものでございます。 次に、2番目としまして、廃棄すべき図書が混在しているのに蔵書率100%を全面に出す意図ということについての御質問でございます。 公立義務教育学校の学校図書館に整備すべき蔵書の標準として、文部科学省において学校図書館図書標準が示されております。学校のクラス数に応じて図書の整備を図る際の目標値がそこに設定されております。しかしながら、誤った情報を記載している古い本や汚損、破損により利用できない図書については、適切な廃棄を行う必要がございます。児童・生徒が魅力を感じるような学校図書の整備のためには、学校図書館図書標準の達成だけにとらわれるのではなく、適切な図書の廃棄と更新が大切であると認識しております。目標数値の達成にとらわれ、よりよい図書館図書の整備を置き去りにするような通知があったことは、まことに申しわけないと感じております。 続きまして、文部科学省の計画に反する行動をとってしまった理由、そして今後の奈良市の図書館の充実に向けた考えということについてでございますが、文部科学省の新たな5か年計画においては、学校図書館図書の整備として、学校図書館図書標準の達成を目指すことに加え、児童・生徒が正しい情報に触れる環境の整備の観点から、古くなった本を新しく買いかえることを促進することとしております。 本市においては、学校図書館図書の充実のために図書購入予算を近年拡充しております。しかしながら、学校図書館図書標準は、特別支援学級も1学級としてカウントされるため、近年、特別支援学級が急増する中で、なかなか図書標準を達成できない現実がございます。そのような中で、蔵書率に注視した結果、図書の廃棄を抑制する趣旨の誤解を招くような通知になったものでございます。 学校図書館は、児童・生徒の知的活動を増進し人間形成や情操を養う上で、学校教育上重要な役割を担っていると認識しております。また、国が策定いたしました平成29年度からの新しい学校図書館図書整備等5か年計画も踏まえまして、本市としましても、学校図書館の図書購入費や、学校図書館を巡回し環境整備を行う図書館司書の拡充等にも努めながら、今後、より一層の学校図書館の充実に努めてまいりたいと考えております。 続きまして、今回、第650号は撤回されたということですが、根本的に教育委員会は図書館図書の整備についてどう考えているのか、改めるものはあるのかという御質問をいただきました。 学校図書館は、児童・生徒の読書センターとしての機能、学習センターとしての機能とともに、情報センターとしての機能を有しており、さらなる充実が求められていることを認識しております。本市の今後の学校図書館の整備については、図書の購入や図書館司書の拡充といったことを通じ、真に児童・生徒の可能性を引き出すような魅力的な図書館となり得るよう取り組んでまいりたいと思います。 以上でございます。 ○副議長(森岡弘之君) 横井君。 ◆13番(横井雄一君) 2問目は自席より意見等を述べます。 今、それぞれ真摯に答弁をいただきましたので、場合によっては教育長、市長まで再質問、再々質問という可能性もあるかと思いましたが、それなりに答弁をいただきましたので、主張というところにとどめたいと思っています。 ちょっと通告の順序と変えて申し述べますが、今し方、教育総務部長から御答弁いただきました。多少反省を交えた答弁がありましたけれども、今回問題とした通知というのは、ただ何百何千も通知される中の一通知かもしれませんけれども、今回の通知は私が2月22日に指摘いたしまして、これに私が気づいて指摘しなければ、まかり通っていたと考えると恐ろしいなというふうに思います。市民の見えないところでは何かいろいろやっているんだなということで、本当に残念に思いました。誤解を招くような通知を行ってしまったものでございますって、そもそも学校図書館の意義とか文部科学省の計画を正しく理解していなかったというところから始まったんだろうと考えますので、大いに反省をいただきたいと思います。 指摘するのも結構つらいんですよ。でも、指摘ついでにさらに指摘しておきます。 奈教総第650号通知を撤回されたことに伴って、その第650号通知を参照して提出せよとされていた平成31年2月15日、教育センター所長名で発刊の奈学支第309号、学校図書館充実度チェックの提出について(依頼)という通知があります。答弁されたように、本当に教育総務課長の独断で第650号が通知されたものだとしたら、今申し上げた奈学支第309号も撤回されるべきでありますし、いかに行き当たりばったりのお仕事をしているかということが露呈されるものであり、大いに問われるところだと思います。 逆に、教育総務課と教育センターが連携をもってなした仕事であるならば、答弁にありました教育総務課長一人に責任があるようで、上席の者は知らなかったとする先ほどの答弁とは大いに矛盾していると思います。これはもう問いませんけれども、いずれにしても体質に問題があるとしか思わざるを得ません。これから教育を取り巻く環境というのは、もうきのうから報道されていますように、新しい問題が次から次へとどんどん出てきて、その新しい問題に対応していかなければならない体制が本当にできているのかというふうに疑問に思います。これは教育委員会だけじゃなく、ぜひとも仲川市長も入って、風通しのよい組織にしていただきたいなというふうに思います。 学校現場が動きやすくなるように、児童・生徒を育み成長させるために動くのが教育委員会の仕事だと考えています。これだけでいいはずなんです。一事が万事、今回のような学校現場を混乱させる、児童・生徒を欺かんとするような教育委員会なら、先は暗いと思います。 また、文部科学省の学校図書館図書整備等5か年計画というのは、きちんと目的を持って、官僚たちが一生懸命考えられて実施されている計画ですから、方針を曲げて予算を使うということはやってはいけないことです。今後は謹んでいただきたいと思います。 次に、市長から答弁いただきました奈良市清酒の普及の促進に関する条例の活性化について、新たな取り組みに対して前向きな答弁はいただきました。この条例の条文というのはもうたった4条文しかございませんで、今回の取り組みというのは、この全ての条文に合致する取り組みであろうというふうに思っておりまして、奈良市としても支援しない理由が見当たりません。近々発表されるであろう乾杯に適した日本酒を奈良市としてもPRいただくことを要望しておきます。 最後に、ならまちセンター東側市有地の活用について、そのプロポーザルの内容について問いましたところ、地元、あるいは宿泊事業者へのさらに丁寧な説明に努めるとお答えいただいたのを初め、目標設定と目標到達のロードマップの見直しも必要に応じて行う、そしてプロポーザルの内容も見直し、工夫を行うとお答えいただきましたので、これはもう市長、実行あるのみだと思います。よろしくお願いいたします。ただし、性急に進めるのはいけないと思いますので、意見しておきます。 現状の平面駐車場という使い方から少しでも立体的に活用して、固定資産税の増収など歳入をふやそうというチャレンジ精神は大いに評価しておりますし、その歳入増でもって今まで手当されてこなかった政策に充当できるということも存じておりますし、支持する方も多いです。私も、地域から推薦をいただいている議員の一人として、地元に還元してもらえるような政策でしたら大歓迎ですので、今回は一見直し、一工夫をお願いしておきたいと思います。 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(森岡弘之君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。   午後2時54分 休憩   午後3時30分 再開 ○議長(東久保耕也君) 休憩前に続き、会議を開きます。----------------------------------- ○議長(東久保耕也君) 質疑並びに一般質問を続行いたします。 3番樋口君。   (3番 樋口清二郎君 登壇) ◆3番(樋口清二郎君) 皆さん、こんにちは。改革新政会の樋口清二郎です。 それでは、私のほうから一問一答形式にて、2項目について質問を行わせていただきます。1点目は奈良市通学路交通安全プログラムについて、2点目は骨髄移植ドナー支援についてであります。 早速、1点目の奈良市通学路交通安全プログラムについて質問を行ってまいります。 奈良市通学路交通安全プログラムについては、平成24年全国の通学路登下校中における児童・生徒の事故が多く発生したことから、本市においては平成26年に奈良市通学路交通安全プログラムを策定し、児童・生徒の通学路の安全確保の対策を行っていることと思います。 そこで、教育総務部長にお伺いいたします。 直近の奈良市における通学路交通安全プログラムによって危険箇所と指摘された件数について、御説明お願いいたします。 以上で私の1問目を終わります。 ○議長(東久保耕也君) 教育総務部長。 ◎教育総務部長(尾崎勝彦君) 一問一答でございますので、自席よりお答えさせていただきます。 直近といいますか、平成29年度でございますが、交通安全プログラムによって指摘された箇所数についての御質問でございますが、交通安全プログラムにおけます合同点検は、小学校別に2年に1回行うこととしており、2カ年で全ての小学校の点検を実施するサイクルとなっております。平成29年度には本市立の小学校43校中19校の点検を実施し、指摘のあった危険箇所につきましては172カ所となっております。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 樋口君。 ◆3番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 それでは、その指摘があった翌年度ですね、1年後にどれだけ改善されているのか、その改善率について御説明お願いいたします。 ○議長(東久保耕也君) 教育総務部長。 ◎教育総務部長(尾崎勝彦君) お答えいたします。 先ほど申し上げました172件の危険箇所につきまして現在91カ所が対策済であり、合同点検の翌年度中における改善率は53%となっております。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 樋口君。 ◆3番(樋口清二郎君) ありがとうございます。翌年度の改善率が約53%ということですね。 それでは、通学路交通安全プログラムに記載されている取組方針について確認をしてまいります。 取組方針の(6)対策の実施というところで、以下のような記載があります。「各管理者が設置改善した後、教育委員会及び学校により改善箇所の説明、対策内容を児童、生徒、関係保護者に対しお知らせすることで施設の効果的な運用を図ります。」ということで記載されています。どのような形でお知らせを行っているのか、御回答をお願いいたします。 ○議長(東久保耕也君) 教育総務部長。 ◎教育総務部長(尾崎勝彦君) お答えいたします。 対策後の周知についての御質問でございますが、対策後の周知や説明につきましては、学校や保護者、住民の方から問い合わせあればその都度報告や説明をしておりますが、現在のところ件数の多さもあり、全ての対策についての報告や説明をする方法が確立できていない状況でございます。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 樋口君。 ◆3番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 今答弁いただいたんですけれども、答弁の内容によれば、ここにお知らせをするというふうに書いていますけれども、問い合わせがあればお知らせをするというような答弁だったと思います。お知らせをすることで施設の効果的な運用を図りますというような記載があるわけですから、一部の方にお知らせをしている状況では、この効果的な運用が図れていないんではないですか。 その要因として、今部長のほうから答弁いただきましたけれども、件数が多いからというような答弁ですけれども、先ほど私が質問させていただきまして、部長のほうから翌年度の1年間の改善率が53%だというふうな回答をいただいています。どこが対策できてどこが対策できていないというのを教育委員会として把握していて、この件数が多いから対応できないというのはおかしなところではないですか。特に問題点があるような点については、ここで指摘をさせていただきます。 続けて、(7)の対策効果の検証について確認を行わせていただきます。 この記載内容によりますと、「実際に期待した効果が上がっているかを確認するため、学校関係者がアンケート、聞き取り、現地調査等の把握手法を検討し、対策効果の検証を実施します。」というふうに記載があります。どのようにこれ、対策効果を検証しているのか、御説明をお願いいたします。 ○議長(東久保耕也君) 教育総務部長。 ◎教育総務部長(尾崎勝彦君) お答えいたします。 対策効果の検証につきましては、学校や保護者、住民の方から問い合わせがあれば、その都度教育総務課や関係機関の職員が現場に出向くなどして、検証等を行っておりますが、全ての対策について検証する方法が確立できていない状況でございます。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 樋口君。 ◆3番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 こちらも問い合わせがあれば対策検証をしているということで、問い合わせがなければ実際やっていないというような答弁だと思います。 その答弁の中に、この対策について検証する方法が確立できていないというような答弁をいただきましたけれども、この奈良市の通学路交通安全プログラムって平成26年度に策定されているわけです。約5年間たっていて、まだ検証の体制ができていないというのは大きな問題ではないですか。 あわせて次に移らせていただきますけれども、先ほど部長の答弁の中で1年以内の、翌年度の改善率が53%というふうな答弁をいただきましたけれども、ということは1年たっても改善されないところが約50%残っているということです。これらの状況をPTAや地域の方とか、適時その状況を教えてほしいといったような要望が上がっていないのか、御確認をさせていただきます。 ○議長(東久保耕也君) 教育総務部長。 ◎教育総務部長(尾崎勝彦君) PTA等からの交通安全プログラムの改善状況の公表等の要望がなかったかという御質問でございますが、過去に自治会関係の方から改善状況についての報告を定期的にしてほしいという旨の要望が出されているのはあります。 ○議長(東久保耕也君) 樋口君。 ◆3番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 要望が上がっているということなんですけれども、そういった要望を受けて、市としてこういった危険箇所の改善状況というのは定期的にPTAさんや小学校や地域の方に共有していく、お知らせしていく、フィードバックしていく必要がないのか、確認をさせていただきます。いかがですか。 ○議長(東久保耕也君) 教育総務部長。 ◎教育総務部長(尾崎勝彦君) お答えいたします。 改善状況など、定期的にフィードバックしていく必要がないかという御質問でございますが、指摘されました改善状況は県や警察、学校、PTA、自治会など関係機関と連携を図り、小学校、PTA、地域の皆様にフィードバックしていく必要があるということは認識しております。 今後におきましては、対策状況の把握方法や把握しました情報の共有方法などを検討する必要があると認識しております。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 樋口君。 ◆3番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 それでは、その対策の公表について少し質問をさせていただきます。 お隣の生駒市であれば、この安全プログラムの中に項目を追加して、その改善箇所を公表していくというような記載があります。実際ホームページでも公表しています。奈良県内でも調べさせていただきましたら生駒市や大和郡山市、木津川市もそうですけども、奈良県の多くの市がこの改善箇所の公表を、ホームページ等を通じて実施しております。この関西圏における中核市で調べさせていただいても、この改善状況というのは多くの市で公表しているような形になっております。 本市として公表、公開に関する考え方、そしてそれに当たる課題があるんであれば、課題の御説明をお願いいたします。 ○議長(東久保耕也君) 教育総務部長。 ◎教育総務部長(尾崎勝彦君) お答えいたします。 ホームページ等での公表についての考え方、そして課題についての御質問でございますが、通学路を不特定多数の方々に公表することが、児童や生徒に対して危険を及ぼさないかも考慮する必要があると考えておりますことから、公表の方法等も含めて今後の検討課題であると考えております。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 樋口君。 ◆3番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 それでは西谷副市長にお伺いさせていただきます。 この通学路交通安全プログラムによって危険箇所というのが指摘をされて改善をされていくわけですけれども、この通学路というのは地域の皆様が使う生活の道でもあると思います。そういった危険箇所というのは小学生児童だけではなく、地域の皆様にとっても危険箇所であると思います。それを受けて、地域の皆様に対しても市としてこういった危険箇所を公表していく考えはあるのかないのか、お考えをお聞かせください。 ○議長(東久保耕也君) 西谷副市長。 ◎副市長(西谷忠雄君) 通学路の危険箇所の改善状況の公表ということでの御質問でございますが、通学路は地域の皆様の生活道路であるということですので、危険箇所の改善状況の公開につきましては、公表の方法について検討すべきところはございますけれども、前向きに取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(東久保耕也君) 樋口君。 ◆3番(樋口清二郎君) ありがとうございます。前向きに検討していただけるということで、ありがとうございます。 意見、要望を述べさせていただきます。 奈良市として、通学路の安全を確保するためにこのプログラムを実施して、PDCAサイクルということで、危険箇所を発見して対策を検討して、対策をして検証していくというようなサイクルを回すことによって安全確保を図っていくということで、取り組み方針の一番目に書いてあります。 現状、部長のほうにお伺いさせていただきましたが、この今取り組み方針にのっとって運営されていない、運用されていないというところに大きな問題があるのではないかというふうに感じておりますので、市としてこの方針にのっとって取り組みを進められることを、要望として述べさせていただきます。 2項目めの、それでは骨髄移植のドナー支援について、健康医療部長にお伺いさせていただきます。 白血病などの病気には、骨髄移植という健康な方の骨髄液を注入する治療法が用いられます。この方法には骨髄液の提供者が必要となってくるんですけれども、奈良市の骨髄バンクに対する取り組みについて、御説明をお願いいたします。 ○議長(東久保耕也君) 健康医療部長。 ◎健康医療部長(佐藤敏行君) 骨髄バンクに関する御質問にお答えをいたします。 骨髄移植には、事前に骨髄バンクに登録していただく必要がございます。骨髄バンクの意義、必要性につきまして、市のホームページに掲載いたしましたり、あるいは本庁舎内で日赤による献血が実施される際、献血に加えて骨髄バンクへの登録を呼びかけております。また、近鉄奈良駅ビルの献血ルームでは直接骨髄バンクに対する登録を受け付けておりますけれども、そのことにつきましてもあわせて広報をしているところでございます。 以上です。 ○議長(東久保耕也君) 樋口君。 ◆3番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 市としても、献血と骨髄バンクへの登録を呼びかけたり、ホームページで周知したりとかして協力をしているという答弁だったと思います。 それでは、この骨髄バンクに登録を行って組織が適合して、実際に骨髄の移植をするためには仕事を休んで受けなければならないなどの制約が出てきます。そのため、骨髄提供を希望される方の休業補償を行う骨髄移植のドナー支援制度が全国で広がりを見せている状況です。現状の他市の状況について、お示しをお願いいたします。 ○議長(東久保耕也君) 健康医療部長。 ◎健康医療部長(佐藤敏行君) 骨髄移植ドナー支援制度の広がりについて、お答えをいたします。 私どもの調べでは、全国1,724市区町村中437市区町村で、中核市では54市中18市で助成制度を始めているということでございました。 御質問にもございましたように、骨髄移植の提供をするというふうになった場合、検査、入院等で7日から10日ぐらいの期間が必要になります。この間の休業補償をすることが支援制度の内容のようです。 県内の状況を申し上げますと、橿原市が26年4月から、天理市では平成31年2月からこのような事業を実施していると聞き及んでおります。橿原市の実績が、制度発足以来3件あったというふうに私どもは聞き及んでいるところです。 以上です。 ○議長(東久保耕也君) 樋口君。 ◆3番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 それでは、その骨髄移植のドナー支援制度に関して、本市として検討したことがあるのか、お答えいただいてよろしいでしょうか。 ○議長(東久保耕也君) 健康医療部長。 ◎健康医療部長(佐藤敏行君) お答え申し上げます。 この制度について、かつて調査し検討した経緯があるようでございますが、制度としての導入には至らなかったということでございます。 以上です。 ○議長(東久保耕也君) 樋口君。 ◆3番(樋口清二郎君) 調査を実施して検討はしていないということで、ありがとうございます。 では、全国で骨髄バンクに対する考えが高まっている中で、本市としてどのような形で今後対応していこうとしているのか、その考えをお聞かせください。 ○議長(東久保耕也君) 健康医療部長。 ◎健康医療部長(佐藤敏行君) 全国の状況、また県内の状況について調べてみたところであります。奈良県で骨髄バンクに登録している方が3,500人ということでありました。また、全国では骨髄バンク財団の発表でありますと2019年1月末現在、登録者数が49万4000人、組織適合し移植に結びついた例が2万2000例ということでございまして、全体の4.5%ということであります。登録してくれる方をふやすことにより、適合する例もふえるということについてはそのとおりでございますので、例えば奈良市保健所の窓口でドナー登録を受け付けするというようなことについて、日本骨髄バンクと話し合うというようなことを考えております。あわせて、骨髄バンクの意義、必要性について市民の方々への普及啓発に努めてまいりたいというふうに考えます。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 樋口君。 ◆3番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 それでは、他市で広がりを見せている骨髄移植のドナー支援制度があるんですけれども、本市で実施する場合の課題についてお示しください。 ○議長(東久保耕也君) 健康医療部長。 ◎健康医療部長(佐藤敏行君) 助成制度の課題というものについてどう考えるかという御質問にお答えをいたします。 この助成制度は休業補償を趣旨とするものでございます。御存じのように、骨髄を提供することによってその対価を受けるということについては、移植をする関係者の方々が厳に戒めるところでございます。したがって、先行する自治体の状況をお聞きいたしますと、例えばAという市でもらいBというところでもらいと、そういうことがないのであろうかとか、あるいはもともとお勤めになっているところで休業補償に相当する別の制度があるんではないかというような運用に苦慮していると聞いております。そのことについて研究する必要はあるかというふうに考えております。 また、私どもの調べでは、全国16の都府県におきまして、このような助成制度を実施する場合都府県が補助する制度もあるように聞いております。本市におきましても奈良県に対しこのような助成制度を創設してもらえないか、要望することも必要であるというふうに考えております。 以上です。 ○議長(東久保耕也君) 樋口君。 ◆3番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 ちょっと課題のところについてよくわからなかったんで、改めて再質問させていただきます。 本市として、このドナー支援制度を導入するに当たって、明確に何が問題で何が必要なのか、そのプロセスについて示していただけますか。 ○議長(東久保耕也君) 健康医療部長。 ◎健康医療部長(佐藤敏行君) 再度お答えを申し上げます。 例えば県による助成制度がありましたら、私どももそれを活用させていただきたいというふうに思います。また、運用については休業補償という原則を徹底するため、例えばその方の職場に休業補償に該当するような制度がないか、そういったことをきちんと調べるというような運用も必要であるというふうに認識をしておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 樋口君。 ◆3番(樋口清二郎君) 済みません、明確な答えをいただいていないんですけれども。 じゃ、本市としてその必要な費用とか必要な人員とか、どういうふうな形で調査検討していこうとしているのか御説明をお願いいたします。 ○議長(東久保耕也君) 健康医療部長。 ◎健康医療部長(佐藤敏行君) 本市において骨髄移植が必要な人員が何人いるかということについては、非常に難しいことだと思います。骨髄バンクに登録されますと、日本中で組織適合性を、日本中を対象として調べ、そして骨髄提供をするということでございますので、これは市の問題ではなくてどの程度いるかといいますと、やはり骨髄バンク全体のうち、先ほどお答えいたしました4.5%の数というものが、それが奈良市においてどれだけ必要かということにつきましては、お答えできない数字かというふうに認識しています。 ○議長(東久保耕也君) 樋口君。 ◆3番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 そうしたら最後の意見・要望を述べさせていただきますけれども、市として実際にじゃ、何人ぐらいが対象になって、どれぐらいの費用が必要なのかというところの算出が必要だと思っていますので、そこをしっかりと算出していただきたいと思いますし、今社会的にもこの骨髄バンクの取り組みというのは広がりを見せている状況ですので、橿原市や天理市で人の輪の支援というのが広がりを見せているわけですから、奈良市としてもこのドナー支援の取り組みを進めていく必要があるのではないかということを意見・要望として述べさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
    ○議長(東久保耕也君) 38番伊藤君。   (38番 伊藤 剛君 登壇) ◆38番(伊藤剛君) 私は、通告しております各項目につきまして、市長、副市長及び関係理事者へお尋ねいたします。 初めにポイ捨て防止対策について、市長へお尋ねします。 本市におきましては、奈良市ポイ捨て防止に関する条例に基づき、近鉄奈良駅前広場及びJR奈良駅前広場や大宮通り、三条通りの一部などを美化促進重点地域と定め、地域内における空き缶等のポイ捨てを禁止し、罰則も設けられております。一方、京都市や枚方市などのように、一部地域だけでなく市内全域をポイ捨て禁止としている自治体もあります。そこで、それら自治体と同様に、本市において市内全域をポイ捨て禁止とすることについての、市長のお考えをお尋ねします。 続きまして、鶴舞団地周辺のまちづくりとUR住宅のストック活用について、西谷副市長に2点お尋ねします。 学園前駅北側にある建てかえがほぼ完了した鶴舞団地周辺地域は、新たなまちづくりが進められることによって、今後どのように地域がにぎわい、定住人口が確保されるかということに期待され、注目もされております。また、これまで私は委員会一般質問において、UR住宅の空き家対策について質問し、空き家の有効活用を進めることは本市にとってもURにとっても非常にメリットが大きいと主張してまいりました。一方、本市西部にある富雄団地、また中登美団地など、URの大規模集合住宅におきまして年々空き家が増加している現状でありますが、全国的にも同じような傾向がある中、平成30年12月にUR賃貸住宅ストック活用・再生ビジョンが策定されております。 そこで、1点目として、鶴舞団地建てかえに対する本市としての評価と周辺地域の今後の見通しについて。2点目に、UR賃貸住宅ストック活用・再生ビジョンを踏まえた今後の展開に本市としてどのようにかかわっていくのかお尋ねします。 次に、登美ヶ丘小学校周辺の環境整備について、教育総務部長にお尋ねします。 私の地元地域にある登美ヶ丘小学校は、開校以来既に50年以上経過し、施設の老朽化などが大きな課題として指摘されております。このたび、地元地区自治連合会から要望書も提出されておりますが、これらのことに関連し2点お尋ねします。 1点目として、災害時に避難所として使用される体育館ですが、トイレが設置されておりません。館内にトイレを設置する必要があると思われますが、この点についての考えをお尋ねします。 2点目は通学路についてであります。 現在、登美ヶ丘小学校北東部は住宅開発が進められており、今後小学校へ通う児童がさらにふえると予測されておりますが、直接学校へアクセスできる通学路がなく、かなり迂回して通学せざるを得ない状況であります。また、同小学校は正門のみが車両の乗り入れが可能であり、もし正門までの道が通行不可能となった場合、緊急車両も乗り入れができなくなります。こうした状況の中、学校北側に車両が通行できる通学路新設が要望されておりまして、この点についてのお考えをお尋ねしたいと思います。 続きまして、富雄川流域の観光振興に関連し、同じく教育総務部長に3点お尋ねします。 富雄地域におきましては、本市埋蔵文化財調査センターによります富雄丸山古墳への調査開始を契機として、富雄川流域の文化財、各方面からの注目が集まっております。また、中町道の駅など県市連携を通じての計画として、富雄地域を中心とした周辺への新たな観光振興への動きに期待が持たれております。 そこで、日本最大の円墳としての評価がなされております富雄丸山古墳の発掘調査の成果についての質問であります。 1点目に、今年度実施された発掘調査の内容について。2点目として、発掘調査と同時に開催された体験学習の内容について。3点目に、これからの古墳調査と今後の取り組みについてお尋ねします。 次に、デイジー教科書等の音声教材の使用状況について、学校教育部長に2点お尋ねします。 昨年末大阪市で開催された研修会において、本市の鳥見小学校と登美ヶ丘小学校での通級指導教室における学習に、デイジー教科書が有効活用されている事例が発表されました。そのことを受け、私は先月鳥見小学校を訪問し、デイジー教科書に関しての活用状況や学習効果などについて調査させていただきました。 そこで1点目として、市立学校におけるデイジー教科書を初めとする音声教材の平成30年度の使用状況について。2点目に、今年度からタブレット端末が通級指導教室へ配置されておりますが、市立学校における音声教材による取り組みを、今後どのように進めていかれるのかお尋ねします。 以上で私の1問目を終わります。 ○議長(東久保耕也君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの伊藤議員からの御質問にお答え申し上げます。 奈良市全域をポイ捨て禁止にしてはどうかということでございます。 ポイ捨ても含めまして、何人も公共の場所を汚さないようにしなければならないという趣旨につきましては、既に廃棄物の処理及び清掃に関する法律や奈良市廃棄物の処理及び清掃に関する条例におきましても定められているところでございます。 本市におきましては、国際文化観光都市にふさわしい美観の形成を目的とし、特に重点的に対策を行う美化促進重点地域を指定し、ポイ捨てを禁止し、罰則も設けており、現在は街頭啓発や日々の清掃活動を行っているところでございます。 御提案のように、これを仮に市内全域に拡大するということになりますと、やはり実効性を担保する必要が出てまいりますので、その対策に要する予算措置、また巡回など人員配置などの面でも強化が必要となってくると考えております。 一方で、本市の環境美化に対するより強い姿勢と市民の意識の高さを示すため、市内全域でポイ捨てをしない、させないという意思を示すということも重要なことだと考えられますので、先行して同様の取り組みをされている自治体の手法等につきましても研究し、またその先進地での取り組みの実効性、実態についても調査をしながら、本市の施策としてどのような形が望ましいのか検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 西谷副市長。   (副市長 西谷忠雄君 登壇) ◎副市長(西谷忠雄君) 伊藤議員の御質問にお答えいたします。 鶴舞団地の建てかえの評価と今後の周辺の見通しということでの御質問でございます。 鶴舞団地では、これまで段階的に、団地の建てかえにあわせ、市のまちづくりの方針に沿った都市計画高度地区の変更と地区計画の導入を実施し、適正な土地利用の誘導を行ってきたところでございます。 その結果、団地の建てかえによる居住環境の向上に加え、病院、図書館等新たな生活利便施設が立地したことに加えて、民間共同住宅も立地し、一定の定住人口確保にも貢献しているというふうに考えております。また、都市計画道路奥柳登美ヶ丘線沿道のにぎわいや、美しい街路景観が形成されるとともに、ゆとりある歩行者空間が形成され、今後残りの土地についても地区計画に沿って福祉施設、民間共同住宅、民間戸建住宅等が立地する予定であり、さらなる地域のにぎわいと定住人口の確保につながるものと考えております。 続きまして、UR賃貸住宅のストックについて、市として今後どのようにかかわっていくかということの御質問でございます。 鶴舞のように駅から徒歩圏の立地状況にある団地と、中登美、富雄など郊外型の住宅では状況が異なる部分がございます。また、賃貸住宅ストックの活用方法については、医療福祉や子育て支援、コミュニティー活性化などさまざまな分野での取り組みが考えられます。 そのような中、市ではURと連携し、地域の医療福祉の充実に取り組んでいるところでございます。全国には築年数が経過した団地において先行して取り組みを行い、高齢者の買い物支援など一定の効果を上げているものもございます。まずはそれらの事例の研究や市内の団地の現状把握が必要だと考えており、地域の抱える課題の解決のため、市としてもURと連携できる部分があるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 教育総務部長。   (教育総務部長 尾崎勝彦君 登壇) ◎教育総務部長(尾崎勝彦君) 伊藤議員の御質問にお答えいたします。 最初に登美ヶ丘小学校についての御質問でございますが、登美ヶ丘小学校体育館トイレについては、避難所となっている同校の体育館内にトイレはありませんが、館内にトイレを増設することは体育館のスペースが手狭になるなど、非常に困難な状況にあります。 一方で、来年度は男女の間仕切りについて課題になる校舎トイレを優先的に改修したいと考えており、同校のトイレについても改修予定であり、当初予算案にも計上しております。そのことから、来年度に実施したいと考えております工事において、体育館に一番近い校舎内トイレを多目的トイレに改修し、体育館と校舎をつなぐ渡り廊下の屋根を整備して、避難所用トイレとして活用していただくことも、避難所用としても有効なトイレ整備の一つであると現在考えております。 続きまして、登美ヶ丘小学校北側からの通学路の必要性についての御質問でございますが、登美ヶ丘小学校周辺の開発状況からすれば、学校北側に新たな道路や出入り口があれば通学の利便性が向上するということは認識しております。今回要望をいただき、教育総務課が現地を確認しておりますが、急傾斜地である等の問題もあり、また道路新設となると相当の予算等も必要となることから、今後関係部署とも連携をしながら、学校または避難所としての利便性やまちづくりの観点も踏まえまして検討していく必要があると考えております。 次に、富雄丸山古墳の調査等のことについての御質問をいただいております。 今年度実施されました発掘調査の内容についてでございますが、発掘調査は平成30年12月3日に開始し、平成31年1月31日に調査を終了しております。今年度は古墳の規模の確認を主として、古墳頂上にある埋葬部分の再確認と、古墳の裾にあり、儀式などを行ったと考えられるつくり出しと呼ぶ方形の平坦部の確認のための調査を行っております。調査の結果から、古墳の規模は直径約109メートルであることを確認し、昨年度の測量成果に加え、現地での調査により国内最大の円墳であることを再確認いたしました。 また、古墳が3段に築かれており、表面には石が敷き詰められていたことや、各段に設けられた平坦部には、古墳をめぐるように円筒埴輪が並べられていることも確認でき、古墳がつくられた際の壮麗な様子がうかがえる成果となりました。加えまして、さまざまな形の埴輪や埋葬時に埋められました装飾品や武器の破片なども見つかっております。このうち、特に鍬形石と呼ばれる石製の装飾品の破片が、現在京都国立博物館に収蔵されております重要文化財指定品の破片であることが明らかになっております。 続きまして、発掘調査と同時に開催されました体験学習の内容についての御質問でございます。 この体験学習は、奈良市に所在する魅力ある文化財をより知っていただくことを目的として実施したものでございます。富雄丸山古墳において実施しました発掘調査体験学習には、市内外から定員を超える応募があり、最終的に17日間で315名の方に御参加をいただいております。体験学習の参加に際しましては、事前に発掘調査の内容についての学習の機会を設け、発掘調査についての御理解を深めていただいた上で、現地での見学及び実際の発掘調査の体験を行っていただきました。実際に遺跡に触れる体験はほとんどの方にとって初めての経験であり、「一生の思い出になった」、「次回にもぜひ参加したい」という御意見をいただくなど、年齢を問わず好評であり、楽しく体験をいただいたものと考えております。 最後に、これからの調査の方針と今後の取り組みについてという御質問でございますが、発掘調査に関しましては、本古墳の規模や構造を明らかにすることを主目的として、本年度から5カ年の計画により行っているところでございます。将来的な史跡指定及び公園等の整備への資料ともなる調査として位置づけており、奈良市文化財保護審議会などの御意見をいただきながら、古墳の規模、構造を明らかにするために必要な発掘調査を実施してまいります。 また、この発掘調査にあわせて来年度以降も発掘調査体験学習の取り組みを引き続き行ってまいりたいと考えております。加えまして、古墳を中心とした富雄川流域に所在する文化財の重要性を広く知っていただけるような取り組みにも努めていきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 学校教育部長。   (学校教育部長 北谷雅人君 登壇) ◎学校教育部長(北谷雅人君) 伊藤議員の御質問にお答えをいたします。 デイジー教科書を初めとする音声教材の現在の使用状況についてでございますが、音声教材とは、特別な支援を必要とする児童・生徒の学習の保障を目的として、文部科学省が委託した団体によりデイジー教科書や音声つき教科書など4種類が開発されており、全国的にその活用が広がっております。いずれも読みに困難のある児童・生徒が、一人一人の障害の状況に適したものを用いることで、学習効果を得ることのできる教材でございます。 議員お尋ねの、本市における平成30年度の音声教材の使用状況についてでございますが、小・中学校合わせましてデイジー教科書の使用者が12名、音声つき教科書の使用者が18名、デイジー教科書と音声つき教科書を併用している者が1名となっております。 続きまして、市立学校における音声教材による取り組みについてでございますが、通級指導教室に配置したタブレット端末において、デイジー教科書等音声教材の運用を今年度から始めました。児童・生徒と保護者、教員などが十分に相談を行い、児童・生徒一人一人の状況に応じて音声データをタブレット端末上にダウンロードし、学習アプリなどとあわせて活用しながら学習を進めております。 児童・生徒からは、「文字を目で追いながら音読できるようになった」、「教科書の内容がよくわかるようになった」、また指導者からは、「児童・生徒が集中して課題に取り組むようになった」、「学習への意欲が高まった」などの声が寄せられており、効果的な教材であると認識しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 伊藤君。 ◆38番(伊藤剛君) 2問目は自席より行わせていただきます。数点再質問をさせていただきます。 まず、ポイ捨て防止対策について、市長にお尋ねします。 1問目では、市内全域をポイ捨て禁止とすることに対して、他の自治体の対策手法、実態調査を通じ検討するとの趣旨の前向きな御答弁をいただきました。 そこで、そこに至るまでのワンステップとしまして、市内全域ではなくとも例えば乗降客の多い新大宮、大和西大寺、学園前、高の原などの主要駅周辺、また公園といった箇所で、国際文化観光都市として恥ずかしくない美観を守るため、この重点地域を少しでも拡大するべきではないかと考えますが、この点についての御見解をお尋ねしたいと思います。 次に、富雄川流域の観光発信につきまして、市長にお尋ねしたいと思います。 1問目で、富雄丸山古墳発掘調査の成果、また今後の取り組みなどについて、教育総務部長に御答弁いただきましたが、そのことをきっかけに現在富雄川沿いの文化財が注目されております。先日、私自身も市民だよりの特集記事として、富雄川沿いの文化財を紹介するという企画に関連しまして担当課から取材をいただきました。本市の広報が富雄丸山古墳を含む富雄川流域の文化財を取り上げますことは、西部地域の魅力を発信する企画として大変効果的であると考えますが、これらの文化財を貴重な観光資源として、さらに広く観光客へ発信することも一層重要であると考えます。このことについての市長の御見解をお尋ねしたいと思います。 次に、登美ヶ丘小学校周辺の環境整備について、建設部長にお尋ねしたいと思います。 1問目で、通学路の新設に関する地域からの御要望について、教育総務部長より御見解を示していただき、今後の見通しにつきましては相当な時間を要する点は確認をいたしました。したがいまして、現在使用されている、通学路でもあります市道西部第242号線の安全性が今後より重視されるわけでありますが、現在路面にはひび割れとともに深い亀裂が生じることがありまして、また道路側溝においても老朽化などを原因とする腐食、さらに欠損している箇所が見られております。 そこで、側溝を含む道路全体の補修が必要と考えますが、この点についての部長のお考えをお尋ねしたいと思います。 次に、デイジー教科書等音声教材の使用状況について、ただいま学校教育部長にお答えいただきましたが、この1問目でデイジー教科書を初めとする音声教材使用状況、取り組みについての御答弁でありましたが、今後市立学校において音声教材の活用を推進するため、どのように環境整備を進めていこうとされているのか、お考えをお尋ねしたいと思います。 以上で私の2問目を終わります。 ○議長(東久保耕也君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 再質問は自席からお答え申し上げます。 ポイ捨て防止対策につきまして、市内全域がいきなり無理であれば重点地域を拡大するという方策はどうであるかということで、御指摘をいただきました。 御指摘のように、多くの鉄道利用者が乗降するターミナル駅、また多くの方が集まる公園などポイ捨てが目立つような場がございますと、やはり都市としての品格にも影響を与えるというふうに考えております。一方で、たくさんの人が集まる地域で実行していこうと思いますと、やはり市民やまた場合によっては観光客の方々のさらなる協力も必要になってこようかと存じます。 そのため、先ほど申し上げましたように、どういう地域でポイ捨てが特に目立つのかというような場所やエリアの情報を収集し、また他市でも制度は設けたけれどもどの程度の実効性を有しているのかという点なども、引き続き調査検討を行い、この対策を少しでも前を向いて進むように努力していきたいと考えているところでございます。 それから、富雄川流域の観光振興についてでございますが、富雄地区は日本書紀にも記述がございます歴史のある地域であり、日本最大の円墳であることが確認されました富雄丸山古墳や、多くの国宝、重要文化財を有する霊山寺、また市の無形文化財に指定されている粥占いの神事が残ります登弥神社など、文化財の宝庫とも言うべき地域でございます。そのような富雄地区のすばらしさを、新しく地域の住民になられた方を初め、広く奈良市民の皆様に再認識をしていただくことを目的に、市民だよりの4月号で特集を予定いたしております。 また、並行しまして、観光面での情報発信については、県北部の新たな観光拠点として現在計画をされております中町の道の駅におきましても、丸山古墳や追分梅林など近接する観光資源の活用を図るべく、県と連携をしてまいりたいと考えておりますとともに、富雄川流域の観光資源のPRや、また市内にお越しいただいた観光客の方々にも足を運んでいただけるような取り組みを進めてまいりたいと考えているところであります。 ○議長(東久保耕也君) 建設部長。 ◎建設部長(杉野高広君) 伊藤議員の御質問に、自席よりお答えいたします。 当該通学路における路面及び側溝の修繕につきましては、地元自治会から御要望をいただき、これまで複数回修繕を行ってまいりました。しかしながら、現況はいまだに舗装のひび割れ、側溝の傷みが見受けられますので、適時応急修繕を行ってまいりたいと考えております。 また、全面改修につきましては、対象エリアが広範囲にわたることから、再度現場調査を実施し、舗装のひび割れなどの原因を特定した上で判断してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 学校教育部長。 ◎学校教育部長(北谷雅人君) 議員の御質問にお答えをいたします。 音声教材等の活用を推進するための環境整備についてということでございますが、今年度全市立学校にタブレット端末を配置し、Wi-Fi環境を整えました。今後、この環境を生かし、通級指導教室以外の場においてもより簡便に音声教材の導入が進められるよう、努めてまいりたいと考えております。あわせて、特別支援教育にかかわる教員研修において、デイジー教科書等音声教材に関する情報提供や操作の体験を行うなど、その有効性を教員に啓発し、さらに普及を促してまいりたいと考えております。 以上でございます。----------------------------------- △会議時間の延長 ○議長(東久保耕也君) 議事の都合により、会議時間を午後6時まで延長いたします。----------------------------------- ○議長(東久保耕也君) 済みません、失礼しました。 伊藤君。 ◆38番(伊藤剛君) 3問目は、主張、要望とさせていただきます。 まず、ポイ捨て防止対策についてでありますが、市全域でポイ捨て禁止の罰則を適用することに関しましては、その施策を採用している自治体の実態を調査する、またポイ捨て重点地域の拡大に関しましては、市民や観光客などへの意識啓発を重視するという、市長の前向きな考えが示されました。しかし一方で、巡回指導を行う予算や監視体制の整備についての課題も指摘され、これらのハードルをどう乗り越えていくかが今後の重要な問題であります。そのための意識啓発として、市民と行政が協働で進めるまち美化活動などの一層の強化充実は当然のことと思いますが、国際文化観光都市として京都市に負けない意気込みで、まずは重点地域拡大へと取り組んでいただくことを要望したいと思います。 次に、鶴舞団地周辺のまちづくりとUR住宅ストック活用についてであります。 まず、鶴舞団地建てかえに伴う周辺地域への評価につきましては、本市のまちづくり方針に沿った地区計画などの実施によって、居住環境向上に加え、病院や消防署、また民間マンションも立地され、定住人口の一定確保に貢献している点が示されました。また、鶴舞団地近くにあります、現在のところ建てかえ計画のない富雄団地や中登美団地などのストック活用に関しまして、本市としましては地域福祉についてURとの連携を図っている点を確認いたしましたが、この点は評価したいと思います。その中で、御答弁いただきましたように、全国のUR住宅先進事例を研究していただき、私自身も埼玉県春日部市とかにも行かせていただいたことがありますが、さまざまなそうした具体例を研究していただいて、ストック状況の把握、高齢者の買い物支援、また子育て、防災・防犯など各方面におきまして、URストック状況、住宅の有効活用がこれまでより進められるように、URとの連携を強化していただくことを要望したいと思います。 続きまして、登美ヶ丘小学校周辺の環境整備についてであります。 災害時に避難所として使用される体育館に現在トイレがなく、この点につきまして部長より、体育館に一番近い校舎内トイレを本年度多目的トイレに改修する考えが示され、また体育館と校舎をつなぐ渡り廊下の屋根の整備も検討する前向きな御答弁をいただきました。これらのことは長年の地域の御要望でありまして、ぜひとも実現していただきますように要望したいと思います。 また、通学路新設に関しましては、財源の問題などまだまだハードルが高い点、確認をいたしました。であればこそ、今建設部長にも御答弁いただきましたように、現在の通学路の安全面をしっかりと確保していただく、そうしたより強固な対処をぜひともお願いしたいと思います。特にこの市道西部第242号線、私も都度地域の皆様から御連絡いただきまして、大雨、また大型台風に見舞われますとその都度亀裂が走ってくる、また見た目もやはり道路が傾いてきている、そのような度合いが年々きつくなってきている、このような実感をいたしますので、ぜひとも部長におっしゃっていただきましたように、調査の上での的確な対処をお願いしたい。また、側溝も溝ぶたが外れやすい、掃除がしにくいという切実なお声も数年前からいただいておりますので、どうかその点もあわせてお願いをしたいと思います。 続きまして、富雄川流域の観光振興についてでありますが、富雄丸山古墳に関しましては、私も公明党奈良市議会議員団として粘り強く要望してまいりました発掘調査が、昨年12月から2カ月にわたって行われ、その結果直径約109メートルの国内最大の円墳であることが再確認、そしてまた今御答弁いただきました重要文化財の破片の発見、そしてまた創建時の壮麗な様子が確認できるという成果が示されています。 この体験学習も大変好評であったようでありますが、古代史の謎を解明する可能性を持ったこのロマンあふれる古墳と、このような評価がまたこれから全国に伝わっていくのではないかと、このように思います。今後この5カ年計画に及ぶ専門家によります発掘調査と、また発掘調査体験学習も継続実施されるということでありますので、また今後の取り組みに一層期待をしたいと思います。 また、市長にも御答弁いただきましたこの富雄川流域の観光発信に関しましても、市民だより4月号への特集記事掲載は、もう大いに評価をしたいと思います。平城京を基盤とする世界遺産であります古都奈良の文化財の圧倒的な知名度に隠れまして、これまで余り取り上げられることのなかった本市西部の豊かな文化遺産の紹介が、このエリアにおける県市連携を通じて観光客誘客につながりますように、期待をしたいと思います。ことしはラグビーワールドカップ、来年は東京オリンピック・パラリンピック、再来年マスターズゲームズ関西、国際的イベントが続けて開催されますが、富雄を起点とした西奈良地域観光活性化のさらなる推進に期待をしたいと思います。 最後に、デイジー教科書と音声教材の使用状況についてでありますが、この音声教材、平成30年度の使用状況を部長から確認をさせていただきまして、今年度から通級指導教室へ配置されましたタブレット端末による効果などもあわせて御答弁いただきました。また、今後Wi-Fi環境を整えて、通級指導教室以外の場におきましてもデイジー教科書等音声教材導入を進めて、あわせてその有用性を教員に啓発・普及する考えも示されましたが、この点は一定評価をしたいと思います。しかし一方で、私現場へ行きましたときに、まだまだやはりこのタブレット端末が少なくて先生がプライベート端末で対応せざるを得ないときもある、またデイジー教科書のソフトが入力しづらい、こういう現場のお声もいただいておりますので、今後やはりこうした細かい点にも配慮をしていただきまして、デイジー教科書等音声教材の普及によって、児童への学習効果がさらに高まる取り組みを進めていただきますことを要望し、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(東久保耕也君) 9番白川君。   (9番 白川健太郎君 登壇) ◆9番(白川健太郎君) 日本共産党の白川でございます。私からも通告の内容に従って質問をしてまいりたいと思います。 通告とちょっと順番を入れかえて質問をしてまいりたいと思います。 それでは、まず初めに平松地域における総合医療センター跡地でのまちづくりについて、向井副市長にお伺いをしてまいります。 前回までのまちづくり協議会の場において、仮称子どもセンターを含む案が示され、説明も行われてまいりました。年度末となり基本構想策定の期限も迫っております。一方で、まちづくり協議会は昨年11月の開催以降行われておらず、また次回の開催も未定のままとなっております。 そこで、現在奈良県とはどのような交渉を行っておられるのかお聞きをいたします。 以上を1問目といたします。 ○議長(東久保耕也君) 向井副市長。 ◎副市長(向井政彦君) 自席からお答え申し上げます。 平松地区のまちづくりにつきましては、これまでの経緯も踏まえて県と財政負担も含めた各事業、また各ゾーンの役割分担を明確にして、県と市が互いに責任を持って役割を果たしていくことが大変重要であり、このことが住民の皆様の御要望に応えることにもなると考えております。 現在、市から具体的な提案も行いながら、県と協議、調整を行っているところでございます。特に本市が設置する仮称奈良市子どもセンターも--子どもセンターと呼ばせていただきますが--これにつきましては県市連携のまちづくりに基づく県からの支援は得られるものと想定をしておりますが、特に児童相談所、一時保護所を奈良市が設置することによりまして、県の中央こども家庭相談センターの業務負担の軽減にも直接的に大きく貢献できるものでもございますので、引き続き県には独自の支援も含めまして、連携、協力を強く求めてまいりたいと考えております。 ○議長(東久保耕也君) 白川君。 ◆9番(白川健太郎君) それでは、2問目以降は自席から質問をさせていただきます。 先ほど答弁をいただきましたその県とのかかわりですけれども、これまでの県の態度を見ていると、余り積極的な回答が住民に対してもされていないというふうにも感じております。言ってしまえば、県が市に押しつけて県は手を引くというふうなことになっては、これは絶対に許されないことだというふうにも思います。やはり奈良市と県は包括協定を結んでおりますので、その協定に基づいて県にやはりしっかりと役割を果たしていただくという点、奈良市からも迫っていただきたいというふうに思います。 それで、まちづくり協議会の場でも住民の方から御意見も出ていたと思います。地域交通などのそういった地域の皆さんからの要望に対しては、市としてどのように対応していくのか、そのお考えをお示しください。 ○議長(東久保耕也君) 向井副市長。 ◎副市長(向井政彦君) 地域住民の皆様からの御要望につきましては、今後の基本構想に向けて協議を進めながら、もちろん一定の財政的な制限とか県の意向もございますが、できるだけ反映していくことが必要であると考えております。特に地域交通ということに関して申し上げれば、県は市民の足であるコミュニティバスの運行として捉え、その運行は市の役割であるという認識もされているようなところもございますが、そもそも地域住民の皆様からの御要望は、県立奈良病院移転に伴う新病院への通院のアクセス確保ということでございます。その要望に応えることができますように、県と市で協力して実現性のある方策を検討してまいりたいと考えております。 ○議長(東久保耕也君) 白川君。 ◆9番(白川健太郎君) 交通のことに関しては、いろいろ地域の方からのお話も寄せられているんですけれども、病院から駅の間のバスが、今まではシャトルバスみたいな形で運行されていたんですけれども、それがなくなって、そのバスが今はもう1時間に1本になっているということで、外出であるとか商売にも影響が出ているという声もいただいております。交通に関する要望がやはり大変強く上がっておりますので、やはりこの問題というのは早期の解決というのが強く求められているというふうに思います。開催時期未定ということでありますけれども、次回のまちづくり協議会では、やはりこれ何らかの回答というのを地域の皆さんに返していく必要があるのではないかということを申し述べたいと思います。 それでは、今後のその基本構想の策定から施設の建設までの予定というのはどのようにお考えでしょうか。 ○議長(東久保耕也君) 向井副市長。 ◎副市長(向井政彦君) 現在、この年度末を目標に、この平松地区全体のまちづくりコンセプトや将来像、基本となる取り組みなどを内容とするまちづくり基本構想の素案を作成中でございます。この素案を地域住民の皆様にお示しをして、御意見、御要望を伺うとともに、県とも調整の後、基本構想として公表していく予定でございます。その後、市が設置いたします子どもセンターにつきましては設計に入ってまいりたいと考えており、元号が変わりますけれども一応平成33年度での供用を目指しているところでございます。 また、子どもセンター以外の土地、ゾーンにつきましては、基本構想に基づき、既におおむね方向性が決まっている介護・福祉・交流等のゾーン、またその他の検討ゾーンも含めて民間活力の導入により進めていく予定でございます。それにつきましても、土地の所有者であります県とも連携して、プロポーザル方式による事業者選定に向けた作業を行ってまいりたいと考えております。 これら民間活力の導入ゾーンにつきましては、地域住民の皆様の御要望もできるだけ反映してまいりたいと考えております。民間事業者の提案、意向も確認しながら、一定の経済合理性の中で検討していく必要があると考えております。 このように、子どもセンターとそれ以外の部分につきましては、結果的には少し段階的なまちづくりを進めるということになるかと考えております。 ○議長(東久保耕也君) 白川君。 ◆9番(白川健太郎君) 今後のスケジュールについて、詳しくお答えをいただきました。 ただ、この基本構想というのも、以前は今年度の秋までにつくりたいというふうな答弁もされていたかというふうに思います。そのような状況から考えると、今後もやはりこの策定がおくれるのではないかということを懸念する声も、やはりあるというふうにも思います。 それでは、仮にということになるとは思うんですけれども、この基本構想の策定がおくれた場合、児童相談所を含む子どもセンターですけれども、その計画というのは先行して進めるのかどうか、その点についてお伺いをいたします。 ○議長(東久保耕也君) 向井副市長。 ◎副市長(向井政彦君) 児童相談所を含む子どもセンターの設置につきましては、地域住民の皆様からおおむね前向きな御意見をいただいております。これは大変感謝をしております。今後さらに御理解を深めていただけますように、その具体的詳細な内容等についても御説明を申し上げまして、住民の皆様の御意見、御要望も踏まえて、基本構想策定後に先ほど申しましたように設計に入り、平成33年度のオープンに向けて取り組む予定をしております。 なお、基本構想につきましては、先ほど申し上げましたこれも素案について、地域住民の皆様からの御意見、御要望、これに対して真摯に対応して早期の策定を目指し、引き続きまちづくり協議会、これにつきましてもできるだけ早く開きたいと思っております。その場で協議、調整を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(東久保耕也君) 白川君。 ◆9番(白川健太郎君) ありがとうございます。 今の御答弁では、基本構想と一体にということで進められるというふうに理解もさせていただきました。 それでは、今この跡地ですけれども、県のほうで土壌汚染の調査というものがされているかと思います。その土壌汚染の調査ですけれども、その調査結果の公表の予定というのはどのように認識をされているでしょうか。 ○議長(東久保耕也君) 向井副市長。 ◎副市長(向井政彦君) 県からは、土壌汚染調査の結果につきましては、調査の全体結果が確定した後に公表予定であるとお聞きをしております。 ○議長(東久保耕也君) 白川君。 ◆9番(白川健太郎君) 公表する考えはあるということを確認させていただきました。 県のほうにお聞きをいたしますと、今年度末まで土壌の表面調査をされており、その結果によってボーリングなどでより深い部分の調査も必要になってくるのではないかというふうなことも言われております。結果が出るのは大体夏ごろになるかというふうにも思いますけれども、この土壌汚染というのは、やはり周辺地域にお暮らしの方々にとっても大変関心の高い情報だというふうに考えます。その結果についてはやはり速やかに、そしてかつ広く公表されるよう、県と連携をしていただくように要望したいと思います。 そして、まずはやはり、これは昨年より未開催となっているまちづくり協議会の日程を早期に--協議会に入っておられる自治会長さんら、地域の皆さんとの協議もあると思うんですけれども--その日程というのを早期に示していただくとともに、子どもセンター以外の施設のスケジュールについても、やはり基本構想の策定と同時に示していっていただきたいというふうに要望もさせていただきたいと思います。副市長、ありがとうございました。 次に、生活道路や通学路の安全対策についてお伺いをしたいと思います。 まず、尼ヶ辻駅周辺について、市民生活部長にお伺いをいたします。 尼ヶ辻駅西側の国道308号線における安全対策を、これまでも求めてまいりました。それによって幅員減少を示す標識が設置されたということでありますけれども、この標識が設置されたにもかかわらず、余り効果が上がっていないのではないかというふうに見受けられます。 そこで、次の対策をどのように考えておられるのか、その点についてお示しをいただきたいと思います。 ○議長(東久保耕也君) 市民生活部長。 ◎市民生活部長(川尻茂君) 白川議員の御質問にお答えします。 近鉄尼ヶ辻駅西側の国道308号線における安全対策についてでございますが、道路管理者であります奈良県に、道路幅員が狭くなる警戒標識の設置要望を行い、昨年12月に設置されたところでございます。また、市といたしましても、昨年9月の秋の交通安全期間中に地域の自治会や交通安全指導員の方々、奈良警察署と連携して、駅周辺の通過車両に対しての通行の注意喚起の啓発活動をさせていただきました。今後も地域の皆様方と、効果が上がるように相談をさせていただきながら、啓発活動を継続して行ってまいりたいと考えております。 なお、尼ヶ辻駅西の道路は狭隘でございますので、道路幅員につきましては道路管理者である奈良県に向けて、引き続き要望してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 白川君。 ◆9番(白川健太郎君) ありがとうございます。 本当にこの道は大変狭くて、特に朝の通勤ラッシュの時間帯には車の数も大変多いということで、本当に道が危ないという指摘の声が周辺の地域の皆さんから多く私のもとにも寄せられております。県のほうに対しても要望もしてまいりたいと思いますけれども、ぜひ奈良市のほうからもその今の危険な状況を改善するために、県に対して引き続き働きかけというところをお願いしたいと思います。 それでは、次に伏見南小学校前の通学路の安全対策について、これは教育総務部長にお伺いをしたいと思います。 平成27年より通学路交通安全プログラムの中で安全対策が図られてまいりましたけれども、しかし地元からは根本的な解決には至っていないという指摘がございます。そのため、やはりこういうさらなる対策が必要ではないかというふうにも考えます。 そこでまず1点目といたしまして、この問題解決に向けて、奈良市として真摯に取り組む意思はあるのか、ちょっとその辺について、まずお示しをいただきたいと思います。 ○議長(東久保耕也君) 教育総務部長。 ◎教育総務部長(尾崎勝彦君) 自席よりお答えさせていただきます。 伏見南小学校前におけます安全対策について、真摯に取り組む意思はあるのかという御質問でございますが、伏見南小学校前の道路の安全対策につきましては、交通安全プログラムにより危険箇所との指摘があったことから、登校時間帯の通行規制など一定の対策を行ってきたところでございます。また、この内容は昨年の9月定例会で御指摘をいただきましたが、昨年8月に設置しました啓発看板、路面標示の効果を測定するための調査を10月に2回実施いたしました。調査結果としましては、交通量につきましては減少傾向、速度につきましてはほぼ変わらない状況という結果でございます。 当該道路は東への下り坂の直線であることから、通行規制のない下校時間に進入してきた車両の中にはスピードを出して通行する車両もあると聞いており、今現在におきましても問題解決に向けて協議を行っているところでございます。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 白川君。 ◆9番(白川健太郎君) ありがとうございます。 車の数は減っているけれども、その車の速度についてはほぼ変わらない状況であるということをお述べいただきました。ほぼ変わらないということで、看板と路面標示をされたということですけれども、それが本当に効果があったのかということであれば、この結果はやはり私自身ちょっと疑問が残る結果ではないかなというふうに思います。 それで、次に今後の具体的な対策というのはどのようにお考えなのか、その点についてお聞きをいたします。 ○議長(東久保耕也君) 教育総務部長。 ◎教育総務部長(尾崎勝彦君) お答えいたします。 今後の具体的な安全対策についての御質問でございますが、速度規制やグリーンベルトの設置、また注意看板の設置、道路標示の塗り直しなどの対策を講じてまいりました。現状でできるさらなる対策につきましては、今年度中に新たな注意看板を5カ所に設置する予定でございます。 また、学校及び地域による見守り活動など、現状でできる限りの対策を講じていきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 白川君。 ◆9番(白川健太郎君) 注意看板を5カ所今年度中に設置をされるということ、対策をお述べいただきました。またこの看板の効果もやはりある時期をもって調査して、本当に効果があったのかというところを検証する必要があるのではないかというふうに思います。 それで、県のほうでは移動式のオービスが導入されて、2月にこの道路で使用されたというようなこともお聞きをしておりますけれども、その結果についてはどのように県からお聞きになっていますか、わかればお答えください。 ○議長(東久保耕也君) 教育総務部長。 ◎教育総務部長(尾崎勝彦君) 奈良県警に確認させていただきましたところ、移動式の速度違反取り締まり装置、オービスの導入に伴い、スピード違反車両の取り締まりをした事実はあるようですが、結果等につきましては直ちに情報を提供することは難しいとの回答を得ております。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 白川君。 ◆9番(白川健太郎君) 県のほうは情報を開示するのは難しいということですけれども、ぜひこれ数字だけでも県のほうからつかんでいただくなどして、今後の交通安全のための資料として生かしていただきたいなというふうにも思います。 それでは次に、ここの道路ですけれども、7時半から9時までの時間帯で一方通行規制をされている道路にもなっているんですけれども、しかしながらその一方通行を逆走するというふうな違反車両があるというようなこともお聞きをいたしております。その対策をしてほしいというふうに要望も届けられておるんですけれども、そういう違反車両への対策をどのように講じていくのか、その点のお考えについてお答えください。 ○議長(東久保耕也君) 教育総務部長。 ◎教育総務部長(尾崎勝彦君) 違反車両の対策についての御質問でございますが、学校開放の利用者へは、当該道路の一方通行規制について学校から周知をしております。また、地元自治会においては、一方通行規制についてのビラを当該道路において配布をされておられます。 なお、今後のさらなる対策としまして、教育総務課による新たな一方通行規制の補助看板の設置も検討しており、状況によっては違反車両の取り締まりなど、警察への協力依頼も必要であるかと考えております。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 白川君。 ◆9番(白川健太郎君) ありがとうございます。対策をお述べいただきました。 ちょっと1点確認をさせていただきたいんですけれども、最後のところで補助看板の設置ということをお述べになられたと思うんですけれども、これは地元と設置時期で話がまとまれば、設置はしていただけるというふうに理解をさせてもらってよろしいでしょうか。 ○議長(東久保耕也君) 教育総務部長。 ◎教育総務部長(尾崎勝彦君) その辺も踏まえて検討していきたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 白川君。 ◆9番(白川健太郎君) ありがとうございます。 特にこの通学路というのは、やはり小学生の皆さんが毎日利用される道路で、本当にこの安全対策というところをしっかりと行わなければならない場所だというふうにも思います。この通学路の安全対策というのは、やはりこれ全市的な課題だというふうに思いますけれども、やはり地元との協議に従って着実に進めていただきたいということを要望させていただきます。ありがとうございました。 次に、あやめ池駅北側の市有地の売却についてお伺いをいたします。 当該土地は、文化芸術情報館建設用地として市が保有をしていたもので、平成22年にこの計画が白紙撤回をされた後は、いわゆる未利用地となっておりました。地元からはちびっこ広場の建設などの要望が出され、また議会に請願も提出をされ、審議をされてきたという経過もございます。また、奈良市、近鉄、自治会の協議で当該地エリアを教育文化ゾーンとする地区計画も策定をされております。そのような経緯がある土地を突如奈良市が売却、これはテレビでも大きく報じられることとなりました。 そこで、財務部長にお伺いをいたします。 当該地の売却に至った経緯について、お示しください。 ○議長(東久保耕也君) 財務部長。 ◎財務部長(辻井淳君) 白川議員の御質問にお答えいたします。 あやめ池駅北側市有地について、売却に至った経緯でございます。 当該土地の西側部分2,008.36平方メートルにつきましては、平成20年度に近畿日本鉄道株式会社施工の区画整理事業の換地として取得しており、東側部分1,752.14平方メートルにつきましては、仮称文化芸術情報館建設の計画がなくなったことから取得がおくれておりましたが、平成27年度に近鉄不動産株式会社との合意に基づき売買により取得したものとなっております。 その間、この土地につきましては、議員お述べのとおり、ちびっこ広場の建設や防災に役立つ土地利用などが要望されてきておりましたが、公共事業用地としての活用方針が定まらなかったことから、平成29年度に未利用地として売却に至ったものでございます。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 白川君。 ◆9番(白川健太郎君) そもそも、この土地は奈良市が持っている部分だけでは接道の関係等により売れへんと。隣の近鉄の所有する土地といわばくっつけることによって、一連の土地として売却することができるというような条件の土地でもあったかというふうにも思います。かつてそういうのでこれは土地転がしじゃないかというふうなことを指摘した議員もおりましたけれども、ともかくこれまで、その土地の利用について地元の皆さんからさまざまな声が上がっているにもかかわらず、事前の十分な説明もなしに、そしてそのような手法をもってこの土地を売却したことについては、やはりこれ批判の声も強く上がっているのではないかと感じております。 そこで、この土地の売却に当たって、事前に地域に説明をすべきでなかったかというふうに考えます。奈良市のやり方に瑕疵はなかったのか、どのようにお考えなのか、その点についてお示しください。 ○議長(東久保耕也君) 財務部長。 ◎財務部長(辻井淳君) お答えいたします。 売却に当たりましては、あやめ池地区地域ミーティングにて要望のあった多目的運動公園として整備する考えがないこと、民間活力の導入すなわち売却も含めて検討中であることをお伝えし、その後改めてあやめ池地区自治連合会に対しまして売却の検討を行っていることをお伝えし、平成29年3月議会の予算審査等特別委員会においても審議があり、そして売却の入札前の平成29年7月には、あやめ池地区自治連合会に対しまして改めて売却に至った経緯や売却方法などをお伝えした上で、入札を行ったものでございます。 このことから、売却方法について瑕疵がなかったかということにつきましては問題なかったものと考えておりますが、地域の方々から売却に対する御批判等があることも認識しております。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 白川君。 ◆9番(白川健太郎君) 売却そのものには瑕疵がなかったということです。 確かに、法的には問題はないかというふうには思うんですけれどもね、しかし最後に地域の方々から売却に対する批判があったことも認識をされているというふうなことをお述べになりました。これ、批判が出るということはですね、やっぱりその地域の住民に対して十分な説明はされていなかったのではないか、その手法はやはり市としては誠実なやり方ではなかったのではないかというふうに、私自身は考えます。 次に、都市整備部長にお伺いをしたいと思います。 今後、落札をされた業者が施設を建設されるというふうにも聞き及んでおります。少なくともこれまでの地域要求も踏まえ、住環境の保全やまた景観に対する配慮などを、やはりこれから施設を建設していこうとするそういう業者に求めていくべきだというふうにも考えますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。 ○議長(東久保耕也君) 都市整備部長。 ◎都市整備部長(岡本善昭君) お答えを申し上げます。 本市では、開発指導要綱で、都市計画区域内におきましては地上階数が3以上の建築物の建築で床面積の合計が2,000平方メートル以上のもの、または共同住宅で住宅戸数が20戸以上のものにつきましては、開発行為がない場合であっても業者に事前協議を求め、関係各課と事業者の間で協議書の締結を行っております。 一方、今申し上げました規模未満のもので一定規模以上のもの、または集会場、映画館などの特定用途に供される建築物につきましては、準開発事業と位置づけをしておりまして、この場合は協議書の締結は行いませんが届け出は求めているところでございます。 今回、建設を計画されております建築物につきましては、建築基準法上集会場に該当するため、準開発事業として既に届け出がなされておりまして、現在事業者は関係各課と必要な調整等をしている状況であります。その中で、住環境や景観の点につきましても、必要に応じて調整等が図られるものと考えております。さらに、地域住民からの要望等がございましたら、工事着手の前後にかかわらず、これまでも市から事業者には伝えており、この案件につきましても事業者に伝えてまいります。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 白川君。 ◆9番(白川健太郎君) この当該土地についての経緯というのは、既に御承知いただいているものというふうに思います。そもそもで言えば、なぜこれ売却の際に使途に制限を設けなかったのかなど、やはりそのプロセスに問題が多かったのではないかというふうに思いますし、やはり市民の共有財産である市有地というのをぽんぽん売ってしまうという市の姿勢についても、やはり強く疑問を感じます。少なくとも、このあやめ池の土地については、今後も地元からさまざまな御意見も出てくるというふうにも考えられます。やはり市としてできる限りの調整など、対応を誠実にしていただくことを強く要望いたします。ありがとうございました。 それでは、次に国民健康保険制度について、福祉部長にお伺いをしてまいります。 国保料について、奈良市では半数以上の被保険者が法定減免の対象となっているということも、先日の委員会で明らかとなりました。今後、保険料の値上げが続くということとなりますと、やはりますます保険料が払えないという事態が広がるのではないかと、大変危惧をするところであります。 そこで、この被保険者の負担感について、奈良市はどのようにお考えでしょうか、お示しください。 ○議長(東久保耕也君) 福祉部長。 ◎福祉部長(堀川育子君) お答えいたします。 国民健康保険は、他の制度に比べ年齢構成が高く、また所得水準が低い一方で医療費水準が高く、加入者の保険料負担が重くなっているという構造的な課題がございます。今後も高齢化等に伴う医療費の増加が見込まれる状況におきまして、保険者には国民皆保険制度の基礎を支える国保制度を持続して安定的に運営していくことが今まで以上に求められており、保険料負担につきましては、医療費など給付とのバランスの中で慎重に検討する必要がございます。 保険料につきましては、負担能力に応じて賦課されます所得割と所得にかかわらず賦課されます被保険者数に応じた均等割、また世帯ごとに賦課される平等割より算定されますが、御質問の被保険者の負担感は重要なことと認識しており、所得にかかわらず賦課されます均等割、平等割につきましては、保険料率の改定において低所得者の負担の増加に配慮した慎重な扱いが必要であると考えております。 以上でございます。 ○議長(東久保耕也君) 白川君。 ◆9番(白川健太郎君) ありがとうございます。 全国知事会のほうでも1兆円の国庫負担の増額を求めるなど、この国保料の引き下げというところについて、政府に求める動きがございます。また、私たち共産党市議団としましても、これまで県や国に対して保険料を引き下げるための要請を、奈良市に対して求めてまいりました。 そこで、今年度における国や県等に対するこの保険料の負担軽減を要望された実績についてお示しください。 ○議長(東久保耕也君) 福祉部長。 ◎福祉部長(堀川育子君) お答えいたします。 今年度の国や県に対する負担軽減の要望の実績についてでございますが、まず5月に中核市市長会で承認後、政府・関係機関へ提出をされました国の施策及び予算に関する提言におきまして、国保制度の財政基盤強化といたしまして、国庫負担の拡大による財源強化について要望しております。 また1月には、本市が参画をいたします奈良県都市国保協議会を通じまして、国に保険給付費に対する国庫負担金の負担率の大幅な引き上げを強く要望したところでございます。 また、奈良県は、市町村の要望を酌み、県一般会計からの補助を保険料水準の抑制に重点配分し、納付金の算定を行っているところでございます。 ○議長(東久保耕也君) 白川君。 ◆9番(白川健太郎君) 奈良市としても県・国に対して要望活動をしていただいているという点については理解をさせていただきました。払いたくても払えない、この高過ぎる保険料ですけれども、そういった被保険者に対して、やはり減免という部分でも弾力的な運用が強く求められるのではないかというふうにも思います。県内においては広陵町が減免のための財源として法定外繰り入れを行っているというようなこともお聞きをしております。 そこで、奈良市においてもやはりこれ、一定の財源を確保した上で、被保険者の経済的状況やまた生活実態に即した減免制度の運用というのが求められるのではないかというふうに思いますけれども、その点についてのお考えをお示しください。 ○議長(東久保耕也君) 福祉部長。 ◎福祉部長(堀川育子君) お答えいたします。 被保険者の経済状況や、また生活実態に即した保険料対応につきましては、国の制度として一定の所得基準より低所得の方の保険料について、均等割、平等割の減額賦課がございます。 本市の対応といたしましては、納付困難者に対しましてきめ細やかな納付相談を行い、分割納付等の対応を行うとともに、条例に基づき本市独自の所得激減者に対する減免制度を運用してまいりました。 保険料減免につきましては、今後奈良県内で減免基準についても統一化へ向けて議論と調整が進められていく予定でございますが、国保制度を安定して運営できるよう、減免制度を通じたきめ細やかな対応の充実につきまして、財源のことも含め積極的に提案していきたいと考えております。 ○議長(東久保耕也君) 白川君。 ◆9番(白川健太郎君) ありがとうございます。 今回、この国保料の賦課限度額を引き上げる一方で、減免の範囲を拡大するという条例改正案になっているんですけれども、そういう条例改正案も提案をされておりますが、これで賦課限度額を引き上げられるということで、低所得世帯だけではなくいわゆる中間層の世帯にとっても、もはやこの保険料負担というのはもう限界に来ているのではないかというふうに考えます。保険料引き下げにあらゆる方策の検討を行うことが今強く求められていると思いますし、ぜひ奈良市としても真剣に検討をいただきたいというふうに思います。 昨日、全日本民主医療機関連合会は、経済的理由で治療が手おくれとなり死亡に至ったケースが、2018年に77件あったということを発表いたしました。そのうち無保険や短期保険証だったのが38例あったそうであります。本市においても国保料がますます値上がりをすれば、このような事態が発生をするのではないかと大変危惧するところでもあります。国保料の負担軽減は待ったなしの課題であります。新年度はこれまで以上の取り組みを行っていただくことを強く要望いたします。ありがとうございました。 最後に、健康医療部長に1点に絞ってお伺いをしたいと思います。 前回の厚生消防委員会におきまして、低所得の方に対して院外薬局における薬代への補助制度が高知市などで実施をされているということを御紹介もさせていただきました。これはお金がなくて支払いが困難だという方の健康を守る上で、大変大きな助けになっている制度ではないかというふうに思います。 そこで、奈良市における低所得者への薬代の補助の実施についてのお考えをお示しいただきたいと思います。 ○議長(東久保耕也君) 健康医療部長。 ◎健康医療部長(佐藤敏行君) お答えを申し上げます。 当市における低額診療の低所得者への院外薬局の薬代補助の実施についてでございます。 前回も御質問いただきましたが、私ども平成25年3月22日に、保険薬局への無料低額診療事業に関する意見書が本議会において議決をされておりまして、国に対して保険薬局も無料低額診療事業の対象とすることを求めていただいたことを承知しております。 このことも踏まえまして、健康医療部としては国に働きかけ、また国の動向を注視してまいりたいと考えておるところでございます。 以上です。 ○議長(東久保耕也君) 白川君。 ◆9番(白川健太郎君) ありがとうございます。 この議会でのその意見書の採択についても触れていただきました。その意義については御理解もいただいているものだというふうに思います。実際にそういう薬代の補助を実施している自治体もあり、ぜひこの奈良市においてもその実現というのを目指していただきたいというふうに思います。今後について、国の動向を注視していくというふうに述べられましたけれども、やはりここでも一歩踏み込んで、国に制度の創設やまた予算措置を求めていくという立場に立っていただきたいというふうにも思います。 この質問の中で、市立病院における無料低額診療についてもお聞きをしようと思っていたんですけれども、ちょっと時間もないので主張のみにとどめさせていただきたいというふうに思います。 今、市内で民間病院を中心に、この無料低額診療というものがされておりますけれども、お聞きをすれば相当な数の患者さんがこの無料低額診療--いわゆる無低診ですけれども--を利用されているということで、数字から見てもこの無料低額診療への需要、必要性というのは大変大きいものだと考えるのが妥当ではないかというふうに思います。 少なくとも同等の制度、無低診の対象者の皆さんが安心して市立病院でもお金の心配なく医療を受けることができると、そういう制度の確立こそ、市立病院にも今強く求められているのではないかというふうに思います。前回の厚生消防委員会でも市立病院での無低診の実施の考えは今のところないというふうなことを述べていただきましたけれども、ぜひ今の市民の皆さんの医療に対するニーズをしっかりと酌み取っていただいて、奈良市のほうでも検討していただきたいと思います。 以上で私の質問を終わります。 ○議長(東久保耕也君) お諮りいたします。 本日の会議はこの程度で打ち切り、明8日午前10時より本会議を再開して、質疑並びに一般質問を行いたいと思いますが、そのようにいたしまして御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(東久保耕也君) 異議なしと認めます。 よって、そのように決定いたします。 本日はこれで散会いたします。   午後5時6分 散会----------------------------------- 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。              奈良市議会議長   東久保耕也              奈良市議会副議長  森岡弘之              奈良市議会議員   山本直子              奈良市議会議員   北村拓哉              奈良市議会議員   北 良晃...